2020年5月24日「大いなる奇跡」木下淳夫 師

タイトル大いなる奇跡
聖書 ヨシュア10:8〜14
説教者木下淳夫師

 

 イスラエルがエリコを攻略し、続いてアイも攻略したことで、近くの町ギブオンは、策を講じてヨシュアと和解しました。しかし、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ギブオンがイスラエルと和を講じたことを許さず、ヘブロン、ヤルムテ、ラキシュ、エグロンと一緒に、ギブオンを攻めました。危機に陥ったギブオンは、ヨシュアに助けを求めました。ヨシュアは、戦士たちを率いて、ギブオンに向かいエモリ人の王たちとの激しい戦いとなりました。

 今日は、ギブオンで展開された戦いで主がなされた大いなる奇跡から、私たちとともにいてくださる主がどれほど力あるお方なのかを再確認して、信仰と希望を持って歩んでいきたいと願っています。

ヨシュア記 10章8〜11節

8 主はヨシュアに仰せられた。「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手に渡したからだ。彼らのうち、ひとりとしてあなたの前に立ち向かうことのできる者はいない。」

9 それで、ヨシュアは夜通しギルガルから上って行って、突然彼らを襲った。

10 主が彼らをイスラエルの前でかき乱したので、イスラエルはギブオンで彼らを激しく打ち殺し、ベテ・ホロンの上り坂を通って彼らを追い、アゼカとマケダまで行って彼らを打った。

11 彼らがイスラエルの前から逃げて、ベテ・ホロンの下り坂にいたとき、主は天から彼らの上に大きな石を降らし、アゼカに至るまでそうしたので、彼らは死んだ。イスラエル人が剣で殺した者よりも、雹の石で死んだ者のほうが多かった。

(新改訳第三版)

 正確な数字は書いていませんが、五つの町の連合軍ですから、かなりの大軍であったことは想像できます。そのような強い敵と戦うときは、しっかりとした作戦が必要です。エリコのときも、主が作戦を立ててくださいました。また、アイとの戦いでは、一度失敗をしてしまいましたが、二度目は主の作戦に従い、町を攻めとりました。

 しかし、今回の戦いはギブオンから助けを求められて急いで戦場に向かうことになったので、十分な準備ができていません。それでも、主はヨシュアに「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手に渡したからだ。彼らのうち、ひとりとしてあなたの前に立ち向かうことのできる者はいない。」と約束されました。

 このときのヨシュアたちは、夜通しギルガルからギブオンまで行軍して、敵に対して奇襲を仕掛けました。戦士たちも相当な疲労があったと思いますが、それでもイスラエルは勝利しました。その要因となったのが、エモリ人たちの混乱と天から降ってきた雹です。

「イスラエル人が剣で殺した者よりも、雹の石で死んだ者のほうが多かった。」とありますように、この戦いはイスラエルが勝利したというよりも、主が勝利を取られたと言える戦いでした。

ヨシュア記 10章12〜14節

12 主がエモリ人をイスラエル人の前に渡したその日、ヨシュアは主に語り、イスラエルの見ている前で言った。

 「日よ。ギブオンの上で動くな。
  月よ。アヤロンの谷で。」

13 民がその敵に復讐するまで、
  日は動かず、月はとどまった。

 これは、ヤシャルの書にしるされているではないか。こうして、日は天のまなかにとどまって、まる一日ほど出て来ることを急がなかった。

14 主が人の声を聞き入れたこのような日は、先にもあとにもなかった。主がイスラエルのために戦ったからである。

(新改訳第三版)

「日よ。ギブオンの上で動くな。月よ。アヤロンの谷で。」

 ヨシュアが語った言葉ですが、これは主に語った言葉とありますから、主への祈りと言えます。ヨシュアは、エモリ人たちを完全に討ち滅ぼすために、太陽が沈まないように、主に祈りました。この祈りを主は聞いてくださり、一日中太陽が沈むことなく、イスラエルはエモリ人を完全に討ち滅ぼすことができました。

 ここで、ヨシュアが、イスラエルの人々が見ている前でこのような祈りをしたことに注目しましょう。ヨシュアはこの戦いは、主が戦ってくださっていることを、すべてのイスラエルの戦士たちに示すために、彼らの目の前で主に祈ったと考えられます。そして、イスラエルの人々は、ヨシュアこそ主が御選びになった器であり、ヨシュアを信じ、ヨシュアに従って約束の地を勝ち取るように心を一つにして戦うことができました。

 ヨシュアの祈りを通して大いなる奇跡が起こったように、イエス様は地上で数々の奇跡をなさいました。それらの奇跡はすべてイエス様が父なる神様から遣わされたメシアであり、イエス様を信じる信仰によって人々が救われるためです。私たちもイエス様こそ私たちの救い主であると信じて従うとき、圧倒的な勝利を得ることができます。

 今私たちが置かれているウイルスをはじめとして、病や経済的な戦いなどは、自分から望んだ戦いではありません。それでも、主は私たちの先に立って進んでくださり、ご自身の御力で敵を混乱させ、滅ぼし尽くしてくださいます。私たちは、自分は無力だとあきらめたり、自分の力だけで戦おうとするのではなく、主の戦いに加えていただいているという信仰を持ちましょう。主に従うなら、主は夜通し走り続けても疲れることのない力を与え、さらに一日中戦う力を与え続けてくださいます。

ヨシュア記 10章14節

14 主が人の声を聞き入れたこのような日は、先にもあとにもなかった。主がイスラエルのために戦ったからである。

(新改訳第三版)

 主は私たちの祈りを聞いてくださるお方です。そして、大いなる奇跡によって応えてくださり、ご自身が今生きておられ、私たちを愛しておられることを示してくださいます。

 ヨシュアがいつも主に信頼し、主に従って、勇気を持って戦ったように、私たちも信仰の創始者であり完成者であるイエス様に信頼し、みことばに従い続け、新たなる力をいただきつつ、戦いの多いこの世ではありますが、喜びと平安を持って歩ませていただきましょう。