2023年10月1日「キリストのことばを信じる」木下淳夫 師

タイトルキリストのことばを信じる
聖書ヨハネ4:39〜42
説教者木下淳夫師

 今日は、「キリストのことばを信じる」というテーマです。

 皆さんは、どんな人の言葉だったら信頼できますか?誰でも人のことを疑いたくないと思うのですが、普段から本当のことを言わない人の言葉、また、言うことと行動が違っている人の言葉は信じられません。そのような中で、私たちが100パーセント信頼しできるのが、イエス・キリストが語られたみことばです。イエス様は真実なお方で、その言葉に偽りはなく、約束されたことを必ず成就してくださるお方ですから、私たちは疑うことなく主イエス様のみことばを信じて従うことができます。

 今日は、私よりも随分前に、直接イエス様のみことばを聞いてイエス様を信じるようになったサマリヤの人たちの信仰から、私たちも学ばせていただき、イエス様が語られたみことばを信じることの大切さを覚えたいと願っています。

ヨハネの福音書4章39〜42節

39 さて、その町のサマリヤ人のうち多くの者が、「あの方は、私がしたこと全部を私に言った」と証言したその女のことばによってイエスを信じた。

40 そこで、サマリヤ人たちはイエスのところに来たとき、自分たちのところに滞在してくださるように願った。そこでイエスは二日間そこに滞在された。

41 そして、さらに多くの人々が、イエスのことばによって信じた。

42 そして彼らはその女に言った。「もう私たちは、あなたが話したことによって信じているのではありません。自分で聞いて、この方がほんとうに世の救い主だと知っているのです。」

(新改訳第三版)

 人目を避けて井戸に水を汲みに来た女性は、イエス様に出会い、イエス様と話をすることにより、霊の目が開かれてイエス様が約束のメシアであることを確信しました。そして、メシアに出会った喜びを、サマリヤの人々に宣べ伝えました。彼女はこれまで結婚しても夫に捨てられ、人を信じることができなくなってしまい、町の人に見つかることを恐れていたのですが、イエス様を信じることによって、彼女は新しく生まれ変わりました。この女性が語った言葉によって、さらに町の人々がイエス様を約束のメシアであると信じました。そして、メシアに会うために町を出てイエス様のもとへやって来ました。

 普段、サマリヤ人とユダヤ人は関わりを持つことがありません。ですから、サマリヤの人たちがユダヤ人であるイエス様のもとに、わざわざ出向いていくと言うことは、あり得ないことです。それでも、彼らがイエス様のもとへ出て行ったきっかけは、彼らと交わりを持とうとしなかった一人の女性の言葉であり、おそらく町の人たちも蔑んでいたと考えられる女性が、喜びにあふれて語った言葉でした。

 イエス様の弟子たちは、一体何が起こったのか理解できないで驚いたと思いますが、イエス様はサマリヤの人たちが、この女性を通してまことの神様に立ち返ることを願っておられました。そして、その救いがことのとき、サマリヤの一つの町で成就しました。

 サマリヤの人たちは、イエス様に滞在してくださるように願い、イエス様はそこに二日間滞在されました。これは、ユダヤ人もサマリヤ人もなく、神様の恵みがすべての人に等しく注がれることを示すとても重要な出来事です。

 そして、さらに多くのサマリヤの人たちが、イエス様と直接話をすることによって、イエス様をメシアであると信じました。彼らは最初にイエス様に出会い、彼らにイエス様がメシアであると伝えた女性に、「もう私たちは、あなたが話したことによって信じているのではありません。自分で聞いて、この方がほんとうに世の救い主だと知っているのです。」と言っています。この証から自分でイエス様が語られるみことばを聞くことの大切さを教えられます。

ローマ人への手紙10章17節

そのように、信仰は聞くことから始まり、

聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。

(新改訳第三版)

 福音は人が語る言葉によって伝えられます。この福音をすなお聞くことから信仰は始まります。サマリヤの人たちが、一人の女性の言葉をすなおに信じたことから、イエス様への信仰が生まれました。また、イエス様ご自身からみことばを聞くことによってイエス様を信じて従うようになりました。私たちが、イエス様を救い主、神の御子と信じて従うために必要なことは、福音をすなおに聞くことです。

 それでは、私たちが福音を宣べ伝えるとき、語るべきことはなんでしょうか。それは、キリスト・イエス様が語られたみことばです。キリストご自身が語られたみことばこそ、すべての人が聞くべきことばであり、私たちが伝えるべき命のみことばです。

 この世には、たくさんの良い言葉があります。かつての偉人や、有名な人が残した言葉に励まされる人も多いと思います。しかし、人間の言葉は、永遠の命に至るものではありません。この世での生涯で、慰められ、強められても、人間の言葉は、天国を約束するものではありません。ただ、キリストが語られたみことばだけが、私たちを新しく生まれ変わらせてくださり、永遠の命を約束し、絶対に変わることのない平安と愛を約束してくださいます。

 このいのちのみことばを、私たちも日々聖書を通して受け取り、心のうちに豊かに住まわせましょう。そして、私たちに命を与え養ってくださるキリストのみことばを、さらに多くの人にも宣べ伝えてまいりましょう。