タイトル | 特権を与えるための降臨 |
聖書 | ヨハネ1:9~13 |
説教者 | 木下淳夫師 |
クリスマスおめでとうございます。
クリスマスはイエス様の降誕をお祝いしているのですが、今年は特にイエス様がこの世に降臨された目的を学んできました。そして、今日のクリスマス礼拝では、イエス様が、私たちに神様の子どもとされる特権をお与えになるために降臨されたことを学び、神様がどれほど私たちを愛しておられるのかを覚え、クリスマスの恵みを感謝したいと願っています。
ヨハネの福音書1章9〜11節
9 すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていた。
10 この方はもとから世におられ、世はこの方によって造られたのに、世はこの方を知らなかった。
11 この方はご自分のくにに来られたのに、ご自分の民は受け入れなかった。
(新改訳第三版)
すべての人を照らすまことの光とは、イエス様のことです。イエス様は、ユダヤのベツレヘムにお生まれになったのですが、ユダヤ人の救い主にとどまることなく、すべての人を照らすまことの光として、この世に人となって来てくださったことが記されています。
そして、イエス様がもとからこの世におられたこと、この世はイエス様によって造られたことが記されています。イエス様は、今から2000年ほど前に、この世にマリヤの子どもとして、まことの人としてお生まれになったのですが、実はこの世界が始まる前からイエス様はまことの神様として存在しておられました。父なる神様がこの天地を創造された時、イエス様もことばなる神様としてご一緒におられ、この世界を創造されました。この世は偶然出来上がったものではなく、イエス様がご計画を持って造られたものです。そして、私たち人間も神様の愛、イエス様の愛を受けていのちが与えられています。
ところが、イエス様がこの地上に人となって来てくださったとき、イスラエルの人々は、イエス様を自分たちの王として、救い主として受け入れることはしませんでした。それどころか、イエス様が自分たちの地位を脅かす存在だと考えて、イエス様を十字架にかけるように、ローマ総督ポンテオ・ピラトに訴え、群衆を扇動しました。
ヨハネの福音書1章12〜13節
12 しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。
13 この人々は、血によってではなく、肉の欲求や人の意欲によってでもなく、ただ、神によって生まれたのである。
(新改訳第三版)
イエス様は、イスラエルの民のもとに約束された王、救い主として来られたにもかかわらず、イスラエルの民は、イエス様を迎えませんでした。しかし、イスラエルの民すべてがイエス様を受け入れなかったわけではありません。イエス様を救い主と信じて受け入れた人たちも大勢いました。イエス様は、その人たちに、神様の子どもとされる特権をお与えくださいました。人間は、父親と母親を通して、肉体を持って生まれてきます。ただ、すべての人は、最初の人であるアダムが犯した罪のため、罪の性質を持って生まれてきます。ですから、神様を知ることもなく、自分勝手に生きようとします。普段の生活の中で、自分が正しいと思うこと、自分がやりたいと思うことをします。それでも、神様が与えてくださったいのちですから、私たち人間には神様の御心である良心が働きます。しかし、人間はその良心に逆らって、悪いことをしてしまったり、良いことをしたいと思っているのに、なぜか良いことができず、人を傷つけてしまい、自分自身にもいやな思いを持つようになってしまいます。そのような、罪に汚れた性質を、イエス様は新しく造り変え、神様の子どもとして生まれ変わらせてくださいました。
ヨハネの福音書1章12節
この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、
神の子どもとされる特権をお与えになった。
この福音書はイエス様の弟子であるヨハネによって書かれました。ヨハネは、イエス様と一緒に生活し、イエス様から学び、イエス様こそまことの神様であり、すべての人の救い主であるということを知りました。そして、自分自身も神様の子どもにしていただくという特権を与えられ、他にも多くの人がこの特権に与って、新しい人生を歩んだことを目撃しました。当時は、ローマの支配下ですから、安全な時代とは言えない時代でした。しかし、イエス様を信じて神様の子どもとされる特権を与えられた人たちは、イエス様が十字架で死なれた後、三日目によみがえられたように、神様の子どもとされた人たちも、たとえこの世で肉体は死んでも、天国で永遠に生きることができる希望、そして、栄光の身体でよみがえる希望を抱くことができました。そして、父なる神様の愛に満たされ、イエス様がいつも共に歩んでくださるという恵みを受けて、喜びと平安を持ち続けることができました。
2000年以上の間、多くの人が受け取った特権は、ひとびとに失われることがない希望と平安を与えました。そして、この特権は時代を超え、私たちにも与えられています。私たちも、クリスマスに与えられたイエス様を救い主と信じて心に迎え入れ、神様の子どもとされる特権を受け取り、愛と恵みに溢れた新しい人生を歩ませていただきましょう。