2020年10月11日「いのちに移された生涯」木下淳夫 師

タイトルいのちに移された生涯
聖書ヨハネ5:24~25
説教者木下淳夫師

 

 皆さんは、今までに行ったことがないところへ行かなければならないとき、不安に感じることはありませんか?現代はインターネットが普及していますから、初めて行く場所であっても、インターネットで情報を集めることができます。また、ナビもありますので、それほど心配することはないと思います。しかし、何も調べることができないと、どうやっていけば良いのか、何があるのか不安になると思います。

 ところで、私たちが必ず行かなければならないけれども、調べることがむずかしいところは、死後の世界です。死後の世界は一度行くと帰ってくることがありませんから、どういうところかという報告を、実際に行った人から聞くことができません。ですから、人は死を恐れ、生きている間も死について、死後の世界について考えようとしません。

 しかし、死後の世界も創造された神様は、私たちが自分の力で調べることができない死後の世界について、聖書を通して教えてくれています。また、人となってこの世に来てくださったイエス様は死ぬことがなく、いのちに移される方法があることを教えてくださっています。

ヨハネの福音書5章24〜25節

24 まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わした方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきに会うことがなく、死からいのちに移っているのです。

25 まことに、まことに、あなたがたに告げます。死人が神の子の声を聞く時が来ます。今がその時です。そして、聞く者は生きるのです。

(新改訳第三版)

 

 イエス様のことばを聞いて、イエス様をお遣わしになった父なる神様、全てを創造し、全てを治めておられる神様を信じて、神様のみこころに忠実に従うなら、その人は、永遠のいのちを持つと約束されています。人は神様に背を向けて自分勝手に生きて、神様の御心を痛め、他の人々に対しても悪を行い、自分自身をも傷つけてきましたので、神様はその悪い行いに対してさばきをくだされます。そのさばきが永遠の滅び、永遠の死です。しかし、イエス様のことばを信じ、父なる神様の御心を知って立ち返るなら、その人は死からいのちに移されます。罪の中で死んでいる人間が、神の子の声を聞き、聞く者は生きると約束されています。

 罪の中で死んでいる者が神の御子イエス様の声を聞くことなど、本来起こるはずがありません。イエス様は、まことの人となってこの世に来てくださり、人々にわかることばで、人間の罪を指摘し、罪が赦されいのちを得る道を教えてくださいました。イエス様は、人々が永遠のいのちを得るために必要な神の子の声を聞くことができるのは今だ、今、私のことばを聞いて救いを得なさいとおっしゃいました。

 本日は召天者記念礼拝で、先に天にお召されになった兄弟姉妹を覚えて礼拝をしています。天にお召されになった兄弟姉妹は、皆さんそれぞれの「今」というときにイエス様の御声を聞いて、イエス様が自分の罪のために十字架で死んでくださり、墓に葬られ三日目によみがえられたことを信じ、この地上の生涯を歩まれました。

 イエス様は、イエス様のことばを「聞く者は生きるのです。」と約束してくださいました。イエス様の約束は真実です。兄弟姉妹は、この地上にはいらっしゃいませんが、永遠のいのちを持ち、死からいのちに移され神様の御元で生きておられます。

 そして、今、聖書を通して、イエス様の御声を、イエス様のことばを聞いている私たちも、信仰を持ってこのことばを受け入れ、神様が私たちを愛してくださっていることを信じるなら、私たちも死からいのちに移されます。

 永遠のいのちは、この地上の生涯が終わってから与えられるのではなく、イエス様を信じたときに与えられます。ですから、信仰を持ってからの生涯は、いのちに移された生涯です。いのちの源である神様の御元に立ち返り、神様の御愛に満たされた生涯です。

 神様から離れていたときは、さまざまな困難に出会ったとき、一人で苦しむことがあったかもしれません。しかし、神様がともにいてくださるなら、もはや一人で悩む必要はありません。いつも私たちの友となってくださるイエス様がそばにいてくださり、私たちを支えてくださいます。

 私たちを永遠の滅びから救い、永遠のいのちを与えてくださる主イエス様の御声を聞き、聖書を通して語られるイエス様のみことばを聞いて、私たちも信仰の先輩方と同じように、魂に平安をいただき、この世の生涯を希望を持って歩ませていただきたいと願います。