2024年7月7日「イエス様の警告」木下淳夫 師

タイトルイエス様の警告
聖書ヨハネ8:21~8:27
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「イエス様の警告」です。

 この世の人たちは、自分が何をしているのかわからず、滅びに向かっていることに気付いていません。そのような人たちに、イエス様は、ご自身を信じなければ、罪の中で死ぬと警告されました。私たちもこの警告をしっかりと覚えて、いのちの道を歩ませていただきたいと願っています。

ヨハネの福音書8章21~24節

21 イエスはまた彼らに言われた。「わたしは去って行きます。あなたがたはわたしを捜すけれども、自分の罪の中で死にます。わたしが行く所に、あなたがたは来ることができません。」

22 そこで、ユダヤ人たちは言った。「あの人は『わたしが行く所に、あなたがたは来ることができない』と言うが、自殺するつもりなのか。」

23 それでイエスは彼らに言われた。「あなたがたが来たのは下からであり、わたしが来たのは上からです。あなたがたはこの世の者であり、わたしはこの世の者ではありません。

24 それでわたしは、あなたがたが自分の罪の中で死ぬと、あなたがたに言ったのです。もしあなたがたが、わたしのことを信じなければ、あなたがたは自分の罪の中で死ぬのです。」

(新改訳第三版)

 イエス様は、この地を去って行かれると言われました。イエス様は以前に、しばらくあなたがたといるけれども、やがてイエス様をお遣わしになった方のもとに行くので、パリサイ人たちはイエス様を見つけることができないとおっしゃいました。そのとき、パリサイ人たちは、イエス様がユダヤを離れて異邦人の地に行くと考えました。しかし、イエス様が「あなたがたは自分の罪の中で死にます」と、おっしゃったことから、去っていくということが死を意味していることだと、パリサイ人たちにもわかりました。ですから、彼らはイエス様に「自殺するつもりなのか」と言っています。

 彼らの反応に対して、イエス様はご自身が去って行かれる場所が天であるということを説明されます。パリサイ人たちは下から来た者であり、イエス様は上から来たとおっしゃいました。そして、パリサイ人たちはこの世の者であるけれど、イエス様はこの世の者ではないとおっしゃいました。もちろん、イエス様が「下」とおっしゃったのは「この世」のことであり、イエス様が「この世」ではない「上」つまり、天から来られたのだとおっしゃいました。だから、彼らは天国に来ることができず、罪の中で死ぬ、あるいは罪によって死ぬのだと、彼らに警告を与えられました。

すべての人間は、罪を持っています。その罪を赦していただかなければ、創造主である神様がさばきをくだし、永遠の死に定められます。その永遠の死からすべての人を救うために、イエス様は父なる神様から遣わされました。ですから、イエス様をまことの神様であると信じるなら、さばきを受けることがなく永遠のいのちを持つことができます。しかし、イエス様を信じないなら、自分が神様に対して犯した罪によって、罪の中で死ぬことになるとイエス様は警告しておられます。

ヨハネの福音書8章25~27節

25 そこで、彼らはイエスに言った。「あなたはだれですか。」イエスは言われた。「それは初めからわたしがあなたがたに話そうとしていることです。

26 わたしには、あなたがたについて言うべきこと、さばくべきことがたくさんあります。しかし、わたしを遣わした方は真実であって、わたしはその方から聞いたことをそのまま世に告げるのです。」

27 彼らは、イエスが父のことを語っておられたことを悟らなかった。

(新改訳第三版)

 パリサイ人たちは、イエス様がご自身を神様と等しいものとしておられるので、「お前はいったい何者なのだ」と尋ねています。もちろん、イエス様は、はじめからご自身が約束のキリストであると話していました。しかし、彼らは自分たちの考えに固執して、聞く耳を持とうとしませんでした。イエス様は、ユダヤの指導者である彼らが悔い改めてイエス様に聞き従わなければ、イスラエル民族としての救いがないことをご存じです。だからこそ、彼らにきびしくさばきの警告をされました。それは、父なる神様からの警告であることをイエス様は告げておられます。

 イエス様が、「わたしを信じなければ、自分の罪の中で死ぬことになる」とおっしゃいました。ただ、イエス様を信じるといわれても、何を信じればいいのかわかりづらいことも事実です。ですから、より原文に忠実に翻訳している新改訳聖書2017の訳をご覧ください。

ヨハネの福音書8章24節

「それで、あなたがたは自分の罪の中で死ぬと、あなたがたに言ったのです。わたしが『わたしはある』であることを信じなければ、あなたがたは、自分の罪の中で死ぬことになるからです。」

(新改訳2017)

 「『わたしはある』であることを信じなければ」と、訳されています。『わたしはある』は、出エジプト記で神様がご自身の名前として示された名前です。ですから、人間となっておられるイエス様が、天地創造の神様ご自身であることを信じること、そして、イエス様に従わなければ、罪の中で死ぬのだと警告されています。これは、パリサイ人たちに限ったことではなく、すべての人に向けられたことばです。イエス様は「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。」とおっしゃいました。

だからこそ、私たちはパリサイ人たちが、傲慢になって自分の考えに固執し、イエス様が語られることに耳を貸さず、さばきを受けることになってしまったことを覚え、同じ過ちを繰り返してはいけません。へりくだってイエス様をまことの神様であると信じて従うことです。そうするときに、イエス様が永遠のいのちを与えてくださり、真理を示してくださり、ご自身が道となってくださり、やがて父なる神様が備えてくださった神の国の家に住まわせていただくことができます。