2026年1月11日「真理とは何か」木下淳夫 師

タイトル真理とは何か
聖書ヨハネ18:26~40
説教者木下淳夫師

 今日のテーマは、「真理とは何か」です。

 イエス様は、ユダヤ人たちに捕らえられ、真夜中に行われた裁判で死刑に定められました。そして、夜が明けてから、ユダヤ人たちはイエス様をローマ総督であるポンテオ・ピラトの官邸に連行し、ローマによる裁判を求めました。今日は、ピラトによる裁判の中で、イエス様が語られた「真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。」というみことばを中心に、私たちも真理を知って、イエス様の御声に聞き従いたいと願っています。

ヨハネの福音書18章28~32節

28 さて、彼らはイエスを、カヤパのところから総督官邸に連れて行った。時は明け方であった。彼らは、過越の食事が食べられなくなることのないように、汚れを受けまいとして、官邸に入らなかった。

29 そこで、ピラトは彼らのところに出て来て言った。「あなたがたは、この人に対して何を告発するのですか。」

30 彼らはピラトに答えた。「もしこの人が悪いことをしていなかったら、私たちはこの人をあなたに引き渡しはしなかったでしょう。」

31 そこでピラトは彼らに言った。「あなたがたがこの人を引き取り、自分たちの律法に従ってさばきなさい。」ユダヤ人たちは彼に言った。「私たちには、だれを死刑にすることも許されてはいません。」

32 これは、ご自分がどのような死に方をされるのかを示して話されたイエスのことばが成就するためであった。

(新改訳第三版)

ユダヤ人たちはカヤパの所からピラトが滞在している官邸にイエス様を連行し、ローマによる裁判によってイエス様を死刑に定めるように要求しました。過越しの祭りにはユダヤ人たちが暴動を起こす危険性が高いと知っていたピラトは、できることなら面倒なことを引き受けたくはありませんでした。しかし、過越しの祭りが始まろうとしている早朝から、官邸に連れて来られたのが数日前にユダヤ人たちがイスラエルの王として歓迎したイエス様でしたから、なおさらピラトは彼らに関りあいたくはなかったと考えられます。

 実際、ピラトはユダヤ人たちに自分たちの律法に従ってさばくように命じています。それでも、ユダヤ人たちが、ピラトに裁判を開くように求めたのは、ローマの支配下にあった当時のユダヤ人には死刑を執行する権利が認められていなかったからです。ですから、イエス様を殺すためには、ローマの法によって死刑にするしかありませんでした。このように、ユダヤ人たちは、イエス様の声を聞いても、イエス様をキリストとして受け入れることをせず、自分たちの利益を優先させ、イエス様のいのちを奪うことを切望しました。

ヨハネの福音書18章33~40節

33 そこで、ピラトはもう一度官邸に入って、イエスを呼んで言った。「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」

34 イエスは答えられた。「あなたは、自分でそのことを言っているのですか。それともほかの人が、あなたにわたしのことを話したのですか。」

35 ピラトは答えた。「私はユダヤ人ではないでしょう。あなたの同国人と祭司長たちが、あなたを私に引き渡したのです。あなたは何をしたのですか。」

36 イエスは答えられた。「わたしの国はこの世のものではありません。もしこの世のものであったなら、わたしのしもべたちが、わたしをユダヤ人に渡さないように、戦ったことでしょう。しかし、事実、わたしの国はこの世のものではありません。」

37 そこでピラトはイエスに言った。「それでは、あなたは王なのですか。」イエスは答えられた。「わたしが王であることは、あなたが言うとおりです。わたしは、真理のあかしをするために生まれ、このことのために世に来たのです。真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。」

38 ピラトはイエスに言った。「真理とは何ですか。」彼はこう言ってから、またユダヤ人たちのところに出て行って、彼らに言った。「私は、あの人には罪を認めません。

39 しかし、過越の祭りに、私があなたがたのためにひとりの者を釈放するのがならわしになっています。それで、あなたがたのために、ユダヤ人の王を釈放することにしましょうか。」

40 すると彼らはみな、また大声をあげて、「この人ではない。バラバだ」と言った。このバラバは強盗であった。

(新改訳第三版)

 イエス様とピラトのやり取りが記されています。ここでピラトは、イエス様がエルサレムの群衆によってユダヤ人の王として歓迎されたにもかかわらず、同胞のユダヤ人の指導者によって告訴されていることに疑問を持ちました。イエス様は、王であることは否定されませんでしたが、ご自分の国はこの世のものではないとおっしゃいました。そして、ご自身がユダヤ人の王としてイスラエルの民を救うために来られたのではなく、真理をあかしするためにこの世に来られたとおっしゃいました。しかし、ピラトには、その真理とは何かわかりませんでした。

 それでも、ピラトはイエス様が死にあたるような罪を犯していないことはわかったので、イエス様を釈放しようとして、強盗のバラバを引き出し、イエス様とバラバのどちらかを釈放すると提案しました。もちろん、ピラトはユダヤ人たちがイエス様を選ぶと思ったのですが、群衆はバラバを選び、イエス様を十字架につけるように要求しました。

ヨハネの福音書18章37節

真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。

(新改訳第三版)

 ピラトは真理とは何かをイエス様に尋ねました。この質問はとても重要なことです。なぜなら、イエス様が真理をあかしするために生まれ、この世に来られたからです。イエス様のことをいろいろ調べて知っていたとしても、イエス様がこの世に来られた最も大切な目的を知らなければ、イエス様を知っているとは言えません。ですから、私たちは、イエス様が証してくださった真理を理解し、イエス様が証してくださった真理を受け取る必要があります。

 イエス様が教えてくださった真理とは、主のみことばであり、また、イエス様ご自身です。

ヨハネの福音書14章6節

イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。

(新改訳第三版)

ヨハネの福音書17章17節

真理によって彼らを聖め別ってください。あなたのみことばは真理です。

(新改訳第三版)

イエス様が真理をあかしするために人間としてこの世に来てくださったのは、この世に真理がないからです。真理がないのは、この世が偽りの父である悪魔によって支配されているからです。その悪魔の支配から、すべての人を救うためにイエス様はこの世に人となって来てくださいました。すべての人を父なる神様の御許に導くために、イエス様はご自身が父なる神様によって遣わされた救い主であることを証し、また、救いのみことばを語ってくださいました。そして、ご自身が救いの道となるために、すべての人の罪を背負って十字架でいのちを捨て、罪の贖いを完了させてくださいました。 

 イエス様がお受けになった裁判からわかるように、当時のユダヤ人たち、またローマ人たちの多くは、真理であるイエス様を受け入れませんでした。真理に属することなく偽りに属し、いのちを得るのではなく永遠の死に定められてしまいました。

皆さんは、イエス様のみことばに聞き従っているでしょうか?真理に属しているでしょうか?悪魔の支配から、また、罪の汚れから離れて、イエス様に属する者になっているでしょうか?今日、真理とは何かということを学んでいます。しかし、それは知識として真理がイエス様ご自身であり、また、主のみことばであるということを覚えるためではありません。一人ひとりが信仰によって応答し、真理に属する者になるためです。自分の罪を悔い改めて、王の王であるイエス様が、私たちを救うためにこの世に来てくださったことを、信仰をもって受け入れましょう。そして、真理に属する者として、イエス様のみことばに聞き従い、神様を愛し、隣人を愛して歩んでまいりましょう。