2023年6月11日「ヨハネが語っていた人」木下淳夫 師

　今日のテーマは「ヨハネが語っていた人」です。

　バプテスマのヨハネは、自分の後から来る方こそ、偉大な人であるということを叫び続けました。今日は、そのようにイエス様が来られる道を備え、そして、イエス様が来られた時に、イエス様こそ神の御子であると証言したヨハネの証しを学び、私たちも主イエス・キリストを証ししたいと願っています。

　パリサイ人たちは、ヨルダン川でバプテスマを授けていたヨハネが何者なのか確かめるために、祭司とレビ人を遣わしました。多くの人が、ヨハネのメッセージを聞いて自分の罪を悔い改め、主に立ち返るバプテスマを受けていましたから、パリサイ人たちは、ヨハネのことをキリストではないか、あるいはキリストの前にやって来ると言われているエリヤ、または、モーセのような預言者が現れると約束されていましたので、その預言者なのではないかと考えて、ヨハネ本人に確かめました。バプテスマのヨハネは、彼らの質問に、「私は、預言者イザヤが言ったように『主の道をまっすぐにせよ』と荒野で叫んでいる者の声です。」と答えました。

　バプテスマは、ラビたちが自分の教えに従う人に授けていましたが、ラビでもなく、キリストでも、エリヤでもないヨハネが、自分の教えに人々を従わせていることに、遣わされて来た祭司とレビ人は疑問を持ち、どうしてバプテスマを授けているのか質問しました。ヨハネは、この質問に対して明確に答えてはいません。ただ、まだ彼らが知らないキリストが、必ず現れること、そして、自分の後から来られるキリストは、自分がしもべとしてお仕えすることも恐れ多いほど、偉大なお方であると語りました。

　ここで、イエス様がバプテスマのヨハネのところにやって来られたことが記されています。バプテスマのヨハネは、はじめはイエス様のことを知りませんでした。しかし、イエス様を見てすぐに、この方こそ約束されたキリストであると悟りました。

　他の福音書では、イエス様がご自分からバプテスマを受けることを望まれたことが記されています。それに対して、ヨハネは自分の方こそイエス様からバプテスマを授けていただくべきだと言って、一度はイエス様の申し出を断ったのですが、イエス様が願われた通り、イエス様はバプテスマをお受けになりました。すると、天が開けて聖霊が鳩の形で下って来てイエス様の上に止まりました。そして、天から「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ」と、神様の御声が聞こえてきました。

　ここから、ヨハネがバプテスマを授けていた、大きな理由の一つが明らかにされています。約束のキリストならば、バプテスマを受けると、御霊が下って、その人の上に止まるというしるしが約束されていました。そのしるしによって、そのお方こそ約束されたキリストであるということがイスラエルに明らかになるため、ヨハネはバプテスマを授けていました。そして、イエス様がバプテスマをお受けになったとき、聖霊が下り、イエス様の上に止まりました。ですから、ヨハネはイエス様こそ、約束の主キリストであり、世の罪を取り除く神の小羊、この方こそ神の子であると証言しています。

　神様は、イエス様が約束のキリスト、神の御子であるということを人々に明らかに示すために、バプテスマのヨハネに水のバプテスマを授けるように命じられました。そして、ヨハネはその通り、多くの人にバプテスマを授け、イエス様が神の御子であるしるしを多くの人に示すことができました。そして、ヨハネは自分が見たしるしをもとに、イエス様が神の御子であると証言しました。

　今日、私たちが覚えたいことは、私たちもイエス様が神の御子であるということを、自分で確かめて証しするということです。私たちに与えられた、イエス様が神の御子であるというしるしは、十字架と復活です。福音書に記されたイエス様の十字架の死と復活を正しく学び、信仰を持って応答しましょう。そして、イエス様を信じるなら、永遠の滅びから救われるという恵みを感謝して、私たちも、世の罪を贖う神の小羊、神の御子イエス・キリストを人々に証ししてまいりましょう。