2024年10月27日「奪い去られない救い」木下淳夫 師

タイトル奪い去られない救い
聖書ヨハネ10:19~30
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「奪い去られない救い」です。

 イエス様を信じて救われたのに、救いを失うのではないかと不安に思っている人はいませんか?人間は弱いので失敗もします。しかし、永遠の救いに関しては、神様の一方的な恵みにより、信仰によることであることを覚えましょう。そして、今日のみことばから、救いが奪い去られることはないということを確認して、希望をもって神様の子どもとして歩んでほしいと願っています。

ヨハネの福音書10章19~21節

19 このみことばを聞いて、ユダヤ人たちの間にまた分裂が起こった。

20 彼らのうちの多くの者が言った。「あれは悪霊につかれて気が狂っている。どうしてあなたがたは、あの人の言うことに耳を貸すのか。」

21 ほかの者は言った。「これは悪霊につかれた人のことばではない。悪霊がどうして盲人の目をあけることができようか。」

(新改訳第三版)

 イエス様が、ご自身が良い羊飼いであること、また、イエス様がご自分の命を捨てる権威があり、それをもう一度得る権威がると語られたことによってユダヤ人たちの間に分裂が起こりました。ユダヤ人たちは、イエス様がご自身を、いのちを与える神様、いのちの源である神様であるとされたので、多くの者はイエス様を悪霊につかれたものであり、もはやイエス様から話を聞く必要はないと判断しました。しかし、ある人たちは、イエス様が盲人の目を開いたという事実を真摯に受け止めて、イエス様を神様から遣わされたキリストだと考えました。22~30節

ヨハネの福音書10章22~30節

22 そのころ、エルサレムで、宮きよめの祭りがあった。

23 時は冬であった。イエスは、宮の中で、ソロモンの廊を歩いておられた。

24 それでユダヤ人たちは、イエスを取り囲んで言った。「あなたは、いつまで私たちに気をもませるのですか。もしあなたがキリストなら、はっきりとそう言ってください。」

25 イエスは彼らに答えられた。「わたしは話しました。しかし、あなたがたは信じないのです。わたしが父の御名によって行うわざが、わたしについて証言しています。

26 しかし、あなたがたは信じません。それは、あなたがたがわたしの羊に属していないからです。

27 わたしの羊はわたしの声を聞き分けます。またわたしは彼らを知っています。そして彼らはわたしについて来ます。

28 わたしは彼らに永遠のいのちを与えます。彼らは決して滅びることがなく、また、だれもわたしの手から彼らを奪い去るようなことはありません。

29 わたしに彼らをお与えになった父は、すべてにまさって偉大です。だれもわたしの父の御手から彼らを奪い去ることはできません。

30 わたしと父とは一つです。」

(新改訳第三版)

 イエス様は宮きよめの祭りの時にソロモンの廊を歩いておられました。ここは多くのラビたちが説教をしていた場所で、とてもよく目立つ場所です。イエス様は、ユダヤ人たちが、イエス様を捕らえと殺そうとしていたことを知っておられたのですが、隠れることなく、堂々と神殿の中を歩いておられました。

 すると、ユダヤ人たちは、イエス様を取り囲んで、イエス様が約束されたキリストなのかと問いただしました。もちろん、イエス様はご自身がキリストであることは何度も話しておられました。また、言葉だけでなく、わざによってもご自身が父なる神様から遣わされた者であることをお示しになられましたが、彼らは、イエス様のことばを信じることなく、悪霊に取りつかれた者だと決めつけてしまいました。そして、イエス様が罪人であるという理由を見つけ出そうとして、イエス様を取り囲みました。

 イエス様をキリストであると信じる者、つまり、神様を愛する者は、イエス様がおっしゃるみことばを聞き分け、イエス様に従います。しかし、ユダヤ人の指導者たちは、見た目は神様を愛しているように見えましたが、実際は世を愛していたので、イエス様がキリストであることを悟ることができないと、イエス様は彼らのあやまちを指摘されました。

 そして、イエス様はご自身をキリストと信じる者に、永遠のいのちを与えると約束してくださいました。さらに、永遠のいのちを持つご自身の民を、だれもイエス様の手から奪い去ることはできないと宣言されました。それだけではありません。イエス様をお遣わしになった父なる神様も、その人たちを守ってくださっていることを教えてくださいました。最後に、イエス様は、ご自身が父なる神様と一つである、イエス様ご自身が神様であると宣言されました。

ヨハネの福音書10章28~29節

28 わたしは彼らに永遠のいのちを与えます。彼らは決して滅びることがなく、また、だれもわたしの手から彼らを奪い去るようなことはありません。

29 わたしに彼らをお与えになった父は、すべてにまさって偉大です。だれもわたしの父の御手から彼らを奪い去ることはできません。

(新改訳第三版)

 イエス様が永遠のいのちを与えることを約束してくださり、信じる者は決して滅びることなく、その救いを誰も奪い去ることができないと宣言されているこのみことばはとても重要です。イエス様を信じても、罪を犯したら救いを失うという人がいます。また、救いを失わないように、努力して奉仕にあたる人たちもいます。しかし、イエス様のみことばを聞くなら、イエス様が与えてくださった永遠のいのちをだれも奪い去ることはできないのだということがわかります。

 つまり、イエス様を信じた者は、たとえ罪を犯したとしても、救いを失うことはないということです。ですから、イエス様を救い主と信じたなら、イエス様が自分のために天に住まいを用意してくださっていることを疑う必要はありません。天国へ行けるかどうか不安に思う必要などありません。すべてにまさって偉大な神様が、永遠のいのちを奪い去られることがないように、あらゆる者から私たちを守ってくださいます。それでも、信仰が弱りみことばを疑い、迷い出ることがあるかもしれません。そのような時には、良い羊飼いであるイエス様が、迷子の小羊を命がけで探してくださっていることを思い出してください。そして、イエス様の御声に耳を澄まして、主に立ち返ってください。私たちは、イエス様の御声に聞き従う者です。この世の滅びに誘う声を信じて、そのいつわりに聞き従う必要はありません。今日与えられたみことばを固く握って、イエス様に属する羊として、イエス様に従い続けてまいりましょう。