2026年10月11日「閉じることがない門」木下淳夫 師

タイトル閉じることがない門
聖書黙示録 3:7~13
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「閉じることがない門」です。

 私たちは、さまざまなコミュニティに所属します。しかし、時としてその集まりに入りたくても、門が閉ざされて入ることができないこともあります。イエス様は、私たちに天国に入るための門を開いてくださったお方です。この恵みを、フィラデルフィアの教会に向けて語られたメッセージから再確認させていただき、神様の子どもとしての特権を感謝したいと願っています。

ヨハネの黙示録 3章7~13節

7 また、フィラデルフィアにある教会の御使いに書き送れ。『聖なる方、真実な方、ダビデの鍵を持っている方、彼が開くと、だれも閉じることがなく、彼が閉じると、だれも開くことがない。その方がこう言われる──。

8 わたしはあなたの行いを知っている。見よ。わたしは、だれも閉じることができない門を、あなたの前に開いておいた。あなたには少しばかりの力があって、わたしのことばを守り、わたしの名を否まなかったからである。

9 見よ。サタンの会衆に属する者、すなわち、ユダヤ人だと自称しているが、実はそうではなく、噓を言っている者たちに、わたしはこうする。見よ。彼らをあなたの足もとに来させてひれ伏させ、わたしがあなたを愛していることを知らせる。

10 あなたは忍耐についてのわたしのことばを守ったので、地上に住む者たちを試みるために全世界に来ようとしている試練の時には、わたしもあなたを守る。

11 わたしはすぐに来る。あなたは、自分の冠をだれにも奪われないように、持っているものをしっかり保ちなさい。

12 わたしは、勝利を得る者を、わたしの神の神殿の柱とする。彼はもはや決して外に出て行くことはない。わたしは彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、わたしの神のもとを出て天から下って来る新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを書き記す。

13 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。』

(新改訳2017)

 まず、当時のフィラデルフィアについて確認しておきます。この町は、現在のトルコにある町で、農業、特にぶどう栽培やワイン生産、羊毛業・亜麻織物・染色などの手工業が中心の町でした。ワイン生産が盛んな町ですから、この町では酒の神ディオニュソスが崇拝されていました。当然、この町でも商業組合があり、これらの神々の信仰と組合は密接に関係していました。

 また、紀元17年に発生した大地震によって甚大な被害を受けたこの町は、ローマ皇帝から多額の支援を受けて再建したこともあり、ローマ皇帝に忠実な町でもありました。ですから、ローマへの忠誠のしるしとして、町の名前を「ネオカエサリア」に改め、さらに後のフラヴィウス朝時代には「フラヴィア」と改名しました。また、サルディスほどではありませんが、ユダヤ人のコミュニティもありました。

 イエス様が、フィラデルフィアの教会に語られた自己紹介は、聖なる方、真実な方、ダビデの鍵を持っている方です。これは、イザヤ書22章22節「わたしは彼の肩にダビデの家の鍵を置く。彼が開けば、閉じる者はなく、彼が閉じれば、開く者はいない。」というみことばから引用されていると考えられます。ですから、フィラデルフィアの教会にいる信徒だけでなく、ユダヤ人たちに向けた強いメッセージだと言うことができます。これは、南ユダ王国において、当時の不誠実な宮内庁に代わり、誠実なエリアキムが、ダビデ王家の財政や宮殿の管理を任されたことが背景にあります。イエス様は、ご自身が永遠の王国である天国を管理し、誰を招き、誰を締め出すかを決定する権威を持っておられることを宣言しておられます。 

 当時のフィラデルフィアの信徒は、ユダヤ人たちから、また、商業組合からもその門戸が閉ざされ、信仰生活において、また、経済生活もきびしかったと言われています。しかし、イエス様は、彼らのことをご存じであり、人には締め出されたけれども、イエス様は彼らを招き入れると約束しておられます。

 ユダヤ人たちは自分たちこそ神の民だと自称して、クリスチャンを迫害していました。けれども、イエス様は彼らをひれ伏させるとおっしゃいました。そして、信徒たちが困難な状況にあっても忍耐して、みことばを守り通したので、地上に試練の時が来るときに、イエス様が信徒たちを守ると約束してくださいました。そして、イエス様はすぐに来られるので、その時まで自分が持っている信仰をしっかりと保ち続けるように命じ、彼らを励ましておられます。

 イエス様は、このように忠実にみことばを守り通した信徒を、神の神殿の柱、つまり、重要な人として迎え入れると約束しておられます。当時の信徒たちは、社会から締め出されましたが、天国ではだれも彼らを締め出すことはなく、彼らがイエス様に忠実だったしるしとして、父なる神様の御名と、新しいエルサレムの名と、イエス様の新しい名とを書き記すと約束してくださいました。

ヨハネの黙示録 3章8節

わたしはあなたの行いを知っている。
見よ。わたしは、だれも閉じることができない門を、あなたの前に開いておいた。
あなたには少しばかりの力があって、わたしのことばを守り、わたしの名を否まなかったからである。

(新改訳2017)

 フィラデルフィアの信徒は少しばかりの力があったとありますが、彼らの経済力、また信仰生活は、豊かではありませんでした。それでも、彼らは忍耐してみことばを守り続けました。その信仰をイエス様は知っておられました。

同じように、イエス様は、私たちの行いも知っておられます。みなさんがどのような悩みを持っておられるか、苦しみを抱えておられるか、すべてイエス様はご存じです。そして、苦しみにあってもイエス様に従い続けた人たちの前には、だれも閉じることがない門を開いてくださいます。この門を開いたり、閉ざしたりすることができるのは、聖なるお方、真実なお方であるイエス様だけです。ですから、当時のユダヤ人たちのように、イエス様から離れて、自分は神の民だと自称しても、門は閉ざされますので注意が必要です。

イエス様は、生まれつき目が見えなかった人をいやされました。彼がユダヤ人によって、イエス様を否むように迫られても、決してイエス様を否定しなかったため、彼は会堂を追放されました。そのとき、イエス様は彼のもとに来てご自身を現してくださいました。私たちに対しても、イエス様はみことばに聞き従うなら見捨てることはありません。天国の門を開いて招き入れ、私たちに勝利のしるしとしてご自身の新しい名前を書き記してくださいます。