
タイトル | この上ない恵み |
聖書 | ヨハネ1:14〜18 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日のテーマは「この上ない恵み」です。
私たちは、普段意識することがありませんが、神様の恵みによって生かされています。空気や、水、食べ物も、神様が与えてくださらなければ、私たちは食べることも、飲むことも、息をすることすらできません。太陽の恵みと言われますが、太陽はすべての人に等しく光と熱を与えてくれます。このように、神様が与えてくださる恵みを覚え感謝することはとても大切です。
今日は、神様が与えてくださる恵みの中でも、この上ない恵みを再確認したいと願っています。
ヨハネの福音書1章14節
14 ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。
(新改訳第三版)
ことばである神様、イエス・キリストは、私たちと同じ人間の肉体をとって、イスラエルの民の一人として、ローマの支配下にあったユダヤに住まわれました。使徒ヨハネたちは、人となってこの世に来てくださったイエス様の栄光を見たと書いています。この福音書で、ヨハネがイエス様の栄光と言う時、それは、イエス様が十字架にかかられたことを指しています。イエス様が十字架にかかられた時、他の弟子たちが逃げ出していたにもかかわらず、使徒ヨハネは、イエス様の母マリヤと一緒に十字架の側にいました。そして、ローマの百人隊長ですら、「この方はまことに神の子であった」と言うほど、イエス様がまことの神様としての御愛を示されたことを経験しました。十字架は残酷な処刑です。しかし、人間にとって最悪の死に方に思える状況であっても、イエス様はご自身がまことの神様であることをお示しになり、そして、十字架の上で霊において勝利を取られ、すべての人の罪の贖いを完了してくださいました。ですから、ヨハネは福音書の中で、十字架の出来事を示すとき、それをイエス様の栄光と表現しています。
ヨハネは、イエス様の側で、イエス様ご自身から御愛をいただき、みことばを学び、十字架で表された神の御子としての栄光を経験しました。その経験を通して、イエス様は「恵みとまことに満ちておられた」と、語っています。
ヨハネの福音書1章15〜18節
15 ヨハネはこの方について証言し、叫んで言った。「『私のあとから来る方は、私にまさる方である。私より先におられたからである』と私が言ったのは、この方のことです。」
16 私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである。
17 というのは、律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。
18 いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。
(新改訳第三版)
当時の人たちが、エリヤとか、キリストと考えるほど、力強く人々に主に立ち返ることを命じたバプテスマのヨハネですが、そのヨハネが人々に叫んでいたことが、自分よりも優れたお方、まことの神、約束のキリストが、ナザレのイエス様であるということでした。使徒ヨハネは、自分の経験からだけでなく、バプテスマのヨハネの証言を加えて、イエス様が恵みとまことに満ちたお方であり、イスラエルの民は、恵みの上にさらに恵みを受けたのだと語っています。
というのは、イスラエルの民は、モーセを通して主から律法を与えられました。律法に対して、私たちはあまり良いイメージを持っていないかもしれませんが、まことの神様が、ご自身の御心を語ってくださるということは、神様の大きな恵みです。主は律法を与えられたイスラエルの民に、さらに恵みを与えてくださいました。それが、御子イエス様です。神様は、すべての人が目で見て、耳で聞いて、触れることによって、父なる神様の御愛を知ることができるように、父なる神様のふところにおられたひとり子の神、イエス様をまことの人としてこの世にお遣わしくださいました。
創り主である神様とともにいることは、人間にとって絶対に必要なことで、最も幸いなことです。だからこそ、神様は、人々がご自身のことをはっきりと知り、罪から離れて神様の子どもとして立ち返ることができるように、さらなる恵みとしてひとり子であるイエス様をお与えくださいました。
ヨハネの福音書1章16節
私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである。
(新改訳第三版)
今日、覚えていただきたいことは、私たちはこの上ない恵みを神様からいただいたということです。恵みは報酬ではありません。私たちが何か良いことをしたので与えられるのではありません。神様が無きに等しい私たちに、一方的な御愛のゆえに与えてくださるのが恵みです。イエス様こそ、この上ない恵みです。そして、イエス様は、ご自身の満ち満ちた豊かさの中から、永遠のいのち、神様の子どもにしていただく特権という恵みを与えてくださいました。それほど、神様は私たちを愛してくださっています。御子イエス様は、みなさんを滅びから救い、光の子どもとして歩んでほしいと願っておられます。私たちも、受けたこの上ない恵みを感謝して、主を愛し隣人を愛して歩んでいきたいと願います。