タイトル | あなたの救いが来る |
聖書 | イザヤ62:10~12 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今年与えられたイザヤ書62章は、シオンと呼ばれるエルサレムのための約束が記されています。エルサレムは、バビロンによって攻め落とされ、人々はバビロンに強制連行されてしまいました。イザヤはこのバビロン捕囚とエルサレムが、主によって回復される預言のみことばを主から与えられていました。
最初にイザヤに与えられた預言のみことばは、およそ200年後バビロンに囚われたイスラエルの民への希望のメッセージでした。しかし、そのメッセージは、当時のイスラエルの民に与えられた希望だけではなく、その後に起こるイエス・キリストによる、イスラエルの霊的回復、さらに全世界の民が贖われる約束のメッセージです。
ですから、絶望的な苦しみの中でも変わらない主のあわれみによって、イスラエルが守られ、祝福を受けた事実を覚え、今年、私たちに与えられた希望のみことばを握って、この一年を過ごしたいと願っています。
イザヤ書62章10節
10 通れ、通れ、城門を。この民の道を整え、盛り上げ、土を盛り上げ、大路を造れ。石を取り除いて国々の民の上に旗を揚げよ。
(新改訳第三版)
エルサレムの町は破壊されてしまい、城門もなくなってしまいました。しかし、主は、エルサレムが荒れ果てたままになるのではなく、民は町に帰還し、城門も修復されることを約束されました。そして、主は、帰還した人々に、エルサレムの大路を造るようにお命じになられました。それは、さらに多くの民が帰還するため、また、主がエルサレムを愛しておられることを知った全世界の民が、エルサレムに集うためです。そのために、国々の民の上に旗をあげるように命じられています。
イザヤ書62章11節
11 見よ。主は、地の果てまで聞こえるように仰せられた。「シオンの娘に言え。『見よ。あなたの救いが来る。見よ。その報いは主とともにあり、その報酬は主の前にある』と。
(新改訳第三版)
主は、地の果てまで聞こえるように、大きな声で語られます。主はシオンの娘たちへ語りかけておられます。エルサレムに住む者たち、イスラエルの民、主の民へのメッセージです。
『見よ。あなたの救いが来る。見よ。その報いは主とともにあり、その報酬は主の前にある』
故郷を離れて苦しい生活を強いられているエルサレムの人々に、救いが来ると約束してくださいました。救いといっても、彼らが苦しい目にあっているのは、彼らの罪の結果です。その主に対する罪が赦されなければ、彼らは救われることはありません。
しかし、主は「あなたの救いが来る」とおっしゃって、主が罪の赦しを与え、み怒りをおさめ救いを与えることを約束してくださいました。罪の赦しを受けるには代価が必要です。イスラエルは、そのために繰り返し犠牲を捧げていました。しかし、この約束では「その報いは主とともにあり」と、罪のための代価は主ご自身が用意してくださると約束しておられます。そして、「その報酬は主の前にある」と、ありますが、新共同訳では「主の働きの実りは御前を進む。
」と訳されて居ます。この報酬は仕事やその働きからの報酬を意味しています。ですから、救われた民は新しい働きに召され、その働きに対する報酬も主が用意しておられることを約束しておられると言えます。
イザヤ書62章12節
12 彼らは、聖なる民、主に贖われた者と呼ばれ、あなたは、尋ね求められる者、見捨てられない町と呼ばれる。」
(新改訳第三版)
主の救いに与った民は、聖なる民です。主に贖われた民です。もはやこの世の者ではありません。また、エルサレムは人々から見捨てられた町ではありません。主によって再興され、人々が再び集まる町、尋ね求められる者、見捨てられない町です。
主はバビロンで囚われていたイスラルの民を救い、新しい働きに召されました。私たちも、罪に囚われていた者でしたが、イエス様が十字架でいのちを捨ててくださったことにより、罪が赦され聖なる者、主に贖われた民としていただきました。ですから、イスラエルの民が、エルサレムに帰還した後、聖なる民としてエルサレムの復興のために働き、さらに主がみことばを成就してくださったことを、すべての国々の民に証ししたように、私たちも自分たちの霊的な回復、そして、教会の回復を通して、主は生きておられる、主は私たちを愛しておられる、主はこの地を愛しておられるということを宣べ伝えてまりましょう。それが、私たちに与えられた働きです。そして、天に宝を積むことになります。困難な時こそ、『見よ。あなたの救いが来る。』という約束をいつも握って、救い主イエス・キリストを見上げ、主の救いを待ち望みましょう。イエス様はどのような困難も、解決できる力あるお方です。そして、私たちを天の宝によって富ませてくださるお方です。この一年、救い主であるイエス様により頼みつつ、キリストの御旗を掲げてまいりましょう。