2022年1月2日「信じて踏み出そう」木下淳夫 師

タイトル信じて踏み出そう
聖書マタイ14:22~33
説教者木下淳夫師

 2022年の初めに、神様が与えてくださったみことばは、マタイの福音書14章29節『イエスは「来なさい」といわれた。』です。このみことばがどのような文脈で語られたのか、ご一緒に確認してまいりましょう。

マタイの福音書14章22〜33節

22 それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗り込ませて、自分より先に向こう岸へ行かせ、その間に群衆を帰してしまわれた。

23 群衆を帰したあとで、祈るために、ひとりで山に登られた。夕方になったが、まだそこに、ひとりでおられた。

24 しかし、舟は、陸からもう何キロメートルも離れていたが、風が向かい風なので、波に悩まされていた。

25 すると、夜中の三時ごろ、イエスは湖の上を歩いて、彼らのところに行かれた。

26 弟子たちは、イエスが湖の上を歩いておられるのを見て、「あれは幽霊だ」と言って、おびえてしまい、恐ろしさのあまり、叫び声を上げた。

27 しかし、イエスはすぐに彼らに話しかけ、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。

28 すると、ペテロが答えて言った。「主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。」

29 イエスは「来なさい」と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。

30 ところが、風を見て、こわくなり、沈みかけたので叫び出し、「主よ。助けてください」と言った。

31 そこで、イエスはすぐに手を伸ばして、彼をつかんで言われた。「信仰の薄い人だな。なぜ疑うのか。」

32 そして、ふたりが舟に乗り移ると、風がやんだ。

33 そこで、舟の中にいた者たちは、イエスを拝んで、「確かにあなたは神の子です」と言った。

(新改訳第三版)

 イエス様は弟子たちを舟に乗り込ませて、先にガリラヤ湖の向こう岸へ行かせ、その間に食事をして満足していた男性の大人だけで5000人の群衆を帰されました。イエス様は、群衆を帰した後、祈るために山に登られました。

 弟子たちの乗った舟は、陸から何キロメートルも進んでいたのですが、波と風が強くなり、真夜中になっても進むことができず、弟子たちは真っ暗な湖の真ん中でもがき苦しんでいました。すると、夜中の3時頃、イエス様は湖の上を歩いて、彼らのところへ来られました。弟子たちは、それがイエス様だと気づきませんでした。彼らは、イエス様が来られたのに、「あれは幽霊だ」と言って、恐ろしさのあまり叫び声をあげました。

 その弟子たちにイエス様は「しっかりしなさい。わたしだ、恐れることはない」と声をかけてくださいました。そのイエス様の声を聞いて、ペテロは「主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。」と、お願いしました。そのペテロの願いに応えてイエス様は、「来なさい」と、みことばをくださいました。

 ですから、この「来なさい」というみことばは、人間にとって不可能なことでも、イエス様がみことばをくださるなら、できないことはないというペテロの信仰に、イエス様が応えてくださり、信仰を持って行動するように命じてくださったみことばです。そして、そのみことばをいただいたペテロは、イエス様のもとへ行くために、舟を出て荒れた湖の上を歩き始めました。

 しかし、ペテロは途中でイエス様から目を離し、風を見たためにこわくなり沈みかけました。イエス様は、沈みそうになったペテロを助けて、弟子たちが乗っていた舟に乗られました。すると、今まで吹き荒れていた風がやみ、弟子たちはイエス様が神の子であると確信しました。

 

 今日、私たちが覚えたいことは、二つあります。

 一つは、イエス様は、私たちが困難に直面して進むことができなくなったとしても、そばにいてくださるということです。イエス様は、嵐の中でも、私たちのそばに歩み寄ってくださり、「しっかりしなさい。わたしだ、恐れることはない」とおっしゃってくださいます。

 二つ目は、イエス様にみことばを求めるなら、イエス様は私たちの信仰をご覧になって、ふさわしいみことばを与えてくださるということです。ペテロの信仰をご覧になったイエス様が「来なさい」と、みことばをくださったように、イエス様は、私たちが願い求めるなら、みことばをくださいます。

 今年一年、一人ひとりに、チャレンジがあると思います。その時、私たちもイエス様に目を向けて、イエス様がくださるみことばを求め、イエス様が「来なさい」「信仰を持って行動しなさい」と命じてくださる御声を聞いて、信仰をもって一歩踏み出してまいりましょう。途中でこの世の波風が強くなり、こわくなるかもしれません。しかし、イエス様から目を話すことがなければ、沈むことはありません。この世に勝利してくださった神の御子イエス様が私たちのそばにいてくださり、私たちを支え導いてくださいます。