
タイトル | すべての人を照らすまことの光 |
聖書 | ヨハネ1:6〜9 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日は、「すべての人を照らすまことの光」というテーマです。
使徒ヨハネは、この福音書を通してイエス様が神のまことの神様であることを、すべての人に伝えようとしています。ヨハネはユダヤ教の教えだけでなく、ギリシャ哲学でも神様であると考えられている「ことば」が、初めに存在し、主なる神様とともにいて、世界の全てを創造したということを宣言しました。そして、「ことば」であるイエス・キリストがいのちの源であり、いのちは人間の光であることを教えました。
今日は、いのちの光がすべての人を照らすことを学び、自分が受けている恵みに感謝しつつ、まだ救いに与かっていない家族や友人にも、イエス様がその光を照らしてくださっていることを覚えたいと願っています。
ヨハネの福音書1章6〜8節
6 神から遣わされたヨハネという人が現れた。
7 この人はあかしのために来た。光についてあかしするためであり、すべての人が彼によって信じるためである。
8 彼は光ではなかった。ただ光についてあかしするために来たのである。
(新改訳第三版)
ヨハネはここまで「キリスト」とか、「イエス」ということばを使っていません。私たちは、ヨハネがイエス・キリストが、まことの神様であることを伝えようとしていることを知っていますから、「ことば」はイエス・キリストのことだとすぐに理解できるのですが、イエス様を知らない人、哲学を学んでいる人たちや、ユダヤ教の教えを聞いている人たちは、「ことば」について、ヨハネが語ることを、「そのとおりだ」と思いならが聞いてことでしょう。
この6節から、ヨハネの口調は変わります。「神から遣わされたヨハネという人が現れた。」と、哲学的、神学的な話から、紀元30年ごろにユダヤに現れたバプテスマのヨハネについて語り始めます。実は使徒ヨハネは、イエス様に従う前は、バプテスマのヨハネの弟子でした。ですから、バプテスマのヨハネが何を語ったのかということについてよく知っていました。使徒ヨハネは、バプテスマのヨハネのことを、約束されたキリストをあかしするために来た、人の光である永遠のいのちを与えてくださるキリストをあかしするために来た
のだと、言っています。そして、バプテスマのヨハネのあかしは、すべての人がキリストをまことの神様であると信じるためだったと教えています。しかし、当時の人たちの多くは、バプテスマのヨハネのことをキリストであると考えました。もちろん、使徒ヨハネが、バプテスマのヨハネの弟子になったのは、このバプテスマのヨハネこそキリストだと考えたからです。
ところが、バプテスマのヨハネは、まことの光であるキリスト・イエス様が来られた時、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊。」と叫んで、ヨハネとアンデレに、イエス様に従うように促しました。使徒ヨハネは、先生であったバプテスマのヨハネが、自分は光ではなく、ただ光をあかしするために来た者であること、荒野で叫ぶ声であり、後に来られるキリストのために道を備える者であると自覚していたことを、よく知っていました。そして、バプテスマのヨハネが正確に、いのちの光であるキリスト・イエス様を指し示してくれたことを体験していました。
ヨハネの福音書1章9節
9 すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていた。
(新改訳第三版)
ここの翻訳は、口語訳聖書が一番良いと思いますので、口語訳で読ませていただきます。
ヨハネの福音書1章9節
「すべての人を照すまことの光があって、世にきた。」
(口語訳)
バプテスマのヨハネが証した光について、使徒ヨハネは、すべての人を照らす光、まことの光であると説明しています。すべての人を照らす光ですから、ユダヤ人だけではなく、異邦人にも、イエス様がいのちの光を与えてくださるということがわかります。また、まことの光、真理の光とあるように、イエス様には偽りがなく、イエス様について語られたことはすべて真実です。約束されたことはすべて成就します。このバプテスマのヨハネがあかした光が、紀元30年ごろのユダヤに、まことの人となって来てくださいました。
ヨハネの福音書1章9節
「すべての人を照すまことの光があって、世にきた。」
(口語訳)
今日、私たちはまことの光であるイエス様が、この世に来てくださったことを覚えましょう。そして、私たちにもいのちの光を照らしてくださったことを覚えましょう。また、まだ暗闇の中にいる人たちにも、その光を照らしてくださっていることを覚えましょう。
イエス様が与えてくださったまことの光によって、私たちはこの世にあっても永遠のいのちをいただき、天国の希望をもつことができました。イエス様が真理であるからこそ、私たちはこの約束を信じることができます。実際にイエス様ご自身が、死からよみがえられたことを見せてくださったことにより、私たちも死に勝利することができることを信じることができます。ですから、イエス様が私たちだけでなく、まだイエス様を知らない人にも、その光を照らしてくださっていることを覚えて、バプテスマのヨハネが、イエス様をあかしたように、私たちもまことの光であるイエス様を、人々に指し示して、イエス・キリストの福音を宣べ伝えてまいりましょう。