2022年10月2日「主の栄誉を告げ知らせよ」木下淳夫 師

タイトル主の栄誉を告げ知らせよ
聖書イザヤ42:10~13
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは「主の栄誉を告げ知らせよ」です。

 日本では、キリスト教は外国の宗教のように考えて、自分とは関係がないと思っている方も多いようです。確かに、聖書は主がイスラエルの民をお選びになり、民が主に従う時には祝福があり、主に逆らい罪を犯す時にさばきが下るということが、歴史的な出来事を通して教えられています。しかし、聖書にはイスラエルの民だけでなく、すべての国の人々へのメッセージも数多く記されています。

 今日は、イザヤがすべての人の救い主イエス・キリストが遣わされるという約束をいただき、喜びに溢れて語った主への賛美をご一緒に学び、私たちも喜びと希望を持たせていただきたいと願っています。

イザヤ書 42章10〜12節

10 主に向かって新しい歌を歌え、

  その栄誉を地の果てから。

  海に下る者、そこを渡るすべての者、

  島々とそこに住む者よ。

11 荒野とその町々、

  ケダル人の住む村々よ。声をあげよ。

  セラに住む者は喜び歌え。

  山々の頂から声高らかに叫べ。

12 主に栄光を帰し、

  島々にその栄誉を告げ知らせよ。

(新改訳第三版)

 主は、ご自身のしもべである救い主イエス・キリストを、この世にお遣わしになるということを、預言者イザヤを通して語られました。この預言を聞いたイザヤと同じ時代に生きていた人たちは、すばらしい約束であることはわかるのですが、そのしもべが誰なのかわからないこともあり、それほど大喜びすることはなかったと考えられます。しかし、この主の約束のすばらしさをよく理解していた人がいます。それが、この預言のみことばを受け取ったイザヤです。イザヤは、その喜びをこの箇所で表しています。

 イスラエルの民は、主が大いなる恵みを施してくださったとき、その奇跡を喜び歌い、主をほめたたえました。モーセに率いられた民が紅海を渡り、エジプトから逃れることができた時、ミリアムが主をほめたたえて歌ったことは有名です。そして、イザヤは主が新しい事をすると約束してくださったことに対して、「新しい歌を歌え」と、主がこれからなしてくださる大いなる御技を確信して、喜び叫んでいます。そして、その喜びは、イスラエルの民だけのものではなく、全世界の人々に与えられるものですから、地の果て、海に下る者、そこを渡るすべての者、島々とそこに住む者、荒野とその町々、ケダル人の住む村々、セラに住む者と、民族も関係なく全世界の人々に、喜びの声を上げよと、呼びかけています。

イザヤ書 42章13節

13 主は勇士のようにいで立ち、

戦士のように激しく奮い立ち、

  ときの声をあげて叫び、

  敵に向かって威力を現す。

(新改訳第三版)

 イザヤは主の御声を聞いて語っているのですが、その預言が成就するときの幻も見ていたのでしょう。これまで、イザヤは多くの戦いを見てきました。イスラエルに攻めてくる敵、それを防ごうと懸命に戦う同胞の姿を見てきました。しかし、イザヤが見たであろう幻には、そのような人々とは比べ物にならないほど勇ましく、力強い主の姿がありました。主の御前ではどんな敵も討ち滅ぼされてしまうことが、その姿から容易に想像できました。

 それほど力あるお方が、霊的な暗闇に囚われている全世界の人々を救うために来てくださるという約束をいただいたイザヤは、喜びが満ち溢れて、心からの賛美を捧げ、すべての人々にこの喜びの知らせを伝えたいと願っていました。

 主がお遣わしくださる預言されたしもべであるイエス様は、霊的な目が閉ざされたためにまことの神様の御愛を知らず、的外れな生き方をして、自分自身を苦しめ、隣人を傷つけ、失望していたすべての人に、真理の光を与えてくださいました。そして、イエス様を信じるすべての人に永遠の命を約束してくださいました。

 そして、イエス様が再びこの地上に帰って来てくださる時、13節に記されているように、私たちを滅ぼそうとする敵に対して威力を現してくださり、完全な勝利を取ってくださいます。そして、神様の御愛による支配、永遠の平和を与えてくださいます。

 今はまだ混乱した、苦しみの多い世の中ではありますが、イザヤが主のみことばを喜んだように、私たちも救いの約束を大いに喜び、イエス様が約束してくださった福音を人々に宣べ伝え、再臨の主を待ち望みたいと願います。