
タイトル | 天国の住まい |
聖書 | ヨハネ14:1~4 |
説教者 | 木下淳夫師 |
本日は、召天者合同記念礼拝を皆さんと守ることができ感謝します。
神様は私たちの思いをはるかに超えたご計画を持っておられるお方です。もちろん、私たちの人生には良いことだけでなく、つらいこと、悲しいこと、私たちが想像もしない出来事も、たくさん起こります。今も続いている戦争や、大きな災害など、思いもかけない悪いことも、私たちの身には起こります。愛する家族や友人との別れは、そのような思いもかけない不幸な出来事です。しかし、これらのことも神様のご計画の内にあるということを、聖書は教えています。
今日は、天に召された兄弟姉妹を覚えて礼拝をお捧げしていますが、遺された私たちは何をすればいいのかということを、イエス様のみことばから覚えたいと願っています。
ヨハネの福音書14章1~4節
1 「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。
2 わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。
3 わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。
4 わたしの行く道はあなたがたも知っています。」
(新改訳第三版)
イエス様が語られたこのみことばは、この世の終わりの時、イエス様が再臨される時のことについて教えられたみことばです。弟子たちは、愛する先生が間もなく十字架にかかって墓に葬られるということ、そして、三日目によみがえって天に帰られることを、イエス様から聞かされました。しかし、彼らはイエス様がおっしゃったことを信じることはできません。なぜなら、目の前にいるイエス様を約束のキリスト、イスラエルの王であると信じていたからです。そのイエス様が、十字架に架けられて死ぬなど想像もできませんでした。しかし、弟子たちは信じることはできなくても、イエス様が真剣にご自身のことを語られることを聞いて冗談ではないということは理解できました。そして、イエス様がこの世を離れ、自分たちがこの地上に残されるという不安を抱きました。
イエス様は、そのような弟子たちに「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。」とおっしゃいました。どのようなときでも、変わることがない神様を信じなさい。たとえ、目に見えなくなっても、あなた方を愛している、この私を信じなさいとおっしゃいました。
そして、イエス様が弟子たちを残して天に帰られる理由を教えられます。
イエス様は、弟子たちのために場所を備えに行くので、この地上を離れるのだとおっしゃいました。イエス様は、父の家、天の御国には住まいがたくさんあるとおっしゃいました。神様は時間にも束縛されない永遠であるお方、また、場所にも制限されない無限であるお方です。このお方が、ご自身がいのちを与えた者のために住む場所を備えていないことなどありません。
イエス様は、その場所を最善に備えるため、また、人々が約束された天の御国に入ることができるようにするため、この地上に来てくださって、ご自身が道となってくださいました。
道はだれかが最初に通ることで開かれます。人間が天国へ行く道は、人間では開くことができません。なぜなら、どこに天国があるのか、どうやって行くのかもわからないからです。ですから、天国におられる神様であるイエス様が、地上に来てくださり、その道を開いてくださいました。また、天国へ入るために必要な条件を整えてくださいました。その条件は、罪の赦しを与えるということです。イエス様がすべての人の罪を背負って十字架で死ぬことによって、イエス様を信じる人は罪が赦され、天国に入ることができると、イエス様は約束してくださいました。
天に召された兄弟姉妹は、この約束を信じて、道であるイエス様を通って、父なる神様が備えてくださり、イエス様が整えてくださった天国に、私たちより一足先に行っておられます。しかし、天国はそれで完成ではありません。イエス様を信じるすべての人が天国に帰り、神様の家族みんなが集まることこそ、天国の本当の姿です。そのために、遺された私たちは、先に召された兄弟姉妹が、イエス様の約束を信じたように、私たちもイエス様のみことばを信じて従い、先に召された兄弟姉妹がおられる天国に行くこと、私たちのために天国を備えてくださっている神様を愛することが大切です。
イエス様を信じて天に召された人は、遺された人よりも幸いでしょう。もはや何の苦しみもなく、神様の愛の中に住むことができるからです。ですから、私たちは冥福を祈る必要はありません。ただ、召された方のことを覚え、その信仰の足跡にならうことです。私たちのためにも、イエス様は場所を備えてくださっています。このイエス様の約束のみことばを覚えて、私たちも心を騒がせることなく、イエス様を信じて歩ませていただきたいと願います。