2021年2月7日「愛する人への勧め」木下淳夫 師

タイトル愛する人への勧め
聖書1ペテロ2:11~12
説教者木下淳夫師

 今日は、「愛する人への勧め」というテーマで、ペテロが教会の兄弟姉妹に勧めている大切なことを学ばせていただきます。

ペテロの手紙第一2章11〜12節

11 愛する者たちよ。あなたがたにお勧めします。旅人であり寄留者であるあなたがたは、たましいに戦いをいどむ肉の欲を遠ざけなさい。

12 異邦人の中にあって、りっぱにふるまいなさい。そうすれば、彼らは、何かのことであなたがたを悪人呼ばわりしていても、あなたがたのそのりっぱな行いを見て、おとずれの日に神をほめたたえるようになります。

(新改訳第三版)

 ペテロは、信徒をキリストから引き離そうとするこの世で、どのように信仰を持って生きるのかということを語っています。

 ペテロは、信徒たちに「愛する者たちよ」と呼びかけます。この呼びかけは人々から迫害されていた信徒たちにとって大きな慰めになります。試練の中にいると、「自分は誰からも愛されていない、必要とされていない、いないほうがいいのかもしれない」と、自分に対して悪いことばかりが浮かんできます。しかし、ペテロは、「愛する人たちよ」と、語りかけます。「わたしはあなたを愛している。あなたはわたしの目には高価で尊い」と語りかけています。そして、「そのような大切な人だからこそ、これから語る勧めを聞いて欲しい、きびしい勧めではあるけれども、わたしが共にいるから、いっしょに信仰を持ってこの試練を乗り越えて欲しい」と、願っています。もちろん、このことばは、この手紙を書いているペテロのことばですが、聖霊様がペテロを通して語っておられることであり、当時の信徒たちだけでなく、今聖書を読んでいる私たちに対しても語られているみことばです。

 ここでは、信徒は旅人であり、寄留者であるといっています。つまり、信徒はそれぞれの国、それぞれの町で生活していますが、信徒の身分は聖なる国民、神の所有とされた民です。ですから、人間はこの世ではそれぞれに国籍を持っていますが、聖なる国民とされた信徒は、永遠の国籍を天国に持っています。そのため、信徒はこの世にいるあいだ本籍地である天国を離れて旅をしている者であり、一時的に立ち寄った者であるということです。

 ペテロの勧めは、このすばらしい身分を忘れさせ、この世と調子を合わせて、悪を行わせようとする、肉の欲を遠ざけなさいということです。確かに、全く違った文化の中で生活することは難しいと思います。しかし、ペテロは「異邦人の中にあって、りっぱにふるまいなさい。」と命じています。この世から離れて、隠れ住むようにとは言っていません。

 なぜなら、終わりの時であり、また救いの時、恵みの時である時代において、主は一人でも多くの人を救いに導こうと願っておられるからです。信徒のりっぱな行いを通して、彼らを悪人呼ばわりしていた人たちが、主はまことの神様であり、人々を滅びから救ってくださるお方であることを知り、神様をほめたたえるようになることを願っておられるからです。

 私たちは、イエス・キリストを信じて従うことを選びました。そして、イエス様がいつくしみ深いお方であることを知りました。自分では価値がない、役に立たないと思える時でも、イエス様は私たちを「愛する友よ」と呼んでくださり、いつもそばにいて支えてくださいます。

 だからこそ、私たちは今この世で生きることができます。さまざまな悪い誘惑があっても、イエス様が教えてくださる正しい道を選ぶことができます。罪の奴隷として、自分がしたくない悪をする人が多い中でも、私たちはキリスト・イエス様にあって自由であり、りっぱなふるまいをすることができます。また、できるように聖霊様が助けてくださいます。

 今置かれている場所、また、置かれている環境は、すべて神様が私たちを信頼して送ってくださったところです。そこで、神様の子どもとして、イエス様の弟子として、人々に希望の光を伝えて欲しいと、神様は願っておられます。全世界的な試練に直面している今こそ、世界にキリストの光が必要な時です。愛の光が必要です。

マタイの福音書5章14〜16節

14 あなたがたは、世界の光です。山の上にある町は隠れる事ができません。

15 また、あかりをつけて、それを枡の下に置く者はありません。燭台の上に置きます。そうすれば、家にいる人々全部を照らします。

16 このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい。

(新改訳第三版)

 試練の時こそ、神様に贖われた聖なる者として、良い行い、りっぱなふるまいをして、この世を照らすまことの光であるイエス・キリストを人々に伝えてまいりましょう。