2023年3月12日「仕事に身を入れて働こう」木下淳夫 師

タイトル仕事に身を入れて働こう
聖書1テサロニケ4:9〜12
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは「仕事に身を入れて働こう」です。

 皆さんは、普段色々な仕事をしておられること思います。今日、学びたいことは、神様が私たちに、いろいろな仕事をさせてくださるのは、私たちの生活のためだけではなく、成長させるために、また、この世の人への証のためであることを学ばせていただきたいと願っています。

テサロニケ人への手紙第一4章9〜10節

9 兄弟愛については、何も書き送る必要がありません。あなたがたこそ、互いに愛し合うことを神から教えられた人たちだからです。

10 実にマケドニヤ全土のすべての兄弟たちに対して、あなたがたはそれを実行しています。しかし、兄弟たち。あなたがたにお勧めします。どうか、さらにますますそうであってください。

(新改訳第三版)

 兄弟愛について、パウロは語っています。兄弟愛の特徴は、言葉や行動で表されるので、他の人たちから、好意を持っていることがわかるということです。テサロニケの信徒は、兄弟愛について教えられたことをしっかりと守り、実践していました。これはパウロが「あなたがたこそ、互いに愛し合うことを神から教えられた人たち」と言っていることから、テサロニケの信徒が命じられたことをしっかりと守って互いに愛し合っていたことがわかります。彼らの信仰から溢れ出る愛の行いは、マケドニヤ全土のすべての兄弟たちに対して実行されていました。ですから、パウロは「兄弟愛については、何も書き送る必要がありません。」と言っています。それでも、パウロはあえて「どうか、さらにますますそうであってください。」と、キリストの愛を持って、兄弟を愛し支えて欲しいと勧めています。なぜなら、彼らの愛の行い、兄弟愛を通して、キリストを知らない人たちが、主にある交わりのすばらしさ、さらに主の御愛、そして主ご自身を知るようになるからです。

テサロニケ人への手紙第一4章11〜12節

11 また、私たちが命じたように、落ち着いた生活をすることを志し、自分の仕事に身を入れ、自分の手で働きなさい。

12 外の人々に対してもりっぱにふるまうことができ、また乏しいことがないようにするためです。

(新改訳第三版)

 パウロはテサロニケの信徒に、神様の子どもとして互いに愛し合うこと、聖くなることを教えていました。それは、神様との関係における行いです。パウロは、この世の人たちとの関係における行いについても命じていました。この世と関わると言っても、この世の汚れと関わりを持つことではありません。汚れから離れながら、この世の人たちと関わるために、パウロはこの世での生活の仕方を教えています。それは、落ち着いた生活を志すこと、自分の仕事に身を入れ、自分の手で働くということです。その理由について、「外の人々に対してもりっぱにふるまうことができ、また乏しいことがないようにするためです。」と説明されています。

 このことからわかる通り、パウロは迫害されているテサロニケの信徒に対して、その場から逃げるように命じたり、敵対する者と戦うようにとは命じていません。イエス様が敵を愛し迫害する者のために祈るようにとおっしゃったように、パウロも迫害する者のために祈り、兄弟愛を示すことを通して、神様の愛が敵対している人にまで届き、その人が神様に立ち返ることを願っています。そのようなことはあるはずがないと思うかもしれませんが、パウロ自身が迫害者だったにもかかわらず、復活のイエス様に出会い、兄弟の愛によって、変えられた経験を持っていました。ですから、パウロは兄弟が互いに愛し合うことによって、どんな人でも救いに導かれると確信していました。

 また、人々が救われるためには、その人たちと同じ世界に生きる必要があることも、パウロは知っていました。ですから、この世の人々への証のためにも、落ち着いた生活をして、自分の手で働くことを命じていました。

 今日、私たちが覚えたいみことばは、11節です。

テサロニケ人への手紙第一4章11節

また、私たちが命じたように、落ち着いた生活をすることを志し、自分の仕事に身を入れ、自分の手で働きなさい。

(新改訳第三版)

 神様は、私たちをこの世から呼び出してくださいました。そして、神様の聖さの中に入れてくださいました。しかし、それは私たちの霊的な部分です。私たちの肉体は、まだこの世にとどまっています。ですから、この世にいる間、汚れを離れることが命じられていますが、この世の人から離れるように命じられているのではないことに注意しましょう。そして、私たちは、この世から全く別の生活をするように命じられているわけではないことも覚えなければなりません。信仰を持ったからと言って、すべての人が今の仕事をやめて、献身しなければならないわけではありません。今与えられている自分の仕事に身を入れ、自分の手で働くことです。これは、自分の生活が安定することはもちろんですが、誠実に働く姿を通して、まだイエス様を知らない人たちにも、良い証をすることになるからです。

 伝道することはむずかしいと感じている人がいるかもしれません。しかし、今日教えられたことは、すぐにでもできる証です。今、一人ひとりに与えられている仕事は、皆さんが与えられた賜物を通してキリストの愛を伝えるために、神様がお遣わしくださった場所、宣教地です。そのところで、神様への感謝と、イエス様の愛を覚えて働くとき、そこに聖霊様が働いてくださり、命の光を灯してくださいます。