2023年4月9日「弟子たちに現れたイエス様」木下淳夫 師

　今日は、「弟子たちに現れたイエス様」というテーマです。

　十字架で死なれたイエス様は、墓に葬られました。その様子を見ていた弟子たちは、絶望と恐れに満ちていました。そのような弟子たちが、全世界にイエス様がよみがえられたこと、イエス様をまことの神様であり、救い主であると信じるなら罪が赦され、永遠のいのちを受けることができるという福音を宣べ伝える様に変えられました。

　このように、弟子たちを変えてくださったイエス様は、私たちにも現れて、私たちに新しい一歩を踏み出す力を与えてくださることを覚えたいと願っています。

　イエス様が葬られた墓が空っぽになっていたことを知ったマグダラのマリヤは、深い悲しみのために動けなくなっていました。しかし、よみがえられたイエス様ご自身がマリヤに話しかけてくださったことで、マリヤは悲しみから立ち直りました。そして、急いで弟子たちにイエス様がよみがえられたことを知らせました。ところが、その知らせを聞いても、弟子たちは信じられませんでした。ただ、ペテロとヨハネは墓へ走って行き、亜麻布だけが残されているのを見ました。それが、週の初めの日、日曜日の朝の出来事です。

　その日の夕方、イエス様の弟子たちは、ユダヤ人の指導者たちが、イエス様だけでなく、自分たちも処罰するためにやってくるのではないかと恐れていたので、家の戸を閉めていました。ところが、家の戸が開けられることなく、イエス様が彼らの中に姿を現されました。突然イエス様が現れたのですから、彼らは非常に驚きました。イエス様は驚き、怖がっていた弟子たちに、「平安があなたがたにあるように」とおっしゃいました。そして、十字架で釘を打たれた手と、槍をさされた脇腹をお示しになり、イエス様ご自身であることを示されました。確かに、手に釘の跡があり、また、わき腹に槍が刺さった跡が残っている生きた人など普通はいません。ですから、弟子たちは目の前に現れた人がイエス様ご自身であることを確信してとても喜びました。そして、イエス様はもう一度、「平安があなたがたにあるように」とおっしゃって、「父がわたしを遣わしたように、わたしもあなたがたを遣わします。」と、彼らをこの世に派遣することをお伝えになりました。そして、彼らに息を吹きかけて、「聖霊を受けなさい」と、命じられました。

　「霊」という言葉はギリシャ語でもヘブル語でも、「風」や「息」という意味があります。弟子たちは、この後に天から与えられる聖霊を受けることになりますが、イエス様は息を吹きかけることで聖霊を受ける体験をさせられました。

　イエス様はこの後、天に昇られます。しかし、イエス様は弟子たちを一人でこの世に送り出すことはなさいません。ご自身の霊である聖霊様を弟子たちに与えることで、どんな時でも彼らを助け守ることを約束されました。父なる神様が、いつもイエス様と共におられたように、イエス様は聖霊様を通して、弟子たちといつも共にいてくださいます。

　イエス様が弟子たちをお遣わしになる目的は、彼らを通して全ての人に罪の赦しを得させるためです。罪を犯したなら神様の御怒りがくだります。この神様のさばきを逃れるためには罪を赦していただかなければなりません。しかし、罪を赦すことができるのは、神様だけです。だからこそ、イエス様は、聖霊様を与えることで、神様の権威を弟子たちに授け、人々に罪の赦しと永遠のいのちを与えようとされました。

　日本人の多くは、イエス様の復活を信じられない出来事だと言います。復活などあり得ないという人もいます。しかし、そのような人も、復活はないということを証明できないのではないでしょうか。もしも、イエス様の復活がなかったのなら、福音は全世界に広がっていなかったでしょう。

　イエス様の死を目撃した弟子たちは、イエス様がよみがえられたという女性の弟子たちの知らせを信じられませんでした。そのような弟子たちが、復活のイエス様に出会いました。そして、イエス様から助けと権威と、新しい使命を与えられました。その使命によって、福音は全世界に広がり、私たちにも伝えられました。だれも嘘や作り話のために命をかけることはしません。ペテロやヨハネといったイエス様の弟子たちに始まり、2000年の間、数多くのイエス様の弟子たちが、命をかけてイエス様の復活を宣べ伝え、私たちにも福音が伝えられました。この事実を覚えるとき、イエス様の復活をあり得ないと言い切ることはできません。

　今、復活のイエス様は、イエス様を信じた私たちにも聖霊様を与えることを約束してくださいました。そして、私たちに平安を与え、希望を持って力強い歩みができるように変えてくださいます。また、全ての人を救うため、私たちを遣わすと言われます。このイエス様のみことばを真摯に受け止め、イエス様がいつもともにいてくださることを感謝しましょう。そして、私たちもイエス様の権威に従って、イエス様の十字架による罪の赦しを宣べ伝えてまいりましょう。