タイトル | 祝福の祈り |
聖書 | 2コリント13:11~13 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日のテーマは「祝福の祈り」です。
パウロが手紙の最後に、祝福の祈りと、6つの命令を書き送っています。
「喜びなさい」「完全な者になりなさい」「慰めを受けなさい」「一つ心になりなさい」「平和を保ちなさい」「聖なる口づけをもって、互いにあいさつをかわしなさい」です。これらは、兄弟姉妹に命じられたことですので、私たちもこの命令を心に留めて、愛と平和の神様がともにいてくださる、兄弟姉妹の交わりを大切にし、神様の祝福をいただきたいと願っています。
コリント人への手紙第二 13章11〜12節
11 終わりに、兄弟たち。喜びなさい。完全な者になりなさい。慰めを受けなさい。一つ心になりなさい。平和を保ちなさい。そうすれば、愛と平和の神はあなたがたとともにいてくださいます。
12 聖なる口づけをもって、互いにあいさつをかわしなさい。すべての聖徒たちが、あなたがたによろしくと言っています。
(新改訳第三版)
パウロは、最初に「喜びなさい」と命じました。問題がある教会には喜びがありません。教会の中で、悩み悲しみ、また怒りが増えると、兄弟姉妹の交わりがなくなります。また、神様との交わりも失われてしまいます。私たち人間は、神様から離れては生きられません。それなのに、神様を知らずに、自分の力で生きようとするなら、多くの困難に直面します。ある人たちは、そのような困難も、なんとか克服すると思います。しかし、死という問題、また、死んだ後に待っている審判という問題に対して、人間の力ではどうすることもできません。死の問題、また、最後の審判という問題が解決できなければ、私たちは本当の平安を得ることができません。日々の問題を解決できても、それらは一時的な喜びです。その大きな問題を解決してくださったのが、救い主イエス様です。イエス様を信じることによって、私たちは救いを受けました。死に勝利し、さばきを受けることなく、永遠のいのちをいただき、神様の子どもとしていただく特権をいただきました。これこそ、私たちが忘れてはならない大きな恵みであり、かけがえのない喜びです。
イエス様は、神様の子どもたちが、いつも、いつまでも喜びに満たされることを願っておられました。そして、救いに与った人たちに聖霊様を与えてくださるという信じられないような恵みを与えてくださいました。聖徒たちは、このイエス様が与えてくださった喜びを思い出し、聖霊様を通して注がれる愛と平安に満たされ喜ぶように命じられています。
次にパウロが命じた、「完全な者になりなさい」は、パウロの祈りでもあります。一人ひとりが、イエス様に似た者に成長するために、イエス様につながって歩むこと、みことばに従順に従うことが命じられています。
「慰めを受けなさい」という命令は、他の翻訳では、「励まし合いなさい」と訳されています。もともとの意味は、互いに呼びかけるということです。ですから、兄弟姉妹がそれぞれ自分勝手に行動するのではなく、お互いに声を掛け合って、助け合い、励まし合い、また、慰め合うことによって、一緒にキリストのからだとして築き上げられることが求められています。
そして、「一つ心になりなさい」と、目に見える行動だけでなく、心からイエス様の御心に従って、一つとなることが命じられています。
このような行動によって、「平和を保ちなさい」と命じて、神様の平和があるようにパウロは導いています。問題があると人間同士の関係だけでなく、神様との関係も悪くなります。ですから、目に見える問題を解決し、愛と平和の神様との関係も修復することが命じられています。
また、すべての聖徒たちが、キリストにあって兄弟姉妹であり、キリストにあって一つであることを覚えるために、互いに挨拶をかわすこと、また、すべての聖徒たちが、覚えてくれていることを教えています。
コリント人への手紙第二 13章13節
13 主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがたすべてとともにありますように。
(新改訳第三版)
これは、多くの教会で祝祷として祈られるみことばです。
私たちの人生にはたくさんの試練があります。問題も起こります。それは、神様の子どもたちが集まる教会でも同じです。このような問題を感じたなら、私たちに救いの手を差し伸べてくださった主イエス・キリストの恵みを思い出しましょう。イエス様は私たちのために十字架で命を捨て、死に勝利してよみがえってくださり、天国への道となってくださいました。
私たちはイエス様の恵みによって神様の子どもにしていただきました。今、私たちは父なる神様の御愛を、いつも受けています。御怒りを受けるのではありません。神様の御愛により、失われることのない希望と平安をいただいています。そして、この地上でも私たちが神様との交わり、聖徒の交わりができるように、聖霊様が私たちのうちにいてくださいます。
この大きな恵みを忘れず、救いの喜びを持って、兄弟姉妹と互いに愛し合い、主に従って祝福の道を歩んでまいりましょう。