2021年7月4日「教会に入り込む異端」木下淳夫 師

タイトル教会に入り込む異端
聖書ペテロの手紙第二 2:1~3
説教者木下淳夫師

 今日は、「教会に入り込む異端」というテーマです。

 ご一緒に、聖書のみことばに耳を傾け、真理の道から離れないようにしたいと願っています。

ペテロの手紙第二 2章1節

1 しかし、イスラエルの中には、にせ預言者も出ました。同じように、あなたがたの中にも、にせ教師が現れるようになります。彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。

(新改訳第三版)

イスラエルには、神様からのみことばを聞いて、それを人々に伝える預言者がいました。彼らはイスラエルが危機に陥った時、神様に呼び求め、神様からの助言をいただき、人々を助けてきました。しかし、神様の御声は、預言者にしか聞こえないことが多いので、他の人たちは、預言者が本当に神様のみことばを語っているのかわかりません。ですから、イスラエルには、神様の御声を聞いたふりをして、自分たちの都合の良いことを語る偽預言者も現れ、人々を惑わしました。

 ペテロは、神様のみことばを真剣に求める人々を惑わす偽預言者のような人が、教会にも現れるので注意するように命じています。ペテロが指摘している、教会を惑わす者は、偽教師です。彼らの特徴は、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込むことです。

 偽教師は、聖書を使って、自分の都合の良いように人々を教えます。ペテロが注意している偽教師は、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえすると言っています。もちろん、そのような教えをする人、そのような間違った信仰をしている人は、救いに与っているはずがありません。彼らは自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。

ペテロの手紙第二 2章2節

2 そして、多くの者が彼らの好色にならい、そのために真理の道がそしりを受けるのです。

(新改訳第三版)

 そのようなおかしな教えにだまされるはずはないと思うかもしれません。しかし、実際には彼らの教えは、とても魅力的に聞こえます。そのために、多くの人が彼らの教えを受け入れ、真理の道がそしりを受けることになります。これは、人間にはさまざまな欲があるからです。はじめの人アダムとエバも、神様から食べてはならないと命じられていた善悪を知る木の実を食べたときを思い出してください。彼らは、その実を食べると神様のようになるとだまされて、食べてしまいました。

ペテロの手紙第二 2章3節

3 また彼らは、貪欲なので、作り事のことばをもってあなたがたを食い物にします。彼らに対するさばきは、昔から怠りなく行われており、彼らが滅ぼされないままでいることはありません。

(新改訳第三版)

 では、なぜ彼らはまちがったことを教えるのでしょうか。

それは信徒を食い物にするためです。自分が得をするために、神様のみことばを利用し、信徒から財産や、自由を奪うためです。また、最悪の場合、自分が神のようになろうとするものもいます。

 もちろん、神様は、信徒を滅びに陥れるような人たちを放っておくことはなさいません。神様はそのような人たちにさばきをくだされます。ある人たちは、速やかにさばきを受けます。しかし、この地上ではさばきを受けなかったように思える人たちがいるかもしれません。そのような人たちも、神様は必ず最後の審判の時に、厳しいさばきを宣告されます。

 ですから、ペテロは信徒たちに、教師たちが教えることに注意して、自分たちに利益をもたらすような教えであっても、使徒たちが伝えた教えと異なった教えであるなら、彼らの教えを受け入れてはならない、彼らに従ってはならないと警告しています。

 これは、現代の私たちにも当てはまることです。現代においても、間違った教えは広まっています。その多くは、私たちが幸せになることを教えています。しかし、都合の悪いことは、聖書に書かれていても否定します。そして、そのような教えは、だれかが不自然に得をしています。偽教師が現れるのは、ペテロの時代に限ったことではありません。私たちも、偽教師の教えにだまされないために、神様が聖書を通して語っておられる真理についてしっかりと学びましょう。そこには、自分にとって嬉しい知らせだけでなく、できれば聞きたくない戒めもあります。しかし、それらをへりくだって受け取りましょう。特に、私たちの信仰の土台である、イエス・キリストについて、まず使徒信条に書かれていることを再確認しましょう。そして、真理の道が崇められるように、イエス様の戒めを守り、互いに愛し合ってまいりましょう。