2020年12月20日「預言された希望の光」木下淳夫 師

預言者イザヤは、多くのみことばを主から与えられ、それを人々に伝え、またこのイザヤ書に書き記していました。その預言の中でも、メシア預言と呼ばれるみことばがいくつか含まれています。

　主がお選びになった特別な方をイスラエルの民はメシアと呼び、その方こそイスラエルを治める王の王であると考えていたので、メシアの到来を待ち望んでいました。イザヤはまだ見ていないメシアが、どのようなお方であるのかを主から示され、この預言書に書き記していました。

　今日は、メシアであるイエス様が四つの名前で表されていることから、イエス様のご性質を学び、イエス様に希望を持ちたいと願っています。

　イザヤの預言は、イスラエルの民に向けての預言です。ですから、イザヤが「私たちのために」というとき、まず「イスラエルのために」ということです。メシアは、イスラエルの民のために生まれる男の子です。成長して「メシアになる」のではなく、生まれた赤ちゃんのときから、「メシアである」方です。生まれたときから、この地を治める王としての主権が与えられています。そして、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれます。この呼び名から、メシアがどのような人物であるのかがわかります。メシアは人間の理解を超えた知恵をもって人々を導く助言者です。この地上に肉体を持って存在しているけれども天地を創造し、この世界を秩序をもって治めておられる力ある神様です。永遠の過去から、永遠の未来まで存在し、すべてを創造された父であるお方です。そして、平和の王あるいは王子であるお方です。あるいは、平和というヘブル語シャロームは、完全なものをあらわしますので、完全な神の御子という意味も含まれています。

　この呼び名から、メシアは、イスラエルの民に知恵を与えてくれる助言者ですが、すべての創造主であり、この世界を治めている力ある神様であること、そして、平和をもってこの世界を治める神の御子であることがわかります。

　メシアは平和に国を治めます。そして、ダビデに約束された王国を、さばきと正義によって永遠に堅く立て、支え続けます。

　このメシアによる統治は、人間の計画ではなく、万軍の主が計画されたことであり、主が必ず成し遂げられることです。

　このイザヤのメシア預言は、当時周囲の強国に脅かされていたイスラエルの民に希望を与えることばでした。しかし、このみことばをイザヤにお与えになった神様は、イザヤの思いを超えて、すべての時代の全世界の人々へのメッセージとして、救い主イエス・キリストがどのようなお方であるのかを明らかにしておられました。

　イエス様は、私たちのためにお生まれになったお方です。私たちに知恵を授け、正しい道を教えてくださるお方です。この世を治めておられるお方であり、人間には不可能なことも、その全能の御力によって、奇跡を起こされるお方です。今、私たちは経験したことがない困難な時代を過ごしています。しかし、預言されたメシア、預言されていた救い主イエス・キリストは、私たちの希望の光として、この世に来てくださり、今も永遠の父として私たちに御愛を注いでくださっています。そして、この世が与えるものとは異なる限りない平和を与えると約束してくださいました。

　預言された私たちへの希望の光であるイエス・キリストは、預言の通り2000年前のイスラエルに、赤ちゃんとしてお生まれになりました。そして、預言の通り、人々に不思議な助言者として道を示されました。また、さまざまな奇跡を通してイエス様が預言の通り力ある神であることをお示しになられました。そして、預言の通り、ご自身が父なる神様と一つであることをお示しになり、十字架の死と復活により、すべての人に罪の赦しを与え、永遠の平安、永遠のいのちを得させてくださると約束してくださいました。

　しかし、イエス様が王座について、とこしえまでご自身の王国を治められることは、まだ成就していません。つまり、この約束は、これから起こることです。私たちに与えられた希望です。イエス様が再びこの世に来てくださり、この預言を成就してくださいます。神様は、「万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」

と約束してくださいました。私たちは、イエス様を信じる信仰により、イエス様が治めてくださる神の国に入ることが約束されています。ですから、今から成就される希望の約束を固く握って、希望を持って主の再臨を待ち望んでまいりましょう。