2020年5月17日「主が立てられた作戦」木下淳夫 師

タイトル主が立てられた作戦
聖書 ヨシュア6:1〜5
説教者木下淳夫師

 

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も、一部を除いて解除されました。いよいよ、防戦一方だった新型コロナウイルスとの戦いも、人間が知恵を使って反撃に出るときがやってきたようです。

ただ、有効なワクチンがないなかで、見えないウイルスをどのように防ぐのか、同時にどのように経済活動や、学校をどのように行っていくのか、難しい戦いであることに変わりはありません。

そこで、今日は困難な戦いに挑んだイスラエルの民に、主が与えられた作戦をご一緒に読ませていただきましょう。そして、私たちも勇気と信仰を持って新しい生活に臨みたいと願っています。

ヨシュア記 6章1〜2節

1 エリコは、イスラエル人の前に、城門を堅く閉ざして、だれひとり出入りする者がなかった。

2 主はヨシュアに仰せられた。「見よ。わたしはエリコとその王、および勇士たちを、あなたの手に渡した。

(新改訳第三版)

 エリコの町は、イスラエルの民が来たことを知って、城門を閉じて守りを固めていました。城門を閉じてしまえば、どれほどの大群で攻めたとしても、町に入ることはできません。

それでも、主はヨシュアに、「見よ。わたしはエリコとその王、および勇士たちを、あなたの手に渡した。」と、すでにエリコに勝利していることを宣言されました。そして、主は、エリコを攻略するために作戦を告げておられます。

ヨシュア記 6章3〜5節

3 あなたがた戦士はすべて、町のまわりを回れ。町の周囲を一度回り、六日、そのようにせよ。

4 七人の祭司たちが、七つの雄羊の角笛を持って、箱の前を行き、七日目には、七度町を回り、祭司たちは角笛を吹き鳴らさなければならない。

5 祭司たちが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、あなたがたがその角笛の音を聞いたなら、民はみな、大声でときの声をあげなければならない。町の城壁がくずれ落ちたなら、民はおのおのまっすぐ上って行かなければならない。」

(新改訳第三版)

 主がエリコを攻略するために、最初にお選びになったのは戦士たちです。しかし、主が戦士たちにお命じになったことは、町の周りを回れということです。戦士たちは、武装はするのですが、戦うのではなく、ただ町の周りを歩くだけです。しかも、一日に一周、六日もだまって町の周りを回るように、主はお命じになりました。

 次に、主は、七人の祭司たちをお選びになりました。主は、祭司たちに雄羊の角笛を持って、契約の箱の前を歩くようにお命じになりました。契約の箱が祭司たちに担がれて、角笛を持った祭司たちに続いて進むことからわかるように、主も彼らとともに出て行かれることを示しておられます。

 主は、六日間、武装した戦士たち、次に角笛を吹き鳴らす七人の祭司たち、そして、祭司たちに担がれた契約の箱が、町の周りを一日に一周、そして、七日目は七周、町の周りを回るように、主はお命じになりました。

 主から命じられたヨシュアも、どういうことかわからなかったかもしれません。しかし、ヨシュアは、主がお命じになったことをそのまま民に命じました。民も町の周りを歩くように命じられて不思議だったと思います。

 そして、七日目に七周町の周りを回ったなら、合図の角笛が鳴ります。新改訳をはじめ、多くの翻訳は祭司たちが、角笛を吹くと訳していますが、原文をよく読むと、主ご自身が合図を出されると考えられます。その合図の角笛を聞いたなら、戦士たちは一斉にときの声を上げるように、主はお命じになりました。すると、城壁が崩れ落ちるので、戦士たちは上って行って、町を攻めとるようにと命じられています。

 私たちもウイルスとの戦いという攻略が困難な戦いをしなければなりません。また、困難な病気と闘うこともあります。生活していく上で、経済的な戦いもあります。人間関係の戦いがあるかもしれません。

しかし、私たちとともにいてくださる主は、私たちが想像もしないような作戦を立ててくださるお方です。その作戦とは、主の隊列に連なることです。心を一つにして、主のみことばに従い続けることです。

イスラエルの戦士たちは黙って町の周りを歩きました。しかし、そのような忍耐の間も主はともに歩んでくださり、行動すべき時が来たら合図を出してくださり、驚くような勝利を与えてくださいました。動いてはいけないとき、動かなければならないとき、どちらも主は定めておられます。そして、私たちに合図を送ってくださいます。

ヨシュア記 6章5節

5 祭司たちが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、あなたがたがその角笛の音を聞いたなら、民はみな、大声でときの声をあげなければならない。町の城壁がくずれ落ちたなら、民はおのおのまっすぐ上って行かなければならない。」

(新改訳第三版)

 主からの合図を聞いたなら、私たちもときの声を上げましょう。主が今動きなさいとおっしゃったなら、ためらうことなく行動に移しましょう。そうすれば、私たちの前に立ちふさがっていた壁は崩れ落ちます。

そのために、普段からみことばを聞いて、主が導いてくださる軍の隊列にしっかりと連なって歩みましょう。イエス様が将として、私たちに勝利を与える作戦を立て、ともに進んでくださっています。恐れることなく、行動しましょう。忍耐する時は、信仰を持って忍耐し、動き出す時にも、信仰を持って動き出しましょう。

 礼拝はもうしばらく忍耐ですが、主の合図をいただいたら、みんなで心から大きな声で主に賛美をささげましょう。