2023年1月29日「神にふさわしい者」木下淳夫 師

タイトル神にふさわしい者
聖書1テサロニケ2:9〜12
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「神にふさわしい者」です。

 私たちは、自分が所属しているグループや立場によって、それぞれ求められることがあります。学生は学生らしい服装や振る舞いが求められたり、社会人はその仕事に応じた行動が求められます。そのように、神様の子どもになったなら、神様が求めておられる生活、神様にふさわしい生活をする必要があります。もちろん、初めからできる人はいませんので、みことばから学ばせていただきましょう。

テサロニケ人への手紙第一2章9〜10節

9 兄弟たち。あなたがたは、私たちの労苦と苦闘を覚えているでしょう。私たちはあなたがたのだれにも負担をかけまいとして、昼も夜も働きながら、神の福音をあなたがたに宣べ伝えました。

10 また、信者であるあなたがたに対して、私たちが敬虔に、正しく、また責められるところがないようにふるまったことは、あなたがたがあかしし、神もあかししてくださることです。

(新改訳第三版)

 パウロたちがテサロニケで伝道した時、彼らは人々に負担をかけることがないように誰からも報酬を求めることはしませんでした。だからと言って、自分たちが生活するためにはお金が必要です。パウロたちは、昼も夜も働きながら、福音を宣べ伝えたと言っています。

 伝道を続ける中でイエス様に従う人が与えられ教会が誕生しました。イエス様にならう信者は、互いに愛し合い支え合いますので、パウロたちの働きを経済的に支えてくれる兄弟姉妹もいたと考えられます。それでも、パウロたちは自分たちの生活や名誉のために、宣教活動をすることはなく、敬虔に、正しく、責められるところがないように振る舞いました。そのことは、テサロニケの信徒たちがよく知っていることであり、また、彼らがパウロたちのことを他の人たちにも証ししていたことですから間違いのないことです。さらに、パウロは、自分たちが真実に行動して来たことを、すべてのことをご存知である神様が証ししてくださると言い、パウロたちの宣教が、神様の御愛に基づいてなされたことであることを述べています。

テサロニケ人への手紙第一2章11〜12節

11 また、ご承知のとおり、私たちは父がその子どもに対してするように、あなたがたひとりひとりに、

12 ご自身の御国と栄光とに召してくださる神にふさわしく歩むように勧めをし、慰めを与え、おごそかに命じました。

(新改訳第三版)

 信徒に対してパウロたちが教えたことについて述べられています。先にパウロは、テサロニケの信徒が愛する者になったことから、母親のように優しく振る舞ったことを述べました。そして、ユダヤ人の父親が自分の子どもたちに律法を通して主を愛することを教えるように、パウロはテサロニケの信徒たちに神様にふさわしく歩むように勧めをし、みことばによって慰めを与え、厳かに命じました。

テサロニケ人への手紙第一2章13節

ご自身の御国と栄光とに召してくださる神にふさわしく歩むように勧めをし、慰めを与え、おごそかに命じました。

(新改訳第三版)

 今日、私たちが覚えたいことは、パウロがテサロニケの信徒たちに神様にふさわしく歩むように勧めたことです。これは、現代の信徒である私たちにも勧められていることです。

 まず、パウロが神様について詳しく述べていることに注目します。

 「ご自身の御国と栄光とに召してくださる神」です。神様は信徒を御国に召してくださいます。神の国というと、まず死んだ後に行く天国のことを思い浮かべると思いますが、イエス様が「神の国が、あなたがたに近づいた」とか、「神の国は、あなたがたのただ中にある」とおっしゃったことから、この世においても神の国があることがわかります。この神の国というのは、神様の支配という意味です。神様が愛と平和を守ってすべてを治めておられる世界です。この神の国は、だれもが行きたいと願う場所、また、願っていることなのですが、自分の力ではそこに行くことはできません。「御国と栄光に召してくださる神」ということからわかる通り、神様に招いていただかなければ神の国に入ることはできません。その招きこそ、主イエス・キリストの福音です。イエス様は十字架の死と復活により、すべての人の罪の贖いを完成させてくださいました。そして、ご自身が救いの道となり、すべての人を神の国に招いてくださっています。そして、罪の汚れに変えて栄光を与えてくださいます。

 神の国はそのようすばらしい恵みです。その神の国では、神様が定められた戒めを守って生きることが求められます。神の国の住人、神様の子どもにふさわしい生き方をすることが必要です。そのために、パウロは信徒たちに勧めをし、みことばを通して慰めを与え、みことばを通しておごそかに命じました。

 私たちも、信仰により恵みによって神様の子どもにしていただきました。神の国の住人にしていただきました。ですから、王であり父である神様にふさわしい住人として、子どもとして新しい人生を生きるために、みことばを学ぶ必要があります。イエス様が、この世をどのように歩まれたのか、また、イエス様から学んだ使徒たちが、どのようなことを命じているのかを学び、神様にふさわしい者になることが求められています。イエス様を信じて救いをいただき、天国の約束をいただくことがゴールではありません。子どもが生まれることがゴールではなく、そこから成長して行くことが大切であるように、信徒もみことばを学びながら成長することが大切です。父なる神様は、そのために必要な恵みを日々与えてくださり、見守り続けてくださっています。ですから、主とともに一歩ずつ御心にかなった歩みを進めてまいりましょう。