2023年12月24日「私たちに示された奇跡」木下淳夫 師

タイトル私たちに示された奇跡
聖書ヨハネ1:9〜12
説教者木下淳夫師

ヨハネの福音書1章9〜12節

9 すべての人を照らすそのまことの光が、世に来ようとしていた。

10 この方はもとから世におられ、世はこの方によって造られたのに、世はこの方を知らなかった。

11 この方はご自分のところに来られたのに、ご自分の民はこの方を受け入れなかった。

12 しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった。

(新改訳第三版)

 今から2000年ほど前、この世にすべての人を照らすまことの光であるイエス・キリストが降誕されました。それは、福音書に示されているように、歴史的な出来事です。しかし、同時にイエス様の降誕は、その時代の人たちだけに示された奇跡ではありません。現代の私たちにも当時の人たちと同じように、神様のご愛が示されています。

 確かに、2000年前にイスラエルで起こった出来事が、現代の私たちに伝えられているというだけでも奇跡的なことです。しかし、伝えられたクリスマスの出来事が、私たちが永遠のいのちを受け取り、神様の子どもとして生きることができるという約束であることこそ、クリスマスの日に、私たちに示された大きな奇跡です。

イエス様はもとからこの世におられ、世はイエス様によって造られました。しかし、当時のイスラエルの指導者たちはイエス様がまことの神様であること、救い主キリストであることを知りませんでした。また、イエス様が語られたみことばを聞いても、イエス様がなさった奇跡を見ても、彼らはイエス様を約束されていたキリスト、また、神の御子と信じませんでした。イエス様ご自身が創造した世界、ご自身が治めている国であるにもかかわらず、民は王の王であるイエス様を拒否し、十字架に架けるようにローマ総督ポンテオ・ピラトに願い出ました。そして、イエス様はご自身の民であるイスラエルを救い、その後すべての人々を救うことを願っておられたのですが、残念ながらイスラエルの指導者たちはイエス様を受け入れなかったため、イスラエルの救いは後回しになり、現在に至っています。

ただ、イスラエルの民全員がイエス様を拒否したわけではありません。イスラエルにも多くの人がイエス様をキリストとして受け入れ、イエス様に従う人生を歩みました。そのような人々に、神様はだれもが神様の子どもとされるという特権を与えてくださいました。今まで、神様から離れ、自分がわかっていても悪を行ってしまう弱い人たちであっても、罪の奴隷であった人たちであっても、神様はイエス様を信じて従うことによって、罪から自由にしてくださり、神様の子どもとして永遠のいのちをもって、神様の愛と平安の内に生きることを約束してくださいました。

そして、この約束は、私たちにも与えられています。罪に汚れた私たちが、神様の御怒りを受けて滅ぶべき私たちが、罪から救われ永遠のいのちをいただき、神様の子どもにしていただくという特権をいただくことができるというのは、信じがたい奇跡です。この恵みが与えられた日、約束を成就してくださる救い主がこの世に来てくださったという奇跡が示された日、それがクリスマスです。

私たちは、自分では気づいていないかもしれませんが、この世界を創造した神様に愛されています。創造主である神様はひとりごイエス様を、十字架につけるために世にお送りくださるほどに、私たちを愛してくださっています。そして、イエス様はお生まれになったとき、羊を生かす餌を入れる飼葉おけに寝かされましたが、今、私たちを生かすいのちのパンとして、ご自身を与えてくださっています。それほどまでに、私たちを愛してくださっているイエス様を、救い主キリストとして受け入れましょう。そうすれば、みなさんは神様の子どもにしていただき、永遠に失われることがない特権をもって、平安と希望をもって歩むことができます。