2024年12月8日「羊飼いたちの笑顔」木下淳夫 師

タイトル羊飼いたちの笑顔
聖書ルカ2:8~20
説教者木下淳夫師

今日のテーマは、「羊飼いたちの笑顔」です。

 当時、羊飼いたちは、人々から見下されていました。ですから、町でお祝いや祭りがあっても、彼らは招かれることはありませんでした。そのような貧しく、さげすまれていた羊飼いたちですが、イエス様がお生まれになったことを最初に知らされ、大きな喜びをいただきました。

 今日は、心が傷ついていた羊飼いたちを笑顔に変えた、主のみことばをご一緒に聞いて、私たちも喜んで主イエス様の降誕をお祝いしたいと願っています。

ルカの福音書2章8~14節

8 さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。

9 すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。

10 御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。

11 きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。

12 あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」

13 すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。

14 「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」

(新改訳第三版)

 羊飼いたちは、夜も自分たちの家に帰って眠ることもなく、自分たちの羊を見守っていました。当時の羊飼いは、貧しい人たちです。そして、人々の交わりから切り離された人たちでした。このような羊飼いたちに、主の使いが現れました。そして、彼らにすばらしい喜びを告げました。

「きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。」

 これが羊飼いたちに告げられたすばらしい喜びです。この日、人口調査のためにダビデの家系の人たちは、ダビデが生まれた町ベツレヘムに集まっていました。ですから、きょう、ダビデの町に生まれた赤ちゃんは、ダビデの子孫です。つまり、約束のキリストの条件を満たした子どもだと言えます。そして、御使いは、この生まれてきた救い主キリストは、あなたがたのために生まれたと告げました。町の人々からさげすまれ、のけ者にされていた羊飼いたちは、自分たちのために救い主がお生まれになったという、信じられないような知らせを聞きました。それは彼らにとってすばらしいプレゼントです。

 そして、その赤ちゃんは布にくるまって飼葉おけに寝ていると告げられました。羊飼いたちにとって、飼葉おけがある場所は、すぐに見当がつきました。しかし、このしるしは羊飼いたちでなければわからないものです。そう考えると、御使いが告げたすばらしい喜びは、まさに羊飼いたちのための福音でした。

 そして、その喜びは天の軍勢による賛美により、羊飼いたちだけのものではなく、民全体のための喜びの知らせ、天においても大きな喜びとなる出来事であることが示されました。

ルカの福音書2章15~20節

15 御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」

16 そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。

17 それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。

18 それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。

19 しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。

20 羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

(新改訳第三版)

 御使いから知らせを聞いた羊飼いたちは、とても驚いたことでしょう。まさか、自分たちが救い主に会えるなどと信じられなかったかもしれません。しかし、彼らは御使いの知らせを信じました。そして、急いで行ってマリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ていたイエス様を捜し当てました。そして、イエス様が布にくるまれて飼葉おけに寝かされているという状況が御使いに告げられた通りだということを、そこにいた人たちに証しました。そして、彼らは天の軍勢が主を賛美したように、神様を崇め賛美しながら帰っていきました。

ルカの福音書1章46~47節

「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」

(新改訳第三版)

 羊飼いたちは、貧しく、心の傷着いた人たちでした。しかし、主はこのような人たちを見捨てるお方ではありません。

イザヤ書61章1節

神である主の霊が、わたしの上にある。主はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。

(新改訳第三版)

 これはイザヤを通して告げられたメシア預言です。主なる神様は貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、イエス様をお遣わしになることが預言されていました。このみことばの通り、貧しく、心の傷ついた羊飼いたちに主なる神様は良い知らせを伝え、いやすために、救い主イエス様をお遣わし下さいました。そして、彼らをイエス様の御許に招いてくださいました。

 この喜びの知らせを受け取った羊飼いたちは、心がいやされ、喜びに満ちました。そして、飼い葉おけに寝ているイエス様を見て、心からの笑顔を取り戻し、神様を崇め賛美しました。このように、彼らが喜びに満ちたのは、主の恵みと、彼らの信仰による応答です。主は私たちにもイエス様をお与えくださいました。そして、私たちにも十字架というしるしを与えてくださいました。ですから、私たちも、このしるしを信じて、主が知らせてくださった救いの出来事を自分の目で確かめ、主の愛を受け取り、羊飼いたちと同じように、喜びに満たされ、笑顔で主を崇め賛美してまいりましょう。