タイトル | ただ一つの救い |
聖書 | イザヤ43:10~13 |
説教者 | 木下淳夫師 |
今日は、「ただ一つの救い」というテーマです。
日本ではたくさんの宗教があり、多くの人はそれらの宗教に対してとても寛容です。そして、信仰を登山にたとえて、登り方はいろいろあっても、目指す頂上が一つであるように、どの宗教を信仰しても、たどり着くところは同じだと考える人もいます。しかし、聖書は私たち人間が、永遠の滅びから救われ天国に行くことができる道は、ただ一つ、救い主イエス・キリストを信じることだと教えています。
今日は、このただ一つの救いについて学び、私たちがなすべきこと確かめたいと願っています。
イザヤ書 43章10〜11節
10 あなたがたはわたしの証人、
―主の御告げ―
わたしが選んだわたしのしもべである。
これは、あなたがたが知って、わたしを信じ、
わたしがその者であることを悟るためだ。
わたしより先に造られた神はなく、
わたしより後にもない。
11 わたし、このわたしが、主であって、
わたしのほかに救い主はいない。
(新改訳第三版)
主はイスラエルに対して、あなたがたはわたしの証人であるとおっしゃいました。イスラエルは、主に選ばれたしもべとして、この世界中に主こそまことの神様であることを証しする使命が与えられていました。
現代も当時も、人間社会には多くの神々が礼拝の対象になっていました。しかし、主はまことの神様であり、この世界を創造してくださったお方です。ですから、主の前に存在する神などありません。また、まことの神様は唯一ですから、主の後に神様が存在することもありません。
私たち人間にはイメージしづらいのですが、主は目に見える物質世界だけでなく、時間も創造されたお方ですから、主がおられなければ、この世の初めもなく終わりもありません。主は時間を支配しておられるお方です。だから、主は時間すらも超越した永遠のお方だということができます。
主はそのように他の神々とは異なった圧倒的な力を持っておられるお方ですが、ここではご自身のことを救い主と宣言しておられます。愛するしもべ、愛する民が苦しみに会う中、主は彼らを見捨てることなく、救い出すことがおできになる神様であるとおっしゃいました。ソロモン王の時代に繁栄を極めたイスラエルでしたが、その後周囲の国々の影響を受けて偶像礼拝に陥り、主に対する信仰が弱っていきました。そのため、イスラエルは苦しい状況に陥ると、主により頼むのではなく、大国の武力を頼りにしました。そのようなイスラエルに、主は、「わたし、このわたしが、主であって、わたしのほかに救い主はいない。」とおっしゃいました。
イザヤ書 43章12〜13節
12 このわたしが、告げ、救い、聞かせたのだ。
あなたがたのうちに、異なる神はなかった。
だから、あなたがたはわたしの証人。
―主の御告げ―わたしは神だ。
13 これから後もわたしは神だ。
わたしの手から救い出せる者はなく、
わたしが事を行えば、
だれがそれを戻しえよう。」
(新改訳第三版)
主はもう一度、イスラエルの民に対して、「あなたがたはわたしの証人」とおっしゃいました。そして、「わたしは神だ」と強調し、イスラエルに対し、まことの神様がおられること、そしてそのまことの神様である主こそ、イスラエルの救い主、全人類の救い主であることを証しするように命じておられます。
イスラエルは、主に対して背を向け、異なる神々を礼拝したために、さばきを受けることになったのですが、主はそのような困難を通して、彼らのうちから偶像礼拝を取り除き、主への信仰を回復させ、主こそまことの神様であることを知り、主を信じ、主こそ自分たちを愛しておられる神様、自分たちがより頼み従うべきお方であることを悟るようにされました。そして、彼らをきよめて主のしもべとして、主の証人として、全世界に救いの福音を伝えることを命じられました。
主はイスラエルを救われたお方です。たとえイスラエルがこの世の誘惑に負けて、主を離れそうになったとしても、主は決して彼らを見捨てることはありません。主は愛する子どもたちの手を握ってくださり、誰にも彼らを渡すようなことはなさいません。また、さばきを受けて苦しんでいる民が悔い改めたなら、どのような状況からでも救い出してくださいます。主が救い出してくださるなら、だれもそれを止めることはできません。
今日、教えられたように、主は初めにイスラエルの民をお選びになり、ご自身の証人とされました。それは、全世界の人々が、主こそ初めであり、終わりである永遠なる神様、主こそ救い主であることを知り、全ての人が永遠の滅びから救われることを願われたからです。そして、その主のご計画が、イエス様の十字架の死と復活を通して成就しました。私たちは、先に救いに与ったイスラエルの民、また、イエス様の弟子たち、さらに弟子たちによって建てられた教会の証しを通して福音が伝えられ、救いに与ることができました。今、主はわたしたちにも、「あなたがたはわたしの証人、わたしが選んだわたしのしもべである」とおっしゃいます。日本では、八百万の神々がいると言われていますが、その中で私たちがあかしすべきことは、主が語られた真理です。
イザヤ書 43章11節
11 わたし、このわたしが、主であって、
わたしのほかに救い主はいない。
(新改訳第三版)
このみことばをしっかりと握って、イエス・キリストのほかに、私たちを永遠の滅びから救い、天の御国へと導いてくださる救い主はいないということを、それぞれが遣わされたところで証ししてまいりましょう。私たちが主の働きをさせていただくなら、だれも止めることはできません。