2021年9月5日「誇りとすべきもの」木下淳夫 師

タイトル誇りとすべきもの
聖書コリント人への手紙手紙第二 1:12~14
説教者木下淳夫師

 今日は、「誇りとすべきもの」というテーマです。

 皆さんは何を大切にし、どんなことを誇らしい考えておられますか?

今日は、自分が一番大切にしていることは何かということを考えながら、パウロが大切にしたこと、また、すべてをさばかれるイエス様の御前で大切なことを学ばせていただきたいと願っています。

コリント人への手紙第二 1章12節

12 私たちがこの世の中で、特にあなたがたに対して、聖さと神から来る誠実さとをもって、人間的な知恵によらず、神の恵みによって行動していることは、私たちの良心のあかしするところであって、これこそ私たちの誇りです。

(新改訳第三版)

 パウロは前に書き送った第一の手紙で、コリントへ行くことを予告していましたが、当初の予定を変更していました。このように予定を変更したことに対して、コリントではパウロが誠実ではないと言う人もありました。

 そのような人たちに対して、パウロはこの第二の手紙で、自分が決して不誠実なのではなく、神様に忠実に従って行動していることを説明しています。「聖さと神から来る誠実さ」とあるのが、わかりづらいのですが、これは、神様から啓示されたことに対して、パウロが自分の思いを挟むようなことをしていないということです。自分たちの計画は人間的な知恵によらず、神様の恵みによって行動しているとパウロは明言しています。

 パウロは、神様のみこころに従って、コリントの人たちに福音を伝え、信徒にみことばを教えてきました。このことから、信徒たちは、パウロに選ばれたのではなく、神様に愛されていて、神様の恵みを受けていると言うことができます。また、パウロの宣教によって、多くの人がイエス様を信じましたが、パウロは、自分が人々を救いに導いたとは思っていません。それらは、パウロが神様の導きに従っただけであり、神様ご自身が人々を救ってくださったことをパウロは知っていたからです。パウロは神様がすばらしいみわざを行ってくださったことの協力をすることができたので、自分が神様の恵みによって行動してきたこと、神様に忠実に従い続けたことを誇りとしていました。

コリント人への手紙第二 1章13〜14節

13 私たちは、あなたがたへの手紙で、あなたがたが読んで理解できること以外は何も書いていません。そして私は、あなたがたが十分に理解してくれることを望みます。

14 あなたがたは、ある程度は、私たちを理解しているのですから、私たちの主イエスの日には、あなたがたが私たちの誇りであるように、私たちもあなたがたの誇りであるということを、さらに十分に理解してくださるよう望むのです。

(新改訳第三版)

 パウロは、悔い改めることをしなかった人たちに対して、手紙を通して悔い改めを命じています。パウロは、手紙には読めば理解できることしか書いていないので、しっかりと手紙を読み、何が罪であるのか、神様は何を求めておられるのかを理解して、みんなが正しい行いをすることを望んでいます。

 それは、間違った教えに従っていると、主イエス様が再臨され、御前に出ることになった時、彼らはイエス様から非難されることになるからです。パウロはコリントの人たちを自分の子どものように愛してきました。ですから、彼らがイエス様に褒められることは、何よりも誇らしいことです。また、彼らの先生がパウロだということが、イエス様の御前において誇りとなることを理解して欲しいと望んでいます。それほど、パウロはイエス様を愛し従っている使徒であり、また、イエス様もパウロを忠実な弟子であると信頼していることがわかります。パウロから学んだ弟子たちも、同じようにイエス様を愛して従うなら、イエス様の愛を受けます。

 私たちが誇りとするものは何でしょうか?私たちは、目に見える良い結果を出すと、誇りたくなってしまいます。しかし、パウロが誇りとしたことは、兄弟姉妹に対して、神様に誠実に従って、みことばを語り、愛を示し続けたことです。イエス様は、最後の晩餐のときまで、弟子たちに愛を注ぎ続けてくださいました。そして、十字架の上でも、父なる神様にすべての人の罪を赦していただくように祈り、その測り知れない大きな愛を示してくださいました。人々が見た十字架刑の目に見える結末は、むごたらしい死です。しかし、目に見えない結果は、父なる神様のご計画通り、すべての人の贖いが成就されたということです。

 私たちが誇りとすることは、目に見える結果ではなく、すべてを正しくさばかれるイエス様の御前に誇ることができるものでなければなりません。それは、神様を愛し、隣人を愛する心と行いです。イエス様が十字架の死まで、父なる神様のみこころに従い、私たちを愛してくださったように、また、パウロがどのような困難に会おうとも、神様の御心に従って福音を宣べ伝え、兄弟姉妹を愛したように、私たちも神様のみこころに従ってまいりましょう。そのために、私たちが読んで理解できるように書かれた聖書をよく読み、理解して、正しい道を歩みましょう。