2024年7月28日「何に聞き従っていますか」木下淳夫 師

タイトル何に聞き従っていますか
聖書ヨハネ8:39~47
説教者木下淳夫師

ヨハネの福音書8章39~47節

 今日は、「何に聞き従っていますか」というテーマです。

 近年、教会において聖書の教えよりも、人間の思想や価値観を優先するような動きがあるそうです。そのような流れは、気づかないうちに私たちにも影響を与えます。ですから、私たちも何に聞き従っているのか、何を第一にしているのか、自分を振り返って、神様に喜ばれる道を歩みたいと願っています。

ヨハネの福音書8章39~43節

39 彼らは答えて言った。「私たちの父はアブラハムです。」イエスは彼らに言われた。「あなたがたがアブラハムの子どもなら、アブラハムのわざを行いなさい。

40 ところが今あなたがたは、神から聞いた真理をあなたがたに話しているこのわたしを、殺そうとしています。アブラハムはそのようなことはしなかったのです。

41 あなたがたは、あなたがたの父のわざを行っています。」

彼らは言った。「私たちは不品行によって生まれた者ではありません。私たちにはひとりの父、神があります。」

42 イエスは言われた。「神がもしあなたがたの父であるなら、あなたがたはわたしを愛するはずです。なぜなら、わたしは神から出て来てここにいるからです。わたしは自分で来たのではなく、神がわたしを遣わしたのです。

43 あなたがたは、なぜわたしの話していることがわからないのでしょう。それは、あなたがたがわたしのことばに耳を傾けることができないからです。

(新改訳第三版)

 イエス様は、ユダヤ人の指導者たちが、神様から遣わされたイエス様を殺そうとしていることを指摘しました。彼らがイエス様を殺そうとするのは、彼らが神様のみことばではなく、人間の言葉を第一にしているからです。彼らが神様を愛すると言いながら、人からの栄誉を愛しているからです。イエス様はユダヤ人たちに、「あなたがたは、あなたがたの父から示されたことを行うのです」とおっしゃいました。これは、彼らの父祖たちが、神様から遣わされた預言者たちを迫害し、殺してきたように、彼らもイエス様を殺そうとしていることを指しています。ところが、ユダヤ人たちは、「私たちの父はアブラハムです」と言って、自分たちが神の民であることを主張しています。

 その主張に対しても、イエス様は、「あなたがたがアブラハムの子どもなら、アブラハムのわざを行いなさい。」と、おっしゃいました。アブラハムは、神様のみことばを聞いたなら、そのみことばに忠実に従いました。そのように、彼らが、イエス様が語られる真理のみことばに聞き従うように、イエス様は命じられました。

 それでも、ユダヤ人の指導者たちは、自分たちは神の民であるということを主張して、「私たちにはひとりの父、神があります」と言って、あくまでイエス様が語られるみことばに聞き従おうとしませんでした。そのようなユダヤ人たちに対してイエス様は、「神がもしあなたがたの父であるなら、あなたがたはわたしを愛するはずです。なぜなら、わたしは神から出て来てここにいるからです。」とおっしゃいました。このように、イエス様とユダヤ人たちの議論は、どこまで行ってもかみ合うことがありませんでした。イエス様がどんなに説明しても、彼らは、そのみことばを知ることができませんでした。なぜなら、ユダヤ人たちは、イエス様が語られることに、耳を傾けることができないからです。彼らがイエス様の声に耳を傾けることができない理由は次の通りです。

ヨハネの福音書3章44~47節

44 あなたがたは、あなたがたの父である悪魔から出た者であって、あなたがたの父の欲望を成し遂げたいと願っているのです。悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。彼のうちには真理がないからです。彼が偽りを言うときは、自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また偽りの父であるからです。

45 しかし、このわたしは真理を話しているために、あなたがたはわたしを信じません。

46 あなたがたのうちだれか、わたしに罪があると責める者がいますか。わたしが真理を話しているなら、なぜわたしを信じないのですか。

47 神から出た者は、神のことばに聞き従います。ですから、あなたがたが聞き従わないのは、あなたがたが神から出た者でないからです。」

(新改訳第三版)

 ユダヤ人たちは、自分たちの父は神である、自分たちは神様から生まれた者であると考えていましたが、その行いは神の民からかけ離れていました。イエス様は彼らの父は悪魔であるときびしく非難されました。彼らの父は悪魔であるというのは、彼らの性質が悪魔と同じであるという意味です。彼らが悪魔の性質である中傷する者だとイエス様はおっしゃいました。つまり、彼らは根拠のないことを言いふらし、真理に逆らう偽りによって人を傷つける者だということです。彼らがイエス様に聞き従わず、イエス様を殺そうとするのは、悪魔が企んでいることであり、彼らは悪魔が企んでいることを実行しようとしていると、イエス様は指摘されました。悪魔は神様に敵対する存在です。真理である神様に敵対し、悪魔は偽りを言います。ですから、悪魔に従う者たちは、真理のみことばに耳を傾けることができません。みことばよりも、悪魔が吹き込む偽りを第一としてしまっているからです。このような理由から、イエス様は彼らがアブラハムの子でも、神の子でもなく、神様のみことばに聞き従わない、悪魔と同じ性質を持つ者であると、彼らを非難されました。

ヨハネの福音書8章47節

神から出た者は、神のことばに聞き従います。

(新改訳第三版)

 私たちは、神様のみことばに聞き従っているでしょうか?近年、聖書の価値観とこの世の価値観が対立するとき、聖書は古い書物だから間違いがあるとか、矛盾があると言って、この世の価値観、人間の考えを優先させる人が増えているそうです。もしも、聖書のみことばよりも、テレビなどのマスメディアからの情報や、人間の思想を第一とするなら、それは当時のユダヤ人たちと同じように、イエス様のみことばに耳を傾けることができません。

私たちは、イエス様を救い主と信じて神様の子どもにしていただきました。神様の子どもと言うことは、神様と同じ性質をもつものです。神様は真理を語るお方ですから、私たちも真理を語ります。真理を語るというのは、聖書のみことばを心に蓄えているということです。神様のみことばに耳を傾け、みことばに聞き従わなければ、みことばは心に蓄えられません。もしも、神様のみことばではなく、この世の価値観ばかりが口から出るようなら、自分が神様のみことばに耳を傾け、みことばに従っているのか顧みましょう。みことばに耳を傾けることができないようなら、もう一度、イエス様の十字架に立ち返ってください。初めの愛に立ち返ってください。そして、神様の子どもとして、神様を愛して、光の子どもらしく歩んでまいりましょう。