2020年8月30日「祝福の言葉」木下淳夫 師

タイトル祝福の言葉
聖書1コリント16:15-24
説教者木下淳夫師

 

 人に対して優しいことばをかけること、ねぎらいのことばをかけること、励ましのことばをかけること、それらは人を元気にします。そのような素晴らしいことばの中でも、祝福の言葉は、イエス・キリストを信じる信徒が、人々に与えることができる素晴らしい言葉です。祝福は神様から与えられます。ですから、神様から祝福を受けなければ、だれも人を祝福することができません。

 パウロは手紙の最後に、祝福の言葉を書き記しました。今日は、パウロが最後に書き送った言葉から、私たちも優しさ、励まし、そして、祝福をいただき、それを伝えるものになりたいと願っています。

コリント人への手紙第一16章15〜18節

15     兄弟たちよ。あなたがたに勧めます。ご承知のように、ステパナの家族は、アカヤの初穂であって、聖徒たちのために熱心に奉仕してくれました。

16     あなたがたは、このような人たちに、また、ともに働き、労しているすべての人たちに服従しなさい。

17     ステパナとポルトナトとアカイコが来たので、私は喜んでいます。なぜなら、彼らは、あなたがたの足りない分を補ってくれたからです。

18     彼らは、私の心をも、あなたがたの心をも安心させてくれました。このような人々の労をねぎらいなさい。

(新改訳第三版)

 パウロは、聖徒たちのために熱心に奉仕している兄弟姉妹に服従するように、また、その労をねぎらうように命じています。ここでは、ステパナの家族について触れられています。彼らはアカヤで最初に信仰を持った人たちです。そして、パウロと一緒に救いの恵みを他の人々にも伝え、後から救われた兄弟姉妹のために熱心に奉仕しました。そして、ステパナはポルトナト、アカイコと一緒にエペソにいたパウロを訪問して、コリントの現状を伝えました。

 ステパナの家族のように、教会のすべての信徒のために奉仕する人たち、また、ステパナの家族と一緒に働いてくれるすべての信徒に対して、教会の兄弟姉妹は服従し、心を一つにして主に従うことが命じられています。これは、他の信徒への優しさです。互いを優れた者と考えて優しい心を持つことの大切さを教えています。

コリント人への手紙第一16章19〜21節

19     アジヤの諸教会がよろしくと言っています。アクラとプリスカ、また彼らの家の教会が主にあって心から、あなたがたによろしくと言っています。

20     すべての兄弟たちが、あなたがたによろしくと言っています。聖なる口づけをもって、互いにあいさつをかわしなさい。

21     パウロが、自分の手であいさつを書きます。

(新改訳第三版)

 パウロは、手紙の終わりにアジヤの諸教会が、コリントの兄弟姉妹を覚えて祈ってくれていることを伝えています。また、アクラとプリスカ、彼らの家の教会、すべての教会が主にあって、コリントの信徒を覚えて愛し祈ってくれていると伝えています。

 人間はどうしても目に見えることを優先させてしまいます。ですから、教会というと、それぞれの地域教会を思い起こすのですが、教会は全世界にあるイエス・キリストを主と信じ従う兄弟姉妹の集まりであり、主にあってすべての地域教会は一つであることをコリントの兄弟姉妹にも思い起こさせ、堅く信仰に立つことを励ましています。

 私たち小さな教会も、目に見えことがすべてだとすると、この先とても厳しい状況で、希望を持てないかもしれません。しかし、教会は各地域の教会が孤立しているのではなく、主にあって互いに助け合い、支え合っていることを覚えるとき、自分たちも大切なキリストの体の部分であることを再確認できます。そうすると、小さな群れにも大切な働きがあることを再確認し、希望を持って主に従うことができます。

コリント人への手紙第一16章22〜24節

22     主を愛さない者はだれでも、のろわれよ。主よ、来てください。

23     主イエスの恵みが、あなたがたとともにありますように。

24     私の愛は、キリスト・イエスにあって、あなたがたすべての者とともにあります。アーメン。

(新改訳第三版)

 最後にパウロは祝福の言葉を記しています。

 主イエス・キリストを愛する人への祝福と、愛さない人へののろいの言葉です。そして、「主よ、来てください」という、再臨の約束を確信し、待ち望む信仰の言葉が述べられています。そして、コリントの兄弟姉妹に、主イエス・キリストの恵みがあるように祈っています。

そして、この手紙はかなり厳しいことが記されていましたが、パウロは彼らを愛しているからこそ厳しく接しているということを知ってほしいと願っていたのでしょう。最後に、パウロの愛がキリストにあって届くようにとの祈りが込められています。

 パウロがコリントの兄弟姉妹を祝福した言葉は、23〜24節です。

23     主イエスの恵みが、あなたがたとともにありますように。
24     私の愛は、キリスト・イエスにあって、あなたがたすべての者とともにあります。アーメン。

 私たちの主イエス様は、恵みを与えてくださるお方です。本当ならばさばきを受けなければならない私たちに対して、報いを受けることを何一つしていなかった私たちに対して、イエス様は恵みを施してくださいました。罪の中に死んでいた私たちに救いの手を差し伸べてくださいました。永遠のいのちを与えてくださいました。神様の子どもという身分を与えてくださいました。そして、聖霊様を与えてくださり、私たちを導いてくださっています。

 このイエス様の恵みがなければ、私たちは滅んでいました。また、救いに与った後も、イエス様の恵みがなければ、この世の誘惑に惑わされて正しい道を歩むことができません。ただ、イエス様の恵みによって、私たちは平安をいただくことができます。恵みによって、成長することができます。恵みによって、教会は一つになることができます。

 パウロが切に願った教会の一致、また、信徒の成長は、すべてイエス様の恵みによるものです。私たちもイエス様の恵みを求め続けましょう。そして、パウロの兄弟姉妹への愛も、一人ひとりがイエス様にとどまるとき、彼らはその愛を受け取ることができます。主にある兄弟姉妹は、決して孤独になることはありません。全世界の主にある兄弟姉妹が、キリスト・イエスにあって愛を注いでくれています。私たちが、イエス様にとどまるなら、神様の御愛を受け取り、兄弟姉妹の愛を受けることができます。また、私たちが遠く離れた所にいる兄弟姉妹を覚えて祈るとき、その愛はイエス様にあって、一人ひとりの心に届けられます。

 主にある交わりは私たちを強くしてくれます。私たちも主が与えてくださる祝福のみことばを受け取り、私たちからも、兄弟姉妹へ祝福を届けたいと願います。