2023年12月31日「みことばは成就する」木下淳夫 師

タイトルみことばは成就する
聖書イザヤ55:8〜13
説教者木下淳夫師

 皆さんにとって今年はどのような年でしたか?自分の願いが聞かれたという方もあれば、思いもしない出来事が続いて大変だった方もいらっしゃると思います。私たちは、神様に自分の願いを祈り求めますが、それがいつも聞かれるわけではありません。そのようなとき、今日のみことばを思い出していただき、さらに大きな祝福があることを期待していただきたいと願っています。

イザヤ書55章8〜9節

8 「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。──【主】の御告げ──

9 天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。

(新改訳第三版)

 神様の御思いは、私たちが思っていることと異なっていることを忘れてはいけません。これは、小さい子どもが思っていることと、大人が思っていることが違っていることを思い出せば当然だということに気づくでしょう。子どもは自分の狭い世界の中で、今、自分が楽しいことを求めます。そのように、私たちが大人になって視野が広がっても、神様がご覧になる世界からすると、私たちは何もわかっていないと言えます。

 神様は私たちが思っているよりもはるかに良いご計画をもっておられ、私たちの想像を超えた祝福を与えようとしておられることを、このみことばから教えられます。だからこそ、主に信頼して歩む人生は、この先どんな素晴らしいことがあるだろうかと、期待することができます。

イザヤ書55章10~11節

10 雨や雪が天から降ってもとに戻らず、必ず地を潤し、それに物を生えさせ、芽を出させ、種蒔く者には種を与え、食べる者にはパンを与える。

11 そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。

(新改訳第三版)

 神様は、みことばによって、私たちを導いてくださいます。しかし、みことばが与えられても、本当にそんなことが起こるだろうかと、疑いたくなることがあるかと思います。救い主イエス様が処女から生まれるとか、布にくるまって飼葉おけに寝ているとか、信じられないようなみことばを聞いて、すぐに希望を持つことができる人は少ないかもしれません。しかし、主は雨や雪が天から降ってもとに戻ることはなく、必ず地面を潤して、土地にいろいろな植物を生えさせ、その植物から種を蒔く人たちのために種を与え、人々を養っていることをたとえとして教えてくださいます。米や野菜を育てている方は、このたとえを実感されるのではないでしょうか。雨や雪を、すぐに自分の食べ物に結び付ける人は少ないと思いますが、この天から降ってくる雨や雪によって、確実に大地には実りがあり、人は食物を得ることができます。そのように神様のみことばは、すぐに人々の食物になるものではなくても、必ずこの世界を潤し、実を結ぶのだと教えられています。たとえ私たちが信じがたいような約束のみことばであっても、必ず成就するのだと、真実な神様は約束してくださっています。

イザヤ書55章12~13節

12 まことに、あなたがたは喜びをもって出て行き、安らかに導かれて行く。山と丘は、あなたがたの前で喜びの歌声をあげ、野の木々もみな、手を打ち鳴らす。

13 いばらの代わりにもみの木が生え、おどろの代わりにミルトスが生える。これは【主】の記念となり、絶えることのない永遠のしるしとなる。」

(新改訳第三版)

 ここまで、私たちの思いと神様の思いが異なっていること、また、神様の望むことは必ず成就することが、力強く語られました。ただ、神様が私たちに試練だけを与えること、絶望を与えることを願っておられたとしたら、私たちには何の希望もありません。しかし、そのような心配は必要ありません。

主はイザヤを通して、イスラエルが彼らの罪のために滅ぼされ、異国にとらえ移されることを語られたのですが、それでイスラエルが終わってしまうのではなく、そのような苦難の後に、民は喜びをもって出て行き、安らかに導かれて行くことを約束してくださいました。そして、この地に呪いの象徴として生えていたいばらやおどろの代わりに、もみの木やミルトスが生えて、それが約束が成就してた永遠のしるしとなると教えてくださいました。

イザヤ書55章11節

11節 そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。

(新改訳第三版)

今日、私たちが覚えたいことは、神様のみことばは必ず成就するということです。それが私たちの思いと異なっていても、ありえないと思うような約束であっても、それは必ず成就します。しかも、その約束は私たちに幸いを与えるものです。その幸いについて、覚えておかなければならないことは、主が与えようとしておられる幸いは一時のものではなく、いつまでも残るものだということです。主は永遠であるお方です。ですから、私たちにも永遠に変わることのない幸いを与えようとしておられます。そのために、主はイエス様を私たちにお与えくださり、イエス様を信じるすべての人に永遠のいのちを与えることを約束してくださいました。

私たちは目に見える幸いを求めるあまり、自己中心になることがないように注意しましょう。たとえ苦難の日が続いても、祈りが聞かれないことがあっても、神様はその経験を通して私たちを成長させ、永遠の喜びのすばらしさを教えようとしてくださっています。そして、この祝福はみことばによって約束されていますから、みことばをしっかりと聞くことの大切さがわかります。この一年、神様からいただいた恵みを感謝すると同時に、新しい年もさらにみことばを聞き、みことばは必ず成就すると固く信じて、主が与えてくださるいのちと祝福の道を歩ませていただきましょう。