2021年9月19日「信仰に堅く立っている」木下淳夫 師

タイトル信仰に堅く立っている
聖書コリント人への手紙手紙第二 1:21~24
説教者木下淳夫師

 今日は「信仰に堅く立っている」というテーマです。

 私たちは、生まれたときから立っていたわけではありません。個人差はありますが、立てるようになるまで1年ほどかかります。信仰によって神様の子どもにしたいただいた信者も同じです。すぐに自分の足で立って立派に信仰の道を歩む人はいません。そう考えると、「キリスト教をすべてわかってから信仰に入ります」と言う人もありますが、この考え方には無理があることがわかります。生まれる前から、歩き出そうとしているのと同じだからです。

 今日は、神様の恵みによって、神様の子どもにしていただいた人が、神様の恵みによって成長することをご一緒に学びたいと願っています。

コリント人への手紙第二 1章21〜22節

21 私たちをあなたがたといっしょにキリストのうちに堅く保ち、私たちに油をそそがれた方は神です。

22 神はまた、確認の印を私たちに押し、保証として、御霊を私たちの心に与えてくださいました。

(新改訳第三版)

 神様は、罪を犯して御許を離れてしまった人々を神様の子どもとして、神の国に招くために、ひとり子であるイエス・キリストを、世にお遣わしくださいました。そして、神様と人間を隔てている罪を、イエス様の十字架の死によって取り除き、イエス様を信じて従うことにより、神様の子どもとして、神の国に入ると約束をしてくださいました。イエス・キリストは神様が真実であるお方であることを、言葉を通し、行いを通して明らかにしてくださり、その御愛の深さを、十字架によってはっきりと示してくださいました。

 パウロは、イエス・キリストによってなされた救いの約束を、世界中の人々に宣べ伝えていました。この手紙を読んでいる信徒は、パウロたちが宣べ伝えた福音を信じた人たちであり、パウロたちと同じように、イエス・キリストの恵みによって救いに与かり、神の民になりました。そして、キリストのうちに堅く保たれています。もちろん、コリントの人たちが信じて受け入れたのと同じ福音を信じた私たちも、キリストのうちに堅く保たれています。

 パウロは「私たちに油をそそがれた方」と書いていますが、これはパウロたちが、宣教しているのは、自分の思いではなく、神様がパウロたちを選び遣わされたという意味です。ですから、彼らは、パウロの教えによって信仰を保ち、信仰者として成長しているのではなく、イエス様の恵みによって救われ、神様の御愛によって信仰が保たれ、成長していると伝えています。

 ただ、キリストのうちに保たれていると言われても、確かめることが難しいのですが、パウロは御霊が与えられていることを通して、自分がいつもキリストのうちにいることを確かめていました。パウロは、いつも御霊の導きをいただき、助けをいただいていましたから、自分が神様から遣わされ、神様の恵みによって行動していることに確信を持つことができました。

コリント人への手紙第二 1章23〜24節

23 私はこのいのちにかけ、神を証人にお呼びして言います。私がまだコリントへ行かないでいるのは、あなたがたに対する思いやりのためです。

24 私たちは、あなたがたの信仰を支配しようとする者ではなく、あなたがたの喜びのために働く協力者です。あなたがたは、信仰に堅く立っているからです。

(新改訳第三版)

 パウロは、自分の知恵によって損得を考え福音宣教をしているのではなく、神様に選んでいただいて、キリストの使徒として遣わされ、福音を語り、兄弟姉妹を教え導いて来たことを証しました。だからこそ、コリントの信徒を悲しませるのではなく、恵みを受け取ってさらに成長できるように、彼らを愛しておられる神様が、パウロの訪問を遅らせてくださっているのだと教えています。パウロは福音を信じた一人一人が、キリストのうちに堅く保たれているのだから決して倒れることはなく、たとえ一時的に罪を犯して弱っていても、必ずキリストにあって立ち直り、堅く立つことができると励ましています。パウロが彼らに伝えようとしていることは、彼らがパウロに依存するのではなく、キリストのうちにいること、イエス・キリストが彼らを生かしてくださり、立たせてくださっていることを覚えて、自分の足で歩むことです。

 私たちも、イエス・キリストを救い主と信じるなら、神様の子どもとしてキリストのうちに堅く保たれています。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんが自分の力だけで成長できないように、神様の子どもとして成長するためには、たくさんの人たちの協力が必要です。そのために、神様は教会を備えてくださり、牧師や教師、兄弟姉妹を通して、みことばを学び、神様の御愛を経験しながら、一人ひとりがキリストのうちに立って自分の足で歩むことができるように助けてくださっています。

コリント人への手紙第二 1章24節

私たちは、あなたがたの信仰を支配しようとする者ではなく、あなたがたの喜びのために働く協力者です。あなたがたは、信仰に堅く立っているからです。

(新改訳第三版)

 イエス様を信じた人は、信仰に堅く立っています。初めは自分で立てないかもしれません。しかし、イエス様がともにいて立たせてくださっています。そして、一歩一歩自分の足で信仰生活を続け、神様の愛を深く知り、神様の祝福を体験して、喜びに満たされるように、皆さんの周りには協力者も与えられています。パウロがいつも御霊の導きに従ったように、私たちもいつも御霊の声を聞くことができるような聖徒に成長して、どんなときも揺るがない平安な生涯を歩みたいと願います。

コリント人への手紙第二 1章19〜20節

19 私たち、すなわち、私とシルワノとテモテとが、あなたがたに宣べ伝えた神の子キリスト・イエスは、「しかり」と同時に「否」であるような方ではありません。この方には「しかり」だけがあるのです。

20 神の約束はことごとく、この方において「しかり」となりました。それで私たちは、この方によって「アーメン」と言い、神に栄光を帰するのです。

(新改訳第三版)

コリント人への手紙第二 1章20節

20 神の約束はことごとく、この方において「しかり」となりました。それで私たちは、この方によって「アーメン」と言い、神に栄光を帰するのです。

(新改訳第三版)