タイトル | 主の戦い |
聖書 | 1サムエル17:43~49 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日は、「主の戦い」というテーマです。私たちには、日々多くの戦いがあります。中にはとても勝ち目のない戦いもあるかもしれません。しかし、どれほど困難な戦いであったとしても、その戦いが、神様が戦うように導かれた戦いであるのなら、私たちの背後で主ご自身が戦ってくださることを、ダビデとゴリヤテの戦いを通して教えられたいと願っています。
ダビデは、若いころから羊を飼っていました。羊飼いと聞くと、のどかなイメージを持つかもしれませんが、羊飼いは羊を獣から命がけで守らなければなりません。そのような毎日の生活の中でダビデは、獅子や熊に遭遇したときであっても、その獣を殺し、羊の群れを守っていました。もちろん、獅子や熊を人間が倒すことは簡単なことではありません。ダビデは、自分が獅子や熊を倒すことができたのは、主が助けてくださったからだと感じていました。ですから、ダビデはどのような敵であっても主がともにいてくださるなら、必ず助けを与えてくださると確信するようになりました。
ダビデは、ペリシテ人ゴリヤテがイスラエルの陣営を馬鹿にしているのを聞いて激しく怒り、自分があのペリシテ人と戦うことをサウル王に申し出ました。イスラエルの陣営を馬鹿にすることは、イスラエルの神様を馬鹿にしていることと同じです。自分が信じている神様、自分をいつも助け、恵みを与えてくださっている神様を馬鹿にされて、ダビデは黙っていられませんでした。
ダビデは、剣と槍、投げ槍で武装したゴリヤテに対して、普段自分が使っている羊飼いの杖を持ち、川から拾ってきた滑らかな石を袋に入れ、石投げを手にして戦いに挑みました。
サムエル第一17章43〜44節
43 ペリシテ人はダビデに言った。「おれは犬なのか。杖を持って向かって来るが。」ペリシテ人は自分の神々によってダビデをのろった。
44 ペリシテ人はダビデに言った。「さあ、来い。おまえの肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう。」
(新改訳第三版)
ゴリヤテはダビデを馬鹿にしました。しかし、ダビデはゴリヤテに向かって次のように言います。
サムエル第一17章45〜47節
45 ダビデはペリシテ人に言った。「おまえは、剣と、槍と、投げ槍を持って、私に向かって来るが、私は、おまえがなぶったイスラエル人の戦陣の神、万軍の主の御名によって、おまえに立ち向かうのだ。
46 きょう、主はおまえを私の手に渡される。私はおまえを打って、おまえの頭を胴体から離し、きょう、ペリシテ人の陣営のしかばねを、空の鳥、地の獣に与える。すべての国は、イスラエルに神がおられることを知るであろう。
47 この全集団も、主が剣や槍を使わずに救うことを知るであろう。この戦いは主の戦いだ。主はおまえたちをわれわれの手に渡される。」
(新改訳第三版)
ゴリヤテはイスラエルの神である主を信じないで、恐れることもしませんでした。しかし、ダビデは、イスラエルに神がおられることを知らせ、その神である主は生きておられ、力あるお方であること、ご自身の民を救うことがおできになることをこの戦いで宣言しました。
サムエル第一17章48〜49節
48 そのペリシテ人は、立ち上がり、ダビデを迎え撃とうと近づいて来た。ダビデもすばやく戦場を走って行き、ペリシテ人に立ち向かった。
49 ダビデは袋の中に手を差し入れ、石を一つ取り、石投げでそれを放ち、ペリシテ人の額を打った。石は額に食い込み、彼はうつぶせに倒れた。
(新改訳第三版)
戦いは一瞬で決着がつきました。ダビデが石投げを使って投げた石は、ゴリヤテの額に命中し、ゴリヤテは倒れました。ダビデは、ほかのだれもが恐れて何もできないような相手との戦いでも、「この戦いは主の戦いだ」と宣言し、主が必ず救い出してくださることを確信し、戦いを挑みました。
私たちも日々戦いがあります。特に信仰の戦いを強いられることがあります。神様を信じない人たち、イエス・キリストを信じない人たちから、あざけられることがあるかもしれません。国によっては信仰のゆえに迫害され、命を奪われることがあります。しかし、どんなときでも恐れる必要はありません。
ローマ8章37節
「しかし、私たちは、私たちを愛してくださった方によって、これらすべてのことの中にあっても、圧倒的な勝利者となるのです。」
イエス様はご自身のいのちを十字架で捨てるほどに、私たちを愛してくださいました。イエス様は、ご自身がそこまで愛しておられる人が、困難の中にあるのをご覧になって、だまって見捨てるはずがありません。イエス様は死にも打ち勝たれたお方です。すべてに対して権威を持っておられます。そのイエス様がともにいてくださるのですから、私たちは圧倒的な勝利者となります。
ですから、ダビデが主に信頼したように、私たちも主を愛し、いつもともにいてくださるイエス様に信頼して歩んでまいりましょう。