2022年4月24日「惜しみなく与えよう」木下淳夫 師

タイトル惜しみなく与えよう
聖書2コリント9:8~12
説教者木下淳夫師

 今日は、「惜しみなく与えよう」というテーマです。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中の経済は大きなダメージを負いました。そのダメージが回復する前に、ロシアがウクライナに侵攻し、世界経済はさらに大きな危機を迎えています。もちろん、私たちの生活にも大きな影響が及んでいます。そのような、困難な時代だからこそ、献金を通して神様が約束してくださっていることを覚え、この危機を乗り越えたいと願っています。

コリント人への手紙第二 9章8〜10節

8 神は、あなたがたを、常にすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれる者とするために、あらゆる恵みをあふれるばかり与えることのできる方です。

9 「この人は散らして、貧しい人々に与えた。その義は永遠にとどまる。」と書いてあるとおりです。

10 蒔く人に種と食べるパンを備えてくださる方は、あなたがたにも蒔く種を備え、それをふやし、あなたがたの義の実を増し加えてくださいます。

(新改訳第三版)

 神様は、あらゆる恵みをあふれるばかり与えることがおできになります。そのように恵みを与えてくださるのは、神様の子どもたちが、すべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれる者になるためです。神様は、一人ひとりにふさわしい良い働きを備えてくださっています。しかし、何も持っていないなら、その良い働きをしたくてもできません。ですから、その働きを実践するために必要な賜物も、神様は与えてくださいます。そのように、神様の子どもたちが、自分に与えられた賜物を用いて、良いわざを行い、その働きを通して、人々を救いに導くことを神様は願っておられます。

 貧しいエルサレム教会の信徒への献金を始めたコリントの兄弟姉妹ですが、苦しい生活をしている人も多くいましたから、思うように献金を集めることができませんでした。しかし、パウロはその良い働きを全うできるように、詩篇112篇9節のみことばを引用して励ましています。新改訳聖書2017では、「彼は貧しい人々に惜しみなく分け与えた。彼の義は永遠にとどまる」と訳されている通り、「散らす」というのは、自分の財産をまき散らすということです。自分の財産を独り占めし、分け与えるのを惜しんでいたのでは、何も変わることがありません。しかし、愛を持って惜しみなく貧しい人々に分け与えるなら、その愛の行いを神様がご覧になって永遠に賞賛してくださいます。

 そのような良い行いをする人を、神様が苦しめることはなさいません。作物を育てる農家の人たちに、神様はその作物の種を与えてくださいます。その種によって農家の人たちは、仕事をすることができます。また、種だけではなく、自分たちの食べ物も備えてくださいます。それと同じように、エルサレムに献金をしようとする人たちに、神様は献金するための財産を与えてくださり、また、自分たちが生活するための必要も、与えてくださいます。そして、良い働きを通して、人々が救われ、また、神様の子どもとして、キリストの弟子として、成長するようになります。

コリント人への手紙第二 9章11〜12節

11 あなたがたは、あらゆる点で豊かになって、惜しみなく与えるようになり、それが私たちを通して、神への感謝を生み出すのです。

12 なぜなら、この奉仕のわざは、聖徒たち必要を十分に満たすばかりでなく、神への多くの感謝を通して、満ちあふれるようになるからです。

(新改訳第三版)

 コリントの人たちは、自分たちも貧しいので、ほかの誰かに献金するということは無理だと感じたのでしょう。しかし、パウロは、コリントの兄弟姉妹が、愛を持ってエルサレムのために献金を集めようとしたこと、また、神様が彼らの志を喜んでおられることも知っていました。ですから、彼らが自分を第一にして、愛を失い、また、信仰を失ってしまうことがないように、父なる神様が、あらゆる点で豊かにしてくださることを覚えて、惜しみなく貧しい人々に分け与えるように、励ましています。その結果、神様が生きておられること、自分たちをも見捨てることなく、すべてにおいて良い実を増し加えてくださることを体験して、神様に感謝するようになることを、パウロは願っていました。

12節 なぜなら、この奉仕のわざは、聖徒たち必要を十分に満たすばかりでなく、神への多くの感謝を通して、満ちあふれるようになるからです。

 神様の恵みに応答し、信仰を持ってささげられる献金は、今困っている人の必要を満たすためだけのものではありません。その感謝をもってささげる愛の行いによって、ささげる一人ひとりも、あらゆる点で神様の恵みによって、経済的にも霊的にも豊かにされて成長し、さらに多くの人々の救いや、信仰の成長につながります。そのように、感謝の献金を通して神様の恵みが、全世界に広がっていきます。

 私たちがささげる献金も、ささげるその時には財布の中身が減りますが、神様は私たちの信仰をご覧くださり、つねにすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざを行うことができるように、経済的にも、知恵においても力においても豊かにしてくださり、神様への感謝が満ち溢れるようになります。

 全世界的に、経済状態が悪化している現代ですが、その中でも変わることなく私たちに恵みを与えてくださる神様への感謝を、献金という形でも表していきたいと願います。