2023年3月19日「キリストにある死者の復活」木下淳夫 師

　今日のテーマは、「キリストにある死者の復活」です。

　私たちは、この世に生まれたなら、必ずこの世を去る時が来ます。これは、誰もがわかっていることですが、誰もが避けたいと願うことです。愛する人と、この世で別れることはつらく寂しいことです。また、自分が死を迎えることについて恐れを抱くものです。この死という重大な問題に対して、パウロは神様の約束を通して悲しみに沈むことがないようにと希望を与えています。

　今日、私たちもみことばを通して与えられる神様の約束を握って、希望をいただき互いに慰め合いたいと願っています。

　眠った人々というのは、亡くなった人のことです。イエス様は、ラザロが死んだことをご存知の上で、ラザロは眠っているとおっしゃいました。いのちであり、よみがえりであるイエス様は、人間にはどうすることもできない死すらも支配しておられます。人間にとって死はすべての終わりのように思うのですが、まことの神様であるイエス様にとって、死は眠っている状態と同じだということです。ですから、人が朝になると目を覚まして起き出すように、神様が定められた時が来ると、死者もよみがえります。そして、イエス様が天から帰って来られる時に、イエス様は、よみがえった人たちも連れて来られると約束してくださっています。

　死者がよみがえるということは、多くの人にとって信じがたいことですが、イエス様を主と信じた人たちは、イエス様が死んで復活されたことを信じています。ですから、イエス様が死からよみがえられたのなら、イエス様が「わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。」とおっしゃったように、イエス様を信じる信徒も、死んでもよみがえります。

　テサロニケの信徒の中には、共に信仰生活をしていた兄弟が、この世を去ってしまったこと、また、兄弟が信仰のゆえに命を落とした人がいたかもしれません。そのような地上の別れを通して、悲しみに沈んでいた人もいたことでしょう。これはテサロニケに限ったことではなく、どの時代、どこの教会でも同じことが起こります。もちろん、私たちも例外ではありませんので、私たちも悲しみに沈むことがないように、主が教えてくださったキリストにある死者の復活を、しっかりと覚えましょう。

　ここに記されていることは、主イエス様が再臨される時に起こる出来事です。特に、この出来事は、信徒が雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主イエス様と会うと約束されていることから、空中再臨と呼ばれています。その後、ヨハネの黙示録に記されているように、地上では大患難時代が始まります。大患難時代の終わりに、主イエス様はこの地をさばくために地上に再臨され、地上で千年の間王となられます。

　この空中再臨では、イエス様が御使いのかしらの声と、神のラッパの響きのうちに降って来られると記されています。そして、キリストにある死者が、まず初めによみがえります。次に、イエス様が再臨された時に生き残っている人たちが雲の中に引き上げられます。このようにして、キリストにある兄弟姉妹は、主イエス様とお会いし、いつまでも主とともにいることになります。もちろん、先に召された兄弟姉妹がよみがえるとき、イエス様がよみがえられた時と同じように、新しい栄光のからだでよみがえります。また、生き残っている人が引き上げられる時も、栄光のからだに変えられて引き上げられます。

　神様が与えてくださる新しいからだは、朽ちないからだです。最初の人であるアダムが罪を犯したために神様から離れてしまったため、人間の肉体は弱さを抱え、次第に朽ちていくものになりました。しかし、キリストにある死者は、イエス様の復活に与り、新しい栄光のからだでよみがえります。そして、天に引き上げられた後は、もはや罪の影響をまったく受けることがなくなり、いつも、いつまでも主の御愛の中で生きることができます。

　神様の約束のみことばをもう一度覚えましょう。

　私たちにとって死は最大の敵です。しかし、イエス様を信じて、イエス様に従うことによって、死は私たちにとって力を失います。イエス様が死に勝利してよみがえってくださったことにより、イエス様を信じる私たちも死に勝利することができます。

　この地上では、自分がこの世を離れることに対する恐れがあります。自分はどこに行くのだろうという不安があります。また、自分だけでなく愛する人と別れる寂しさがあります。しかし、キリストにある死者は、イエス様がよみがえられたように、定められた時によみがえります。そして、同じ信仰を持っているなら、みんなが天で再会することができます。この約束を覚えて、悲しみに沈むことなく希望を持って歩ませていただきたいと願います。