2022年9月25日「暗闇からの解放」木下淳夫 師

タイトル暗闇からの解放
聖書イザヤ42:5~9
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは「暗闇からの解放」です。

 主は、イスラエルの民、また、全世界の人々に、忠実な主のしもべであるイエス様が遣わされ、この地に公義を打ち立てると約束してくださいました。そして、今日、ご一緒にお読みする箇所では、主がそのしもべに語りかけることばが記されています。

 今日は、このみことばから、主がイエス様をお遣わしになった目的を学び、現代の私たちに与えられている恵みを再確認したいと願っています。

イザヤ書 42章5節

5 天を造り出し、これを引き延べ、

 地とその産物を押し広め、

 その上の民に息を与え、

 この上を歩む者に霊を授けた神なる主は

 こう仰せられる。

(新改訳第三版)

 主が天地を創造し、人間に命を与えられたことが述べられています。また、人間には命の息だけでなく、神様と交わりを持つことができように、霊が与えられていることが記されています。ですから、すべての人は、神様の御声を聞くことができます。そして、主は、人々が主の御声を聞いて、自分の罪を認めて悔い改め、神様の御許に立ち返ることができるように、預言者イザヤを通して、救いの約束を伝えてくださいました。

イザヤ書 42章6〜7節

6 「わたし、主は、

 義をもってあなたを召し、

 あなたの手を握り、

 あなたを見守り、

 あなたを民の契約とし、国々の光とする。

7 こうして、見えない目を開き、

 囚人を牢獄から、

 やみの中に住む者を獄屋から連れ出す。

(新改訳第三版)

 主がご自身のしもべに語りかけるみことばが記されています。

 主のしもべは、主の義によって選ばれたしもべです。正しいさばきをくだす主に選ばれて遣わされるしもべは、遣わされたところで、主と同じように義を行います。そして、主はしもべを遣わしたのちも、一人で働きをさせることなく、手を握り、見守り続けることが約束されています。そして、しもべを民の契約とし、国々の光とするとおっしゃいました。

 これまで、主が人々に約束してくださったことは、律法を守ることによって、罪が赦され神の国に入ることができるということです。しかし、ほとんどの人は、この律法を守ることができず、律法によっていのちを得るどころが、自分の罪深さを思い知らされ、絶望することになっていました。

 そのような人間に、主は新しい契約として、主のしもべイエス様をお遣わしくださいました。そして、イエス様は十字架の死と復活によって、新しい契約を結んでくださり、この預言は成就されました。

 イエス様は、イスラエルの民だけでなく、全世界の民にとっても救いの光となってくださいました。それは、「見えない目を開き、囚人を牢獄から、やみの中に住む者を獄屋から連れ出す」ためです。バビロンから解放されたイスラエルの民、また、ローマの支配で苦しんでいたイスラエルの民は、文字どおり同胞が牢獄から解放され、イスラエルが自由を得ることを期待したと思います。しかし、イエス様は、盲人の目を開いてくださいましたが、囚人を牢獄から連れ出すことはなさいませんでした。イエス様が成就してくださったことからわかるように、この預言は、霊的な盲目、また、牢獄、暗闇を指しています。

 霊的な目が閉ざされ、まことの神様を見失った人々、光である神様から離れて霊的な暗闇に閉ざされてしまった人々を救い出す光として、イエス様はこの世に遣わされて来られました。

イザヤ書 42章8〜9節

8 わたしは主、これがわたしの名。

 わたしの栄光を他の者に、

 わたしの栄誉を刻んだ像どもに与えはしない。

9 先の事は、見よ、すでに起こった。

 新しい事を、わたしは告げよう。

 それが起こる前に、あなたがたに聞かせよう。」

(新改訳第三版)

 翻訳ではわかりづらいのですが、新改訳聖書で太字で書かれた「主」はヘブル語では、聖なる4文字で書かれた固有名詞です。おそらく「ヤハウェ」と発音すると考えられていますが、イスラエルの民は、主の御名を口にすることを避けるため、聖なる4文字を「主」という意味の「アドナイ」と発音したことから、翻訳も「主」と表記されています。

 主はこの地上の神々と呼ばれるものとは異なり、ご自身が天地を創造し、人間にいのちを与え、人間と交わりを持ち、暗闇から救い出すことができる唯一の存在であることを宣言しておられます。

 そして、すでに多くの預言を成就してくださった主は、今、新しいこと、イエス・キリストによる救いの約束を伝えてくださいました。

 私たちは、主の預言の成就を見ることができます。私たち自身が、預言の成就です。霊の目が閉ざされ、暗闇にとらわれて、死の恐怖から逃れることができず、希望を失っていた私たちに、イエス様は光となってくださり、救いの道を開いてくださいました。そして、イエス様はいまも私たちの光となって、真理を教えてくださり、混乱した世にあっていのちと祝福の道を私たちに示してくださいます。この救いの恵みを、私たちも受けています。ですから、他の刻んだ像を拝むことなく、私たちを愛してくださっている父なる神様に栄光をお返しし、主をほめ称えてまいりましょう