タイトル | 成長を願うパウロ |
聖書 | 1コリント16:10-14 |
説教者 | 木下淳夫師 |
親は子どもの成長を願います。そのように、使徒パウロは、自分が福音を伝え、神様の子どもになった異邦人教会の信徒が、みことばによって成長することを願っていました。パウロは自分がコリントへ行くということを手紙に書きました。しかし、彼らに会いたいからコリントへ行くというわけではありません。もちろん、パウロはコリントの兄弟姉妹を愛していましたが、パウロは使徒として、指導者として彼らの成長のためにコリントへ行くことを願っていました。パウロは、兄弟姉妹を励まし、一人ひとりが主を愛し、主の恵みによって成長し、さらに、教会として主のために働く人たちを支えるようになってほしいと願っていました。
そのようなパウロの願いを覚えながら、今日の箇所を学び、私たちも信仰に堅く立った信徒として成長させていただきたいと願っています。
コリント人への手紙第一16章10〜12節
10 テモテがそちらへ行ったら、あなたがたのところで心配なく過ごせるよう心を配ってください。彼も、私と同じように、主のみわざに励んでいるからです。
11 だれも彼を軽んじてはいけません。彼を平安のうちに送り出して、私のところに来させてください。私は、彼が兄弟たちとともに来るのを待ち望んでいます。
12 兄弟アポロのことですが、兄弟たちといっしょにあなたがたのところへ行くように、私は強く彼に勧めました。しかし、彼は今、そちらへ行こうとは全然思っていません。しかし、機会があれば行くでしょう。
(新改訳第三版)
主のみわざに励んでいるテモテがコリントへ行ったなら、テモテに心を配るようにお願いしています。なぜなら、テモテは若い伝道者でしたから、コリントの信徒がテモテを軽んじるかもしれなかったからです。パウロは、テモテがコリントに行ったときにも、主にある働きを行うことができるように、コリントの兄弟姉妹にも協力を依頼しました。それは、テモテのためだけでなく、教会の信徒のためにもなるからです。
パウロは、アポロについても手紙で報告しています。アポロはコリントの教会で奉仕していた伝道者です。コリントの信徒の中には、「私はアポロにつく」と言っている人があることからわかるように、アポロがコリントに来ることを待ち望んでいる信徒もいました。パウロも、アポロが伝道者として優れた人物であることは認めていました。ですから、アポロにコリントへ行くことを強く勧めたのでしょう。しかし、アポロは今のところコリントに行く気が全くないということを伝えています。ただ、アポロも主にある同労者ですから、主がお遣わしになる機会があれば行くことになるということも書き加えています。パウロがアポロに働きかけるのも、コリントの信徒の成長を願っての行動です。
コリント人への手紙第一16章13〜14節
13 目を覚ましていなさい。堅く信仰に立ちなさい。男らしく、強くありなさい。
14 いっさいのことを愛をもって行いなさい。
(新改訳第三版)
パウロはさまざまな問題を抱えていたコリントの信徒に対して、彼らの間違いを指摘し、真理を教えて正しい信仰に立ち返るように彼らを戒め、導いてきました。そして、最後に彼らを励ます命令を与えています。
「目を覚ましていなさい。」と、主イエス様が再臨されることを忘れることなく、イエス様に従い続けるように命じています。
彼らがこの世の知識や常識を優先させて、主の御心から離れていました。ですから、「堅く信仰に立ちなさい。」と、彼らが何を生活の基礎にすべきかを再確認させています。
「男らしくありなさい」は、神様に作られた人間として、アダムに与えられた役割、また、女性はエバに与えられた役割を覚えて、秩序をもって家庭を治め、教会を建て上げ、社会を築き上げるように命じられています。
「強くありなさい」というのは、自分で鍛えて強くなるというよりも、神様の御力いただいて強くしていただくということです。
そして、パウロが神様が与えてくださるものの中で最も優れている愛をもってすべてのことを行うように命じています。
パウロは、教会の兄弟姉妹が、良い指導を受けて成長できるように、テモテのこと、アポロのことも手紙で伝えています。そして、自分は今彼らのそばにいないけれども、この手紙を通して、精一杯彼らを励まし続けています。
私たちも、この励ましをいただきましょう。私たちのところにもさまざまな指導者が与えられます。特にインターネットが急速に普及した今は、いつでも主のみことばを聞くことができます。その主のみわざに励んでいる指導者を軽んじることなく、良い働きができるように助け、また、私たちも遣わされた指導者を通してたくさんの恵みと平安をいただきましょう。
そして、イエス様から目を離さずに再臨を待ち望み、みことばを基準として生活し、自分に与えられた役割を忠実に行ってまいりましょう。そのために、主ご自身から御力をいただき、神様の愛を人々に伝えてまいりましょう。