2021年10月17日「私たちはキリストの手紙である」木下淳夫 師

タイトル私たちはキリストの手紙である
聖書コリント人への手紙手紙第二 3:1~3
説教者木下淳夫師

 今日は「私たちはキリストの手紙である」というテーマです。

 イエス様を信じても、自分がどのように変わったのかわからないという人もいます。しかし、救いを約束してくださった神様の視点から見ると、今までは罪の奴隷であった人が、神様の子どもに変わっています。そして、自分では気付かなくても、イエス・キリストによって変えられたことが、言葉や行い、表情に現れています。人は意識が変われば、行動が変わります。ですから、今日のみことばを通して、自分自身がキリストの手紙であることを覚えて、神様の子ども、キリストの弟子として行動したいと願っています。

コリント人への手紙第二 3章1節

1 私たちはまたもや自分を推薦しようとしているのでしょうか。それとも、ある人々のように、あなたがたにあてた推薦状とか、あなたがたの推薦状とかが、私たちに必要なのでしょうか。

(新改訳第三版)

 パウロは、どこに行っても、どのような状況でも神様に忠実な働きをしました。その結果、パウロは神様のすばらしいみわざを拝することができたと証しました。このような働きを手紙に書いたのは、コリント教会でパウロを使徒ではないと考える人たちがいたからです。自分が悪く思われるだけなら我慢できたかもしれませんが、そのような考えによって、教会で分裂が起こっていたので、パウロは放っておくことはできません。そのために、パウロは自分が使徒としてふさわしい働きをしていることを、あらためて伝えようとしています。そこで、パウロはコリントの人たちが、パウロを使徒として認めることができるように、彼らが想像もしていなかった推薦状を提示します。

コリント人への手紙第二 3章2〜3節

2 私たちの推薦状はあなたがたです。それは私たちの心にしるされていて、すべての人に知られ、また読まれているのです。

3 あなたがたが私たちの奉仕によるキリストの手紙であり、墨によってではなく、生ける神の御霊によって書かれ、石の板にではなく、人の心の板に書かれたものであることが明らかだからです。

(新改訳第三版)

 「私たちの推薦状はあなたがたです。」と、パウロは言いました。パウロが使徒としてふさわしいと言えるのは、コリントの信徒たちが、イエス・キリストの恵みによって救いに与かり、罪から解放され、日々、聖霊様の助けをいただきながら神様の子どもとして成長している事実があるからだと、パウロは言っています。そして、パウロはコリントの信徒が、どのようなところから救いに与かり、変えられてきたのかということを、自分の心に刻んでいました。また、パウロが心に刻んでいるだけでなく、彼らがキリストによって新しい人に変えられたことは、すべての人に知られていて、その変化をだれもが認めることができると教えています。

 人を造り変えることは、人間の力ではできません。神様だけが人を新しく造り変えることがおできになります。滅ぶべき人間が、死からいのちに移されるには、ただ神様が約束してくださったキリストの福音を信仰によって受け取り、キリストに従うこと以外にありません。

 つまり、コリントの信徒が、新しく造り変えられていることが明らかなら、彼らは神様の恵みを受けていることの証になります。そして、その恵みはパウロによって伝えられたのですから、パウロがキリストの使徒として忠実な働きをしてきたということができます。

 信徒一人ひとりは、使徒パウロのの奉仕の結果として救いに与かり、キリストを伝える手紙、また、キリストの証人として、すべての人に知られ、キリストのかおりを放つ存在です。それは、人間が決めた基準によるのではありません。また、「私はこの教会の信徒になり、キリストの手紙として奉仕します。」というような、人間同士の約束によるものでもありません。ただ、神様の恵みにより、信仰によって救われることにより、キリストから神様の子どもとして生きることを学ぶ弟子となり、キリストの手紙となります。キリストの弟子となったことは、神様が御霊を与えてくださることによって示してくださっています。

 パウロは救いに与った信徒自身が、自分の使徒としての証であり、推薦状であると言いました。このように、信徒が福音を信じることによって救われると、すべての人に知られ、読まれるキリストの手紙とされています。私たちも、イエス・キリストを信じて従うなら、私たちと一緒にいてくださるイエス様のかおりをすべての人が知り、神様の御愛を求めて来るようになります。また、普段の生活を通しても、キリストの手紙として、信徒の行いや表情は、人々に読まれています。自分では気づいていないかもしれませんが、私たちを通してイエス様が働きかけてくださるので、救いを求める人には、いのちに至る道を示すようになります。

 イエス様を信じて救いに与った皆さんは、キリストの手紙です。たとえ、自分ではふさわしくないと思っていたとしても、イエス様は、「あなたは神様の子どもである、わたしの弟子、わたしの友である」と、みこころに刻んでくださっています。そして、イエス様は、すべての人にキリストの手紙である信徒を通して、イエス様を知っていただきたい、読んでいただきたいと願って、この世に遣わしてくださっています。私たちも、自分がイエス様の愛をいただき、遣わされている手紙であることを覚えて、イエス様から離れることなく、人々に救い主イエス・キリストを伝えていきたいと願います。