タイトル | 神様の救いとさばき |
聖書 | ペテロの手紙第二 2:4~9 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日は、「神様の救いとさばき」というテーマで、偽教師にくだるさばきについて学ばせていただきます。聖書を読んでいる人でも、旧約聖書は戦争があったり、さばきがくだされる話が出てくるので嫌いだという人もいます。旧約の神様は愛ではないというかもしれません。確かに、神様は愛なるお方です。新約聖書に書かれているように、ひとり子イエス様を犠牲にしてまで、私たちを救ってくださった神様の御愛は真実です。しかし、旧約聖書で罪を犯した民に、神様がさばきをくだされたことも真実です。このように、神様は私たちを愛し救いの手を差し伸べてくださること、また、神様は罪に対して厳しいさばきをくだされるお方であることを学びましょう。そして、自分の願いによって神様を創り出すことなく、へりくだって神様に仕えていきたいと願っています。
ペテロの手紙第二 2章4節
4 神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、地獄に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に閉じ込めてしまわれました。
(新改訳第三版)
神様はこの世の全てを創造されたお方です。私たちが目にするすべてのものは神様によって造られました。また、目に見えないものも、神様はお造りくださっています。肉体を持たない霊的な存在である御使いも、神様によって造られました。神様はこの世界を造り管理するために、御使いたちをお造りになったのですが、彼らの中に自分も神様のようになりたいと思い、仲間たちに自分を礼拝させるようになった者が現れました。神様の御心に背き、自分が神になろうする罪を犯した御使い、また、その御使いにしたがった御使いたちに対して、神様はさばきをくだされました。
ただ、神様はすぐに彼らを滅ぼされたのではなく、最後のさばきのときまで、彼らを暗闇の穴の中に閉じ込めて、彼らが自由に行動する事を制限しておられます。
ペテロの手紙第二 2章5~6節
5 また、昔の世界を赦さず、義を宣べ伝えたノアたち八人の者を保護し、不敬虔な世界に洪水を起こされました。
6 また、ソドムとゴモラの町を破滅に定めて灰にし、以後の不敬虔な者へのみせしめとされました。
(新改訳第三版)
この世界においても、神様は罪に対してきびしいさばきをくだされます。その前例として、ノアの時代にくだされた大洪水、また、天からの火によって滅ぼされたソドムとゴモラの町について教えられています。このようにさばきがくだされたのは、神様に対して罪を犯すことの愚かさ、罪の結果の恐ろしさを教えるためです。
ペテロの手紙第二 2章7~8節
7 また、無節操な者たちの好色なふるまいによって悩まされていた義人ロトを救い出されました。
8 というのは、この義人は、彼らの間に住んでいましたが、不法な行いを見聞きして、日々その正しい心を痛めていたからです。
(新改訳第三版)
神様は、罪に対してきびしいさばきをくだされますが、神様に対して正しく生きようとする人、義人を見捨てることなく、救い出してくださいます。その例として、ソドムの町に住んでいたロトのことが記されています。
ロトは罪に汚れた町ソドムに住んでいましたが、その町の人たちと同じように無節操な生活をしていたわけではありませんでした。ロトはソドムの人たちの不法な行いに日々心を痛めていました。
ロトは、不法な人たちをいましめるような行動は何もできなかったかもしれませんが、いつも神様を愛し、罪に対して心を痛めていました。そのようなロトを神様は救い出してくださいました。
ペテロの手紙第二 2章9節
9 これらのことでわかるように、主は、敬虔な者たちを誘惑から救い出し、不義な者どもを、さばきの日まで、懲罰のもとに置くことを心得ておられるのです。
(新改訳第三版)
ペテロは、聖書に記述されていることを例にして、主は、敬虔な者たちを誘惑から救い出し、不義な者にさばきをくだされることを教えています。ただ、そのさばきは、すぐにくだされないこともありますが、そのような場合でも、神様が定められた最後の審判の日に、きびしいさばきがくだされます。
今日の箇所は、第一義的には、当時現れた偽教師たちを指しています。しかし、ここに記されている救いとさばきの真理は、私たちが普段生活するときにも忘れてはならないことです。私たちはこの世では、神様からの恵みによって生かされています。その恵みを忘れて、自分勝手に振舞い、自分だけでなく周囲の人々をも滅びに導く人たちに、神様はさばきをくだされます。しかし、神様はソドムとゴモラを滅ぼされたのが、以後の不敬虔な者へのみせしめであったことからわかるように、できることなら、今後このようなさばきはくだしたくないと願っておられます。そのために、ご自身のひとり子イエス様を、この世にお与えくださり、自分の犯してきた罪を認め、イエス様を救い主と信じて従う人に救いを約束してくださいました。そして、今は最後の審判まで、神様が救われる人を招いてくださっている時代です。
コリント人の手紙第二 6章2節
神は言われます。「わたしは、恵みの時にあなたに答え、救いの日にあなたを助けた。」確かに、今は恵みの時、今は救いの日です。
(新改訳第三版)
心から神様を愛する人に救いは与えられます。この恵みのとき、救いの日である今を感謝して、神様を礼拝し、また、福音を伝えていきたいと願います。