2021年4月18日「長老と若い人への勧め」木下淳夫 師

タイトル長老と若い人への勧め
聖書1ペテロ5:1~5
説教者木下淳夫師

 今日は、ペテロが手紙を書いた教会の「長老と若い人たちへの勧め」を、ご一緒に学ばせていただきます。私たちも、日々みことばを聞いて学ばせていただいている、まだまだ信仰の若い人です。また、長老のように神様から選ばれた奉仕者です。ですから、それぞれの立場に立って、自分の今なすべきこと、また、教会として目指すべきことを学び、実践していきたいと願っています。

ペテロの手紙第一5章1〜4節

1 そこで、私は、あなたがたのうちの長老たちに、同じく長老のひとり、キリストの苦難の証人、また、やがて現れる栄光にあずかる者として、お勧めします。

2 あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、心を込めてそれをしなさい。

3 あなたがたは、その割り当てられている人たちを支配するのではなく、むしろ群れの模範となりなさい。

4 そうすれば、大牧者が現れるときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠を受けるのです。

(新改訳第三版)

 教会の長老たちにペテロは、同じ長老として勧めています。

2節の「神の羊の群れを、牧しなさい。」は、ペテロが、イエス様から命じられたみことばを思い出させます。ペテロは、使徒としてイエス様から直接受けたみことばを、次の世代に伝えていることがわかります。

 ここで命じられている大切なことは、長老という職務が、信徒に対して大きな権威を持っていること、また、神様に対して大きな責任があることを覚えることです。

 当時の長老は、信徒の選挙で選ばれたのではありません。神様からの召命です。また、神様から導かれた使徒たちが任命した人たちです。ですから、長老の職務を与えられた人たちは、神様に選ばれた人たちですから、神様に仕えているということを忘れてはいけません。

 神様への奉仕は、強制されてするものではありません。自分から進んでするものです。ですから、長老としての働きも、強制されてするのではなく、神様からいただいた恵みを感謝し、また、長老という働きのために与えられた知恵や力、財産などあらゆるものを感謝して、主のために奉仕することが求められています。また、長老は信徒に対して権威を持ちます。ですから、信徒から利得を得ることができるかもしれません。しかし、自分の立場を利用して、利得を求めるのではなく、主に従い心を込めて神の羊の群れを養うように注意されています。

3節      あなたがたは、その割り当てられている人たちを支配するのではなく、むしろ群れの模範となりなさい。

 この命令に、長老としての心構えが明確に表されています。かつてペテロたちも、イエス様の弟子として、誰が一番偉いのかと争っていました。しかし、イエス様は、弟子たちに「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。」(マタイ20:26〜27)とおっしゃいました。

 イエス様は、弟子たちに仕える者の模範を示されました。それを見てきたペテロも、長老たちに与えられた権威によって、信徒を支配するのではなく、イエス様に従う模範を示すように命じています。

 確かに長老に与えられた働きは大変です。しかし、ペテロが確信しているように、長老たちは、神様に選ばれたのですから、神様がお見捨てになることはありません。また、終わりの日には、必ず栄光を与えてくださいます。この栄光の希望を持って、神の羊である信徒たちを養い、次の世代にイエス様の御心を伝えていくことが、長老の大切な役目です。

ペテロの手紙第一5章5節

5 同じように、若い人たちよ。長老たちに従いなさい。みな互いに謙遜を身につけなさい。神は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられるからです。

(新改訳第三版)

 信仰を持って日が浅い人たちには、長老たちに従うように命じられています。この時代においても、信仰を持つ前に、たくさんの知識や技術、力を身につけて、人間の目には高く評価されるようになった人もいたと思います。しかし、それらのすばらしいことも、神様の許しの中で、その人に与えられたものであり、神様が与えてくださらなければ、手に入れることはできませんでした。そのことを知って、与えられた賜物を用いて神様と人とにお仕えするためには、長老たちの指導が必要になります。そのために、互いに謙遜になることが命じられています。なぜなら、神様は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられるからです。

 今日は、ペテロから、長老たちと若い人たちへの勧めを学びました。私たちも、自分で完全であると言える人はいないと思います。ですから、まずお互いに謙遜を身につけて、神様からの恵みをいただきましょう。そして、教会で奉仕をするとき、強制されてするのではなく、与えられた恵みに感謝して、神様が愛しておられる羊を養うという意識を持って、奉仕してまいりましょう。そのようなお互いに支え合う教会に、神様の恵みは豊かに注がれ、終わりの日にはしぼむことのない栄冠が与えられます。