2023年9月3日「イエス様が与える水」木下淳夫 師

タイトルイエス様が与える水
聖書ヨハネ4:1〜14
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「イエス様が与えられる水」です。

 水は、人間にとってなくてはならないものです。しかし、イエス様が与えてくださる水は、井戸から汲む水よりもはるかに大きな意味があります。今日は、イエス様が与えてくださる水について学び、私たちも魂が渇ききることがないようにしていただきたいと願っています。

ヨハネの福音書4章1〜6節

1 イエスがヨハネよりも弟子を多くつくって、バプテスマを授けていることがパリサイ人の耳に入った。それを主が知られたとき、

2 ―イエスご自身はバプテスマを授けておられたのではなく、弟子たちであったが―

3 主はユダヤを去って、またガリラヤへ行かれた。

4 しかし、サマリヤを通って行かなければならなかった。

5 それで主は、ヤコブがその子ヨセフに与えた地所に近いスカルというサマリヤの町に来られた。

6 そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅の疲れで、井戸のかたわらに腰をおろしておられた。時は第六時ごろであった。

(新改訳第三版)

 イエス様のもとに多くの人が集まるようになりました。これは、神様がイスラエルの民に救いを与えてくださるご計画ですから、すべての人が喜ぶべきことでしたが、この状況をパリサイ人たちは喜ぶことができませんでした。彼らは人々が自分たちよりもバプテスマのヨハネ、そして、イエス様のもとに集まることをねたんでいました。

 ですから、イエス様は、ご自身のもとに多くの人が集まっていることを、パリサイ人たちが聞いているということを知って、宣教活動が妨げられないように、ユダヤを去ってガリラヤ地方へ行かれました。しかし、イエス様は、旅の疲れでサマリヤのスカルという町で、ヤコブが彼の子であるヨセフに与えたと言われる井戸のそばに腰をおろされました。

ヨハネの福音書4章7〜9節

7 ひとりのサマリヤの女が水をくみに来た。イエスは「わたしに水を飲ませてください」と言われた。

8 弟子たちは食物を買いに、町へ出かけていた。

9 そこで、そのサマリヤの女は言った。「あなたはユダヤ人なのに、どうしてサマリヤの女の私に、飲み水をお求めになるのですか。」―ユダヤ人はサマリヤ人とつきあいをしなかったからである―

(新改訳第三版)

 そこに、一人のサマリヤ人の女性が、水を汲むためにやって来ました。イエス様は、その女性に「わたしに水を飲ませてください」と、おっしゃいました。ユダヤ人の男性であるイエス様が、サマリヤ人の女性に話をされることは、当時では考えられないことでした。福音書の著者であるヨハネは「ユダヤ人はサマリヤ人とつきあいをしなかったからである」と説明していますが、これはサマリヤが紀元前722年にアッシリアに滅ぼされ、サマリヤ人が異国民と混じり合ったためです。純血を大切にするユダヤ人にとって、サマリヤ人はもはやイスラエルの民と考えられていませんでした。

ヨハネの福音書4章10〜14節

10 イエスは答えて言われた。「もしあなたが神の賜物を知り、また、あなたに水を飲ませてくれという者がだれであるかを知っていたなら、あなたのほうでその人に求めたことでしょう。そしてその人はあなたに生ける水を与えたことでしょう。」

11 彼女は言った。「先生。あなたはくむ物を持っておいでにならず、この井戸は深いのです。その生ける水をどこから手にお入れになるのですか。

12 あなたは、私たちの父ヤコブよりも偉いのでしょうか。ヤコブは私たちにこの井戸を与え、彼自身も、彼の子たちも家畜も、この井戸から飲んだのです。」

13 イエスは答えて言われた。「この水を飲む者はだれでも、また渇きます。

14 しかし、わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます。」

(新改訳第三版)

 イエス様は、自分から彼女に飲み物を求めたのに、彼女がイエス様に求めたなら、イエス様が生ける水を与えられるとおっしゃいました。これには、サマリヤ人の女性も驚きました。イエス様は、水を汲むものを持っていなかったからです。しかも、イエス様がこの井戸よりも良い水を出す水源を持っているとおっしゃったからです。彼女はこの井戸がイスラエル民族の父祖であるヤコブが掘った井戸であり、この井戸以上に神様の祝福を受けた井戸はないと考えていたので彼女はとても驚きました。しかし、イエス様が彼女に与えようとされたのは、井戸から汲む水ではなく、イエス様ご自身が与えてくださる永遠のいのちへの水でした。

 この会話からわかるように、イエス様は疲れて井戸のそばに腰をおろされたのですが、それもこの女性と話をするためだったことがわかります。他の弟子が一緒にいたら、イエス様はこの女性に話しかけることができませんでした。しかし、イエス様は旅の疲れということで、弟子たちが食べ物を買いに出ていたことで、会話の機会が与えられました。イエス様がこの女性と話をしたいと願われたのは、この女性を救うためです。イエス様は、この女性に対してへりくだって飲み物を求め、会話のきっかけを作り、会話を通して彼女の信仰の目が開かれるように導いてくださいました。

ヨハネの福音書4章14節

わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます。

(新改訳第三版)

 イエス様が、サマリヤ人の女性に与えようとされた水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出る生ける水です。今、イエス様は、この水を私たちにも与えてくださいます。イエス様こそ父なる神様が私たちのために与えてくださった最高の賜物です。そして、イエス様を信じて従う人は誰でもすべての罪が赦されて、永遠のいのちを持つという約束を信じるなら、誰でもイエス様から、この生ける水をいただくことができます。そして、イエス様を信じた人は、イエス様がくださった生ける水によって、決して渇くことがなく、神様の愛と恵みに満たされます。イエス様ご自身が、私たちのうちに生きてくださいます。イエス様がくださる生ける水は、私たちを新しく作り変えてくださいます。いつも、イエス様から生ける水、永遠のいのちへの水を求めて、神様がくださる溢れ流れるほどの恵みを受け取りましょう。