2021年11月7日「光が、やみの中から輝き出よ」木下淳夫 師

タイトル光が、やみの中から輝き出よ
聖書コリント人への手紙手紙第二 4:1~6
説教者木下淳夫師

 今日は、「光が、やみの中から輝き出よ」というテーマです。

 皆さんは、心が暗くなることはありませんか?イエス様を信じた人は、暗闇から光に移されます。ですから、救われた喜びで、心も輝くのですが、ときどき信仰を持っていても、輝きが失われることはないでしょうか?

 今日は、その原因を知って、私たちもパウロのように、人々に希望を与えるイエス様の輝きを伝える人にしていただきたいと願っています。

コリント人への手紙第二 4章1〜2節

1 こういうわけで、私たちは、あわれみを受けてこの務めに任じられているのですから、勇気を失うことなく、

2 恥ずべき隠された事を捨て、悪巧みに歩まず、神のことばを曲げず、真理を明らかにし、神の御前で自分自身をすべての人の良心に推薦しています。

(新改訳第三版)

 パウロは律法を守ろうとすればするほど、自分の罪深さを示され、自分が罪の奴隷になっていることを悟りました。そのようなパウロがイエス様に出会い、イエス様を救い主と信じて従うことによって聖霊を受け、自由を得ました。イエス様を迫害する者だったにもかかわらず、神様の憐れみによって使徒としての奉仕を与えられました。ですから、パウロはイエス様の大きな御愛を受けて使徒の務めに任じられているのだから、どんな状況でも勇気を失うことがなく、神様のみことばを曲げず、真理を語りました。また、人々がパウロのことばに耳を傾けることができるように、初めて訪れる場所でも、隠れて恥ずべきことをせず、悪巧みをすることなく、ただ神様の御前を歩み、行いを通して自分自身を人々に推薦しました。

コリント人への手紙第二 4章3〜4節

3 それでもなお私たちの福音におおいが掛かっているとしたら、それは、滅びる人々の場合に、おおいが掛かっているのです。

4 その場合、この世の神が不信者の思いをくらませて、神のかたちであるキリストの栄光にかかわる福音の光を輝かせないようにしているのです。

(新改訳第三版)

 パウロは、人々に対して言葉においても、行いにおいても、イエス様がなさったように神様を証し、神様の栄光を明らかにしました。それでも、福音を信じない人たちがありました。それは、パウロが神様の栄光を隠しているために、人々が福音を信じることができないのではなく、福音を拒否してしまう人たちの場合、彼らの目に、おおいが掛かっているのだと、パウロは教えています。そのおおいをかけているのは、自分自身ではありません。神様が真理を知らせないようにされたのでもありません。信仰の目を開かせず、神様の栄光を見せないようにしているのは、「この世の神」とよばれているサタンです。サタンが人々の目をくらませて、パウロを通して示される神様の栄光の輝きを見せないようにします。また、その人が神様の栄光を受けたとしても、輝くことができないようにその人の心におおいを掛けています。

コリント人への手紙第二 4章5〜6節

5 私たちは自分自身を宣べ伝えるのではなく、主なるキリスト・イエスを宣べ伝えます。私たち自身は、イエスのために、あなたがたに仕えるしもべなのです。

6 「光が、やみの中から輝き出よ」と言われた神は、私たちの心を照らし、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせてくださったのです。

(新改訳第三版)

 この手紙を読んでいたコリントの信徒たちは、サタンの妨害に惑わされることなく、パウロが宣べ伝えた主なるイエス・キリストを信じました。これは、パウロが優れた説教者だったからではありません。すばらしい人格者だったわけでもありません。ただ、パウロが、神様の憐れみによって使徒としての務めを行っていたからです。その忠実な働きによって、聖霊様が働いてくださり、人々はイエス・キリストを信じ、救われました。パウロは、自分がイエス様のために、人々に仕えるしもべであると語っています。

 人々から迫害されるような困難な中でも、パウロが宣教の働きを続けることができたのは、ただ、「光が、やみの中から輝き出よ」と言われた神様が、パウロの心を照らして、キリストの御顔にある神様の栄光を知る知識を輝かせてくださったからです。罪の奴隷として暗闇の中にいたパウロの心に、イエス様の愛の光が差し込み、心のおおいが取りのけられて神様の栄光を受けることができたからです。モーセの顔が神様の栄光を受けて輝いたように、パウロの心が、神様の栄光によって輝いたので、パウロはキリストのしもべとして、イエス様が人々に仕えられたのように人々に支え、イエス様が真理と神様の栄光を示されたように、真理を語り神様の栄光を宣べ伝えました。

 私たちも、罪の奴隷として暗闇の中にいました。また、救われた後も、この世の神であるサタンは、隙を見つけて私たちの心におおいを掛けて、神様の栄光を隠し、また、私たちを通して神様の栄光が輝くことがないように妨害をしてきます。信仰生活を続けているなかで、自分は神様の子どもとして、イエス様の弟子として神様の栄光を現すはずなのに、イエス様の御顔に泥を塗るような行いをしてしまい、自分に失望するようなことはないでしょうか。それは、この世の神であるサタンが、心におおいを掛けてくるからです。しかし、私たちがイエス様に目を向け続けるなら、イエス様はそのおおいを取りのけてくださいます。そして、神様の栄光を輝かせることができるように、溢れるばかりに御愛と恵みを注いでくださいます。「光が、やみの中から輝き出よ」と、神様は私たちにも語りかけてくださり、私たちを暗闇から光へ、死からいのちに移してくださり、私たちを世の光として遣わしてくださいます。サタンに惑わされないように、いつもイエス様から目を離さず、聖霊様の助けをいただいて、神様の栄光を知る知識を輝かせていただきましょう。