2022年11月13日「家族の救いを願って」木下淳夫 師

タイトル家族の救いを願って
聖書使徒16:25~34
説教者木下淳夫師

 教会では先に天国にお召されになった兄弟姉妹のことを覚えて、神様を礼拝します。この後、お墓にも参りますが、そこでも亡くなった方を拝むのではなく、亡くなった方を天国に召してくださった神様を崇めます。それは、この地上の生涯を終えた兄弟姉妹は、神様のみもとで生きておられ、神様を崇めておられるからです。ですから、この地上での出会いをくださり、すてきな思い出をくださった神様を、場所は異なりますが、一緒に心を合わせて礼拝します。

 今日は、天国で神様を礼拝している兄弟姉妹が、この地上の生涯で願っておられた「家族の救い」をテーマに、ご一緒に聖書のみことばから学ばせていただきたいと願っています。

使徒の働き 16章25〜34節

25 真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ賛美の歌を歌っていると、ほかの囚人たちも聞き入っていた。

26 ところが突然、大地震が起こって、獄舎の土台が揺れ動き、たちまちとびらが全部あいて、みなの鎖が解けてしまった。

27 目を覚ました看守は、見ると、牢のとびらがあいているので、囚人たちが逃げてしまったものと思い、剣を抜いて自殺しようとした。

28 そこでパウロは大声で、「自害してはいけない。私たちはみなここにいる」と叫んだ。

29 看守はあかりを取り、駆け込んで来て、パウロとシラスとの前に震えながらひれ伏した。

30 そして、ふたりを外に連れ出して「先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか」と言った。

31 ふたりは、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と言った。

32 そして、彼とその家の者全部に主のことばを語った。

33 看守は、その夜、時を移さず、ふたりを引き取り、その打ち傷を洗った。そして、そのあとですぐ、彼とその家の者全部がバプテスマを受けた。

34 それから、ふたりをその家に案内して、食事のもてなしをし、全家族そろって神を信じたことを心から喜んだ。

(新改訳第三版)

 使徒の働きは、イエス・キリストの弟子たちの中でも、特別に選ばれイエス様から権威を授けられた使徒たちが、どのように福音を宣べ伝えたのかということが記されています。

 使徒パウロと同労者のシラスは、ピリピの町で福音を宣べ伝えました。福音とは、イエス様がまことの神様であり、私たちの救い主であるということ、そして、イエス様が私たちの罪をすべてご自身の身に負ってくださり、十字架で私たちが受けるべき罪の罰を受けて死んでくださり、墓に葬られてから三日目によみがえられたことを信じるなら、だれでも罪が赦され永遠のいのちを受けるということです。

 ところが、パウロとシラスをよく思わない人の策略で、彼らは不当に捕らえられ牢屋に入れられてしまいました。しかし、パウロとシラスは牢屋に入れられても、まことの神様を崇め、賛美の歌を歌っていました。すると、大地震が起こり、牢屋のすべての扉が開き、囚人たちにかけられていた鎖も解けてしまいまいた。

 パウロたちを見張るように命じられていた看守は、暗い中ではありましたが、牢屋の扉が開いているのを知って、囚人がみんな脱走してしまったと思い、責任を感じて自害しようとしました。その様子を知ったパウロは大声で、「自害してはいけない。私たちはみなここにいる」と叫んで、看守が自害するのを思い止まらせました。

 看守は、パウロとシラスを外に連れ出して、「先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか」と尋ねました。二人は、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と答えました。その言葉を聞いて、看守は家族と一緒にイエス様を救い主と信じて、バプテスマを受けました。看守は絶望の中から救われ、家族全員が神様を信じて新しく生きるものになったことを喜びました。

 イエス様を信じて教会で信仰生活を続けられた信徒のほとんどが、自分だけではなく愛する家族が救われるようにと願っておられ、そのような信徒の方たちの多くが、握っていたみことばが、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」です。先にお召されになった兄弟姉妹は、このみことばを信じて、愛する家族も罪赦され、天国で再会することができるという希望を持って、神様にお祈りし信仰を守り続けておられました。ですから、今、みなさんがこの記念礼拝に集って、神様を崇め礼拝していることを、とても喜んでおられると思います。

 この教会の兄弟姉妹は、ご家族そろって信徒であった方は、ほとんどいません。それでも、この世の生涯が終わるまで、イエス様を信じて、イエス様に従う信仰生活を続けられたのは、自分が神様の祝福をいただく喜びはもちろん、それと同じくらい、いやそれ以上に愛するご家族がそろって神様を信じることを願っておられたことでしょう。

 それは、イエス様がご自分のいのちを十字架で捨てるほどに、私たちを愛してくださったことと同じです。神様の愛は、私たちを救ってくださいます。不当に捕らえられたパウロとシラスが、困難な中でも絶望することなく、人を恨むこともなく、ただ神様を崇め賛美の歌を歌ったように、神様はご自身を信じ従う人に、他の人を赦す愛、また、希望と力を与えてくださいます。絶望した看守を救ってくださったように、主イエス・キリストを信じる信仰は、その人の人生を暗闇から光に変えてくださいます。

 愛する家族のことを思い、祈り続けてくれたご家族や友人のことを覚えて、私たちも主イエスを救い主と信じて、天国で愛する人との再会を待ち望みたいと願います。

使徒の働き16章31節

「主イエスを信じなさい。

 そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」

(新改訳第三版)