タイトル | 聖徒をささえる交わりの恵み |
聖書 | 2コリント8:1~7 |
説教者 | 木下淳夫師 |
コリント人への手紙第二8章1〜7節
今日は、「聖徒をささえる交わりの恵み」というテーマです。
今、新型コロナウイルスの感染拡大が終息しない中、ウクライナで戦争が起こり、私たちは今まで経験したことのない試練を迎えています。そのような時代だからこそ、互いにささえあうことを大切にし、希望を持って試練を乗り越えたいと願っています。
コリント人への手紙第二8章1〜5節
1 さて、兄弟たち。私たちは、マケドニヤの諸教会に与えられた神の恵みを、あなたがたに知らせようと思います。
2 苦しみゆえの激しい試練の中にあっても、彼らの満ちあふれる喜びは、その極度の貧しさにもかかわらず、あふれ出て、その惜しみなく施す富となったのです。
3 私はあかしします。彼らは自ら進んで、力に応じ、いや力以上にささげ、
4 聖徒たちをささえる交わりの恵みにあずかりたいと、熱心に私たちに願ったのです。
5 そして、私たちの期待以上に、神のみこころに従って、まず自分自身を主にささげ、また、私たちにもゆだねてくれました。
(新改訳第三版)
パウロはマケドニヤの教会の様子を、コリントの人たちに知らせています。マケドニヤの教会は、激しい試練の中にありました。その試練について具体的には書かれていませんが、経済的にも困窮していたことが、「極度の貧しさ」という言葉からわかります。ところが、マケドニヤの兄弟姉妹は、試練の中にありましたが、喜びに満ち溢れていました。そして、彼らの喜びは貧しいにもかかわらず、他の地域で困っている人々に惜しみなく施しました。
彼らは、決して強制されたから財産を提供したのではありません。自ら進んで、自分ができる範囲で精一杯ささげものをしました。パウロは彼らの生活がどれほど苦しいのかということを知っていました。ですから、パウロは彼らが喜んでささげる姿にとても感動しました。そして、彼らがそこまでささげる動機となっているのが、聖徒たちをささえる交わりの恵みにあずかりたいということです。試練の中では、自分のことだけで精一杯かもしれません。しかし、彼らはイエス・キリストの恵みをいただき、たとえこの世で試練に遭っても、必ずその苦しみは終わり、その後に天の御国に入ることができるという永遠の希望が与えられていることを喜び、イエス・キリストとともに生きることを第一としていました。だからこそ、彼らはイエス様の教えを守り、兄弟姉妹が互いに愛し合い、支え合うことを実践しました。それは、パウロたちが、マケドニヤの人たちを愛し、自分たちも貧しく激しい試練が続いても、彼らから騙し取ることもせず、愛を示し続けたことを通して、人々がキリストの愛を知ることができたからです。そして、今度は自分たちが他の兄弟姉妹に、愛を示すようになりました。
コリント人への手紙第二8章6〜7節
6 それで私たちは、テトスがすでにこの恵みのわざをあなたがたの間で始めていたのですから、それを完了させるよう彼に勧めたのです。
7 あなたがたは、すべてのことに、すなわち、信仰にも、ことばにも、知識にも、あらゆる熱心にも、私たちから出てあなたがたの間にある愛にも富んでいるように、この恵みのわざにも富むようになってください。
(新改訳第三版)
コリントの教会でも、困っている聖徒たちのためにささげものをしようという動きが、テトスによって始まっていました。その報告を聞いてパウロは、その素晴らしい働きを完了させるようにとテトスに勧め、再び彼をコリントに送りました。
もちろん、テトスを遣わしたのは、依然として解決していない問題がコリントにあったということもあります。しかし、パウロはテトスから聞いたコリントの兄弟姉妹の信仰、彼らが語ることば、彼らが学び蓄えているキリストに関する知識、あらゆることに怠けることのない熱心さ、パウロたちが伝えた愛にも富んでいることを喜んでいました。だからこそ、パウロは、彼らが始めた他の教会の兄弟姉妹のために施すという恵みのわざも、マケドニヤの兄弟姉妹のように、自分から進んで、喜んでささげ、聖徒たちをささえる交わりの恵みに与って欲しいと願っていました。
いま、私たちも試練の中にあります。また、日本は労働者の賃金が上がらず、多くの人は経済的に豊かとはいえません。しかし、マケドニヤの兄弟姉妹が、極度の貧しさにもかかわらず、自ら進んで、力に応じて、ある人は力以上にささげたことを思い出してください。その恵みのわざを実行した原動力が、満ち溢れる喜びであったことを覚えてください。マケドニヤの人たちに与えられた喜びは、コリントの人たちにも与えられ、彼らもすべてのことに富むようになりました。
私たちも、同じ喜びをいただいています。イエス・キリストが、私たちの罪をきよめてくださり、永遠のいのちを与えてくださるという、驚くべき恵みをいただきました。また、イエス様が世の終わりまでともにいてくださり、この世が与えるものとは異なる失われることのない平安を与えてくださいました。
コリント人への手紙第二8章7節
あなたがたは、すべてのことに、すなわち、信仰にも、ことばにも、知識にも、あらゆる熱心にも、私たちから出てあなたがたの間にある愛にも富んでいるように、この恵みのわざにも富むようになってください。
(新改訳第三版)
イエス様は、十字架の苦しみの中でも、母マリヤを気遣い、互いに愛し合うことの大切さを教えてくださいました。私たちも、イエス様の愛を受けたものとして、恵みのわざにも富むようになり、聖徒たちをささえる交わりの恵みに与らせていただきたいと願います。