2020年5月3日「強くあれ、雄々しくあれ」木下淳夫 師

　

　カナンの地は、神様がイスラエルの民の先祖アブラハムに与えると約束された土地です。しかし、アブラハムの孫ヤコブの時代に大飢饉があり、紀元前1875年ごろ彼らはエジプトに逃れ、しばらくの間エジプトで暮らすようになりました。

　しかし、時代が変わりイスラエルの民は、エジプトの王に迫害されるようになりました。エジプトで奴隷として苦しめられていたイスラエルの民を、約束の地カナンに導き入れるため、神様はモーセをリーダーとして選ばれました。そして、モーセに率いられた民は、紀元前1445年ごろ、エジプトを出て約束の地カナンに向かいました。しかし、カナンを目前にしてモーセは死に、後継者としてヨシュアが選ばれました。

　そのヨシュアに語られたことばが今日の箇所です。

　これから、イスラエルに敵対する民族が大勢いるカナンの地に入って行かなければならないのに、偉大なリーダーだったモーセがいなくなったのですから、ヨシュアはどれほど不安だったことでしょうか。そのヨシュアに神様は、「強くあれ。雄々しくあれ。」と命じておられます。

　神様がヨシュアに与えられた使命は、イスラエルの民にカナンの地を継がせることです。神様はご自身の約束を成就するためヨシュアをお選びになりました。つまり、ヨシュアは神様の約束が成就するための仲介者としての働きをすることになります。

　その仲介者ヨシュアがしなければならないことは、すべての律法を守り行うことです。7節では、「あなたが栄えるためである。」とありますが、これは成功するという意味でもあります。神様がイスラエルの民に与えてくださった約束は、ヨシュアが律法を守り行うことによって成就する、ご計画は成功して民は安心と幸福を得ると教えています。

　さらに、神様は律法を守るために、律法の書を昼も夜も口ずさまなければならないと命じています。これは文字通り律法の書を繰り返し読むこと、また、思い巡らすことを意味しています。そのようにして、律法から離れることなく、神様の御心と一つになって歩み続けるなら、その行いによってヨシュアは繁栄し、成功すると約束されています。

　神様は、もう一度「強くあれ。雄々しくあれ。」と、ヨシュアを励ましておられます。そして、「あなたの神、主が、あなたの行く所どこにでも、あなたとともにあるからである。」と、ヨシュアは決して一人ではないと約束してくださいました。

　ところで、ヨシュアは、イエス・キリストの型であると言われています。確かに、ヨシュアはイスラエルの民に与えられた約束の地に民を導き入れるために、神様のみことばを忠実に守り行い、そして、神様のご計画通り、民をカナンへと導きました。

　そして、イエス様は、すべての人を天の御国に導くため、神様のみことばを完全に守り行い、十字架でいのちを捨てるまで神様のみこころに従い通してくださいました。私たちは、イエス様の忠実のゆえに、神様の約束に与るものにしていただいています。

　神様がヨシュアに語られたみことばは、イエス・キリスト恵みによって、神様の子どもにしていただいた私たちにも、同じように語っています。神様は私たちを励まし、また、次の三つの命令を与えておられます。

1　強くあれ。雄々しくあれ。

　神様は未知の戦いに挑まなければならない私たちに勇気を持つように命じておられます。それは、神様ご自身がともにいてくださるからです。

2　みことばを守り行え。

　神様が私たちに与えようとしておられる祝福を受けるためには、神様のみことばを守り行うことが最も重要です。

3　みことばを口ずさめ。

　みことばを実践するためには、みことばを正しく知らなければなりません。みことばを口ずさみ、思い巡らして、神様のみこころを知ることです。

　私たちは、すでにイエス様の恵みによって、世に対して勝利しています。この世の戦い、いままで経験したことがないウイルスとの戦いに対しても、私たちは今日与えられた三つの命令を守り、ヨシュアが新しい地に挑んだように、新しいチャレンジをして勝利と繁栄をいただきましょう。