2021年8月1日「イエス様は再び来られる」木下淳夫 師

タイトルイエス様は再び来られる
聖書ペテロの手紙第二 3:1~7
説教者木下淳夫師

 今日は、「イエス様は再び来られる」というテーマです。

 ペテロが手紙を書いた当時、偽教師たちが信徒を惑わすときに、「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。」と言ったように、イエス様の約束を疑わせることは、現代でも起こることですので、ペテロが第二の手紙を書き送って、信徒を励ましたことを覚えて、私たちも信仰をかたく持ちたいと願っています。

ペテロの手紙第二 3章1〜2節

1 愛する人たち。いま私がこの第二の手紙をあなたがたに書き送るのは、これらの手紙により、記憶を呼びさまさせて、あなたがたの純真な心を奮い立たせるためなのです。

2 それは、聖なる預言者たちによって前もって語られたみことばと、あなたがたの使徒たちが語った、主であり救い主である方の命令とを思い起こさせるためなのです。

(新改訳第三版)

 ペテロが第二の手紙を書いたのは、信徒たちが偽教師たちの偽りに惑わされないためです。彼らは使徒たちから、主であり救い主であるイエス様の命令を聞いていました。また、彼らは信仰を持つまでは、旧約聖書について学んでいなかったのですが、救いに与ってから、使徒たちや教師たちから旧約聖書についても学び、イエス様の約束のすばらしさ、また、命令を守ることの大切さを知るようになっていました。

 旧約聖書には、この世界の始まり、人間の創造について記されています。また、その人間が犯した罪、それにもかかわらず神様が救いの御手を差し伸べてくださったこと、アブラムを選びヘブル人を神の民とされたこと、モーセを通して、神の民に律法を与え、律法を守る者には祝福、守らない者に呪いがあると約束されたことなどが、歴史的な事実として記されています。ですから、旧約聖書を学ぶことによって、神様の約束が真実であり、みことばを理解して守ることの大切さを知ることができます。

 偽教師たちは、その大切な教えを無視して、自分勝手な教えを作り上げ、信徒を惑わせようとしますので、ペテロは信徒たちが最初に学んだ真理を思い起こさせようと、手紙を書き送っています。

ペテロの手紙第二 3章3~4節

3 まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、

4 次のように言うでしょう。「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」

(新改訳第三版)

 偽教師たちの偽りは、キリストの来臨はないと教えることです。キリストが再びこの地上に帰ってこられると、この地上ではさばきがくだります。ですから、人間はその時までに、自分の罪を認め、悔い改めてイエス・キリストを信じなければ、さばきを受けます。また、イエス様が来られた時、喜んでお迎えすることができるように、普段からイエス様の戒めを守ることが大切です。

 しかし、偽教師たちは、「キリストの再臨はないのだから、さばきもない。」として、主をあざけり、欲望に従った生活をし、信徒にも戒めを守らなくても問題ないと教え、キリストから人々の目を背けさせようとします。

 そのような偽りに対して、ペテロは旧約聖書に記されている事実に基づいて反論します。

ペテロの手紙第二3章5〜7節

5 こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち、天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、

6 当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。

7 しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。

(新改訳第三版)

 偽教師たちは、この世界は創造の初めから何も変わっていないのだから、これからも変わることがないと教えました。確かに、私たちが生きている間の数十年の間で、山々が海に沈んだり、海が干上がったり、太陽や月、星が天から消えるような出来事は起こっていません。だからと言って、この世界が、昔から変わっていない訳ではないということを、ペテロは聖書から教えています。この世界は神様のみことばによって、水から出て、水によって成り立ったのですが、ノアの時代、地上に悪が満ちたために、当時の世界はその水によって洪水に覆われて滅びました。

 そして、神様は再びこの地に不敬虔な者たちが満ち、最後のさばきと滅びの日に、火によって焼き滅ぼすと定めておられます。その時までは、この地は何も変化がないように見えますが、神様はノアの時代のように、悪に対してさばきをくだされることは定められたことであり、それまで神様が忍耐してくださっていることを忘れてはいけません。

 使徒たちは、イエス様が「わたしはすぐに来る」とおっしゃったことを直接聞いていたましたから、さばきがすぐになされるという緊張感がありました。しかし、それから何十年、何百年、何千年と経ってくると、本当にさばきはあるのか、キリストは再臨するのかと疑う人が現れてもおかしくありません。しかし、私たちはイエス様が、再びこの地上に帰ってこられると約束しておられるのですから、それを疑ってはいけません。みことばを守らず、自分の欲望に従って生活してはいけません。再臨はないという教えに惑わされないように注意し、再び来られるイエス様から、信仰の目を離さないようにして、主の再臨を待ち望んでまいりましょう。